京都の日本電産は、一つの組織能力モデルを提供しています。大きな特徴は永守創業者の「最大の福利厚生は能力アップ」「歩をと金にする」「二流を一流にする」という言葉に代表される人材育成への飽くなき決意と志に牽引された雁行型リーダーシップの組織能力にあると考えています。
企業の組織能力に関する研究が進んでいますが、同一製品アーキテクチャであってもものづくり組織能力へのとことん進化欲求が起源のトヨタ的な組織能力、創業者への共感と創業者を共有できることへの誇りで育まれてきた松下電器や米国IBMのような組織能力、創業者の強烈なリーダーシップの下で、現在進行形で磨きがかかる京セラや日本電産の組織能力・・と、組織能力の成長エンジンは多様です。
多くの大企業関係者が鍛えられていない能力、即ち、学校秀才を掻き集めて段階的に選別して絞り込んでいくシステムだけに慣れきった凡人の対極で示されているのが日本電産の「人材磨き」を成長エンジンとした組織能力のモデルです。
日本電産の組織能力と永守創業者のリーダーシップを解剖していく分析ツールとして次の文献が参考になっています。
- 「会社の強さは組織能力で決まる」石黒重光 isbn:4860630904:
- 「なぜ『できる人』は『できる人』を育てられないのか?」吉田典生著 isbn:4534040032:
- 「部下を動かす人事戦略」金井嘉宏・高橋俊介共著 isbn:4569639577
- 「仕事で『一皮むける』」金井嘉弘著 isbn:4334031706:
- 「組織も戦略も自分に従う」米倉誠一郎 isbn:4121501535:
- 「柔らかい企業戦略」嶋口充輝 isbn:4047040606:
- 「企業のパラダイム変革」加護野忠男 isbn:4061488902:
- 「組織戦略の考え方」沼上幹著 isbn:4480059962:
- 「組織デザイン」沼上幹著 isbn:4532110238
- 「能力構築競争」藤本隆宏著 isbn:4121017005:
- 「社外取締役」大橋敬三著 isbn:4121015606: