青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

96-1/3 蓄電デバイスのリチウムイオン電池

リチウムイオン電池はエネルギー密度が高いだけに安全コストが嵩む電池ですが、利点が大きいので需要が増え続けています。

筆者/青草新吾は1996年3月に当時のソニー電池研究所の所長/西美緒氏の講演をマイアミの国際会議で拝聴したことがありますが「安全性のために円筒形に集中している(角型の供給には手を出していない)」と述べておられたのがとても印象に残っています。同氏は1996年9月の日経ビジネス誌上でソニーRMEカンパニーのバイスプレジデントとして「90年まで当社には2次電池がなかった。従来にない新しい製品で参入しようとリチウムイオンに集中した。(リチウムの利用を)金属からイオン電池に切り替えて成功した。」とコメントを発しておられました。リチウム発熱・発火しますし、電解質溶媒可燃性物質です。リチウムイオン電池とは、エネルギー密度が高いだけに危険で安全コストが嵩む電池です。主要電池メーカーは市場投入に躊躇いがありましたが、ソニーが安全性の開発で先行し1991年に世界初の量産を開始しました。
ソニーはノートパソコン向けの円筒形で市場開拓を進めましたが、三洋電機アルミ製電池缶角型(箱型)を投入し携帯電話シェア獲得に成功してトップ企業にのし上がりました。またこの1990年代後半には、韓国SDI(三星電管)や中国BYDなどがリチウムイオン電池の量産立ち上げのために日本の生産財各社(電池材料電池製造設備)と頻繁に接触し準備を進めていました。ソニーは1996年頃から市場投入を開始したリチウムイオンポリマー電池を拡大しています。ちなみに現時点で世界トップは三洋電機、2位がソニー、3位が松下電池、4位がBYD、5位がSDI(三星電管)とのことです。
車載用大型電池ではハイレート特性(瞬発力)と安全性で勝るニッケル水素電池が主流ですが、リチウムイオン電池の中では最も安全性が高いマンガン新神戸電機(現日立ビークルエナジー)が量産供給しています。2000年に日産ティーノで、2003年にヤマハ発動機のパッソーラで・・と実用化が続いています。その他車載向けは後述します。