青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

2018-08-24 213.合理的なリーダーがもたらす やる気と生産性

相撲協会、日大アメフト、ボクシング連盟や、"内向き大企業病"が蔓延して沈滞ムードの会社等々・・"戦後日本型組織”のニホンザル的な威圧恫喝型リーダーの旧弊が目につきます。日本を低迷させる主要な原因の一つです。"人材が価値を生み出す時代"に求められているのは、ゴリラ的な後押し支援型リーダーです。


   高校スポーツ界の強豪/東福岡高校のスポーツ監督を閑テレ"Mr.サンデー"が紹介していましたが、選手に自分で考えさせるリーダーシップでとても合理的な姿勢でした。女子柔道の金メダリストの溝口紀子さんが読テレ"そこまで言って委員会NP"で「スポーツのリーダーも今はスポーツ科学やスポーツマネジメントを学んで合理的に鍛える時代。練習量が少ない仏国の選手に負けたりするのも無駄な練習が多いから。世界のリーダーを相手に渡り合うコミュニケーション力も要る」と述べておられました。・・・・リーダーシップに求められているのは、スポーツ界も、会社の経営者や管理職でも同じです。目的に向かって無駄のない合理的な鍛錬と、計画性のPDCAや実行力が要ります。モチベーションを高めて目的に向かって合理的な努力をするチームに、旧弊管理職統制主義的威圧と恫喝で動く集団は勝てません。
    京大総長の山極寿一さんは「霊長類の中で人間に最も近く約1千万年前に分岐したヒト科(類人猿 )のチンパンジーやゴリラは、例えばゴリラ序列がない仲間並列社会で、フォロワーに推されたリーダーが存在する。・・・約2-3千万年前に分岐したオナガザル科のニホンザル序列タテ社会で"恫喝やえこひいきで自分の力を誇示"することで群れを押さえつけておかないと、自分の地位を保てないパワーシステムが存在するボス型支配。」と説明していましたが、冒頭の相撲協会、日大アメフト、ボクシング連盟や内向き大企業病が蔓延して沈滞ムードの会社等々・・"戦後日本型組織”はニホンザルの社会に近そうです。
    日本は、1945の敗戦でGDPが戦前の半分に落ちましたが、敗戦後10年間の戦後復興で倍増し、1955年頃には開戦直前の3千ドルくらいにまで回復できました。明治・大正と昭和一桁の方々モーレツな働きのお蔭です。1955年からは高度成長が始まり、1973年のオイルショック以降は安定成長へと35年もの右肩上がりの時代謳歌できました。しかし1991年からのバブル崩壊以降大きく衰退し、一人当りGDPは、1993年に世界トップとなってから年々落ちて、今は25位です。しかも一人当たりGDPで日本に近い独仏英と比べても最低賃金の低さが際立ってます。日本の最低賃金は「労働時間一時間当たりGDPの28%」で、独仏英のほぼ半分です。
     日本の就業者数67百万人の内訳で雇用者数は約59百万人で、その勤務先は7割が中小企業、大会社は3割です。日本社会を良くしていく上では7割が勤務する中小企業の職場環境と経営状態が極めて重要です。ちなみに統計上の中小企業とは、資本金が、製造業で3億円以下、卸売業で1億円以下、サービス業で5千万円以下です。中小企業庁の発表では、売上高485兆円、経常利益18.5兆円。小規模な会社ほど雇用の多様性が広がっているようです。
     非上場でもサントリー竹中工務店のような大会社もありますが、殆どが資本金5億円以下の中小企業です。この非上場企業の株式に関し、日経新聞2018.1.13付は「日銀資金循環統計によると家計の金融資産1,845兆円の内訳で、非上場株84兆円(2017.9時点)と上場株107兆円」と報道していました。この家計部門の非上場株84兆円は、GDPで言えば、オランダやトルコ、関西2府5県に相当します。家庭部門が持つが上場株の8割相当非上場株84億円の多くが会社法の不備などもあって、塩漬けとなっているものと危惧します。家庭で塩漬けの非上場株の資金流動化して活かされるようになると、家庭も日本経済もベターになると期待できます。
     上場会社大会社の場合には、株主代表訴訟や、世間の牽制も働くのでそれなりにガバナンスもあるレベル以上には整う条件と環境があります。資本金5億円以下でも、規模が小さな零細の部類ほど雇用の多様性が広がっているのは、働き手を確保するための必要性からの牽制が働くからです。・・・会社法も大会社となる資本金5億円以上には適正のための内部統制を求めているので多少の改善が期待できます。・・・問題なのは資本金5億円以下の規模が大きな会社ほど私物化などガバナンスが不適正な会社が多くなりがちということです。・・・このガバナンスが不適正なままの非公開会社の中には、支配株主の私益のために犠牲にされた一般株式がかなり含まれるものと推定できます。上場を目指したり、株価上昇のチャンスもないのに従業員持ち株会があったり、お付き合いの政策株で法人持株があったりで、株主権が希薄化の恐れもあります。・・・。「大株主や役員の専横を防ぐ」ために「一定以上の株数を持つ株主には議決権割合に応じた少数株主権」が与えられているのですが、上場会社よりも活かされる機会が少ないものと推察します。
     働き方改革とは、生産性向上を実現し、生まれた成果の付加価値会社と従業員で分け合うというのが本来の目的ですから、株主経営者に対する牽制や監督が極めて重要です。・・・・株式とは会社の所有権を均一に分割したものですから、株主は「持株数に応じた支配権」を持ちます。・・・世間一般で言われる会社オーナーとは「株主総会で決議できる支配株主」のことです。持株67%以上の「特別決議権オーナー」や持株51%以上の「普通決議権オーナー」、上場会社の「持株20%以上の持分法適用オーナー」などはオーナー自身のリスクも明確ですが、「同族持株30%以上の同族オーナー」の中心的な株主や、「持株20%未満の大株主ではあるが、基本的な立場は雇われ経営者」が、オーナーほどの支配権を持つわけでもないのに、オーナーのようにふるまうと、株式会社の制度会社法歪めてしまう可能性が高くなります。例えば東芝のような大会社では雇われ経営者が社長引退後も利権を持ち続けようとして不祥事も起こっているようですが、非上場の場合には、目立たない分だけ色々なことが起こると歯止めが利きにくいというか、自浄作用が働かないということもあるように思います。
    欧米は、株主の権利が強くなりすぎたので、次の発展段階としてESG投資などの推奨が高まっていますが、日本は周回遅れまずは株主総会株主権の役割を高めていく必要があります。そのことで民主主義と法の支配にふさわしい、自由主義的な経営、従業員の内発的動機をエンジンにしたエンパワメントされた事業展開と組織運営が広がっていくものと期待します。