青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

104-1/3 組織論で厄介者の権力とキツネの権力

健康な組織は、人間の創造的エネルギーを高めます。反対に機能障害と腐敗が進む病的組織は人間の仕事を邪魔します。

厄介者キツネのような奇妙なパワー(権力)が跋扈する病的組織は人間のエネルギーを低めます。組織論の上で判りやすい醜悪見本は、例えば2006年10月頃に全国報道された奈良市役所病休不正です。最近も、職員による中抜きなどの勤務放棄の常態化を、管理職が見て見ぬふりをしている報道がありました。直接の原因は厄介者です。管理職として真面目に取り組もうものなら首をつかんだりして威圧してくるそうです。管理職も不正と対決して闘わないようなのです。厄介者に続く原因は不正と戦わない管理職集団です。組織が組織として機能していない状態です。社会保険庁年金記録不祥事は、社会党共産党系の自治労集団による威圧や屁理屈をつけてのサボタージュ(インプット作業)、インプット作業をしない職員と対決しない事なかれ主義の幹部が、組合との協定と称して安直にもアルバイトにインプット作業を丸投げし、照合作業は怠ったまま・・・で発生した人災でした。民間企業にも、もっと軽微な事態としての組織の腐敗傾向や厄介者の存在がみられます。
筆者/青草新吾は、一橋大学大学院教授/沼上幹氏の「組織戦略の考え方*1と「組織デザイン」*2を重宝にしています。特に「組織戦略の考え方」は、従来の教科書から一歩も二歩も飛び出した現場の現実の人間模様をよく整理できています。上述の厄介者に加えてキツネの事例が記述されていますが「厄介者とは、何かと言えば大騒ぎをして社内外に誹謗中傷をふりまいて歩く、など大人げない行動を人前で恥ずかしげもなく平気でとれる人」であり、「キツネとは、顧客がそのように要求しているなどと、顧客というトラを利用して、会社のためと称して自身勝手な意向を通そうとする人」。そして厄介者やキツネは「(大企業に多い)優等生組織温床とする。」とし「組織の判断は、論理に合うこと、辻褄が合うこと、戦略に合うこと、が判断の基準であるべきである。大人しい優等生たちでなく、論理的に合わぬこと、、辻褄が合わないこと戦略に合致していないことに対しては、対決してでも議論できる人々が多く存在すれば、これらの奇妙な権力が増長することはない。大人しい優等生たちは、一見優しそうな良い人なのだが、実は組織全体が長期に保つべき健全性に対して無責任である。羊たちの沈黙奇妙な権力の温床になるということを忘れてはならないのである。」という警鐘は組織品質や風土を考える上でまさに慧眼といえます。組織論で見落とされがちな組織の機能障害を引き起こす厄介者やキツネについて、次週も記述を続けます。

*1:組織戦略の考え方沼上幹著 ISBN:4480059962 ちくま新書

*2:「組織デザイン」沼上幹著 ISBN:4532110238 日経文庫