青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

2018-09-15 214.変化に強い会社と働き方とは

大変化が進みます。衰退していく会社もあれば、AIで機械化される仕事も増えていきます。日本が強みとする産業で、より付加価値が高い仕事と働き方を工夫していくことで、危機に強い個人や組織が作られていきます。

大転換の時代を乗り切っていくために、仕事で関わる事業のイノベーション働き方をアウトプット中心の柔軟な働き方にしていくことで求められます。まずは日本が強い産業分野に注目します。国際競争力の一つの指標で、購買力平価ですが、数年前の調査で生産財・産業財などの企業物価が99円消費財が129円ということでした。日本の生産財競争力が強いといえます。生産財の中には食品原料調製品も含まれます。・・・・岡山駅の一角か隣のビルの入り口で“海の魚川の魚の両方が同じ水の中で泳いでいる”のをみたことがあります。岡山理科大学太古水(好適環境水)を使えば、海水がないところでも海の魚の養殖ができます。山村の小学校廃舎でのサカナ養殖がリアルに想像できます。また近大マグロ完全養殖は「近代のお蔭でマグロが食えなくなることはない。有難う。」と感じます。近大はほぼ絶滅危惧種のうなぎでも「うなぎ代わり琵琶湖なまず」の養殖に成功し、複数の民間会社が本格事業化を狙っているとのことですから、待ち遠しくてなりません。
   ロボットの世界需要の伸びについて、204[ 2017.1.21 ロボット産業 ]で全体を俯瞰しました。産業ロボットを含めたロボット5種世界需要は15年実績の1.7兆円から25年には38.5兆円へと、年平均36.6%で成長が続くというものでした。スマホと同様に、高級部材バイスに日本の産業集積の強みがあります。・・・・「精密減速機」では日系のハーモニックナプテスコ住友重機械3社ほぼ世界シェア100%を維持しているようですが、ここに日本電産が勢いよく参入中です。・・・・電子デバイス産業新聞2018.8.30付は「 自動車分野に加えて近年はEMS電機電子分野における小型産業用ロボットの需要が増加し、ハーモニック社の2017年度売上高は前年度比81%増の543億円を記録し更に今も拡大中。生産面でも増強を進めるが、供給が追い付かない。そこへ、日本電産グループと日本電産シンポが減速機の展開を急速に強化している。」と報道しています。・・・・要素技術大国の日本は、このような中規模・小規模の分野では図抜けた存在です、
   早大招聘研究教授の木村秀紀さんは日経2017,0.7付で「付加価値の源泉システムに移りつつある。日本が強い要素技術もシステム化に結びつけていかないと付加価値がとれなくなっていく。・・・日本は、“内視鏡、ロボットの腕、これらの操作技術”で世界トップを走りながら、要素技術が揃っているのに、それらのシステム化製品である手術ロボットは日本で現れず、米国で製品実現された。システム技術の弱さが日本の技術の足腰を弱めている。欧米には数多いシステム科学技術の研究所が、日本には一つもない。」との警鐘を寄稿されておられましたが、とても印象強く記憶に焼き付いています。一般的な日本の会社は、現場力が強い反面で、システム的思考が弱くなりがちです。ISOやTSなどマネジメントシステムでも、会社の中で表面的で断片的な作業レベルに終始してしまいがちな風土があるように感じます。
   例外的日本が強いシステム製品自動車です。その自動車も、「常時インターネット接続(C)自動運転(A)シェアリング(S)電動化(E)」が進行中です。従来とは異次元の競争が始まります。トヨタのような自動車メーカーと同じ土俵でGoogleなどが開発を進めています。クルマのインターネット端末化ともいえます。スマホよりは複雑で大きな製品ではありますが・・・・・・。
   筆者/青草新吾は、自宅の購入後14年のプラズマテレビ液晶テレビに新旧入れ替えました。やはりプラズマの画像というか色彩は図抜けていたのだな・・と実感します。このプラズマと液晶の競争については、FPD(薄型テレビ)を重点テーマとして、51(2006.8)から91(2007,5)にかけて追いかけた時期もありました。液晶テレビ(LCD-TV)をリーしたかに見えていたシャープが韓国勢に逆転され、パナソニックも2013年12月末にプラズマテレビ(PDP-TV)を終息しました。その後、韓国勢は、中国勢の勢いに押され気味になってきています。・・・・それにしてもシャープが台湾のHon Hai(鴻海)に買収されたのは、実に幸運な出来事だったように感じます。当事者でないので外見と外部情報だけからの印象ですが見事な再建を果たし、しかもシャープのテレビの売れ行き中国で好調と聞くと、日本企業にありがちな管理職の延長線上の序列と肩書きの経営者に対し、事業家魂に溢れた投資家とその投資家から委任された専門経営者という株式会社の基本がいかに大切か、を感じます。会社のマーケティングというか、経営者格差というか、リーダー格差を感じてしまいます。
   D.アトキンソンさんが「新・生産性立国論」*1で、「日本の経営者は、世界4位の優秀な人材を使って、先進国最低の生産性(世界28位)しか生み出せていない。しかも、人材ランキング世界32位の韓国よりも低い最低賃金で、世界4位の人材を使えるというおまけまで得てのことです。・・・他の先進国ではとうの昔に時代遅れになった“感覚と経験による経営いまだしがみついている”実態が見透かされています。」と述べているのは、耳痛ながらも有難い指摘ともいえます。
   スポーツの世界では、相撲日大アメフト女子レスリンボクシング女子体操日体大駅伝と不祥事が続きますが、民間の会社よりは半世紀くらい遅れているようです。例えば、良い見本として、前214で引用した東福岡高校や、青学の原監督のような、今の時代のリーダーもおられるにもかかわらず、正反対のリーダーというか、世の変化を無視したような、まさにアトキンソンさんが指摘する「時代遅れの感覚と経験の経営」そのものです。
   前稿213でも記述しましたが、江戸時代以降閉鎖的タテ序列社会に、戦後の人事システム(一括採用年功序列悪平等)が組み合わさった、中根千枝さんが「タテ社会の人間関係*2で研究発表してくれた、戦後の右肩上がりの時代に日本社会で特徴的にみられた雰囲気に、世界どこにでもある組織病(学問的には”組織の逆機能”)が混じって出来上がった戦後日本型・大企業病そのものです。
   女子体操界では、被害者からパワハラの加害者として訴えられた塚原さんは、これまたご自身の優位な立場を総動員して、見苦しい言動を繰り返していました。スポーツの世界でもマネジメントの常識が要ると感じました。その幇助をしていたのが、バラエティの坂上忍さんなどで、塚原さん寄りの発言を煽っていたと聞きましたが、ここまでくると有害メディアです。・・・・パワハラの意味そのもの理解してもいないのに、ルール違反の無責任な言動を繰り返していたようですが、テレビ局のガバナンスの問題ともいえます。安心してコメントを聞ける木村太郎さんあたりとの常識や知的レベルの格差が大きすぎます。
   パワハラ現場で起きたことがすべてですから、その事実関係の検証に集中すべきです。ここでは道理をわきまえた論理的な思考力も必要です。被害者と加害者を同等に扱って、無関係な話へと次々と脱線していくのでは、バラエティといえども悪質きわまりない行為です。判断に必要な客観的な知識ももたずに無責任すぎます。加害行為の上乗せ・上書きになりかねません。・・・・女子児童が犠牲になられた高槻市寿永(じゅえい)小学校のブロック塀事故について212で前述しました。この事故は、高槻市教育委員会が「専門家の危険性指摘を、素人判断で結論づけて放置した」ことで起こった人災ともいえます。体操のパワハラ問題と同様、素人の第三者の無責任な口出し、戦後日本型組織ぐちゃぐちゃ責任分担そのもの、「悪平等で専門家を軽視」する典型事例と通底します。
   大変化の時代を乗り切っていくためにも、会社組織は「先進国型の働き方」へと、そしてスポーツ組織も「合理的で効果的な運営」へのシフトを加速していくことが期待されます。

*1:「新・生産性立国論ISBN:9784492396407

*2:「タテ社会の人間関係」 ISBN:9784061155053