青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

2007-06-16 86-3/4 マテリアル系生産財

マテリアル系生産財による部材の競争戦略に関し、東証上場で愛知県尾張旭市のMRUWAや京都市のクリーンベンチャー21の事例が参考になります。

MARUWAは回路部品用のセラミック材料からスタートして今は電子部品の製造までを手がけています。日系ビジネス2007年4月16日付は「80年代前半のニューセラミックスブームではいち早く海外に生産拠点を建設し、価格競争で勝ち残った。自社のセラミック材料だけでは付加価値が低く、単価競争になれば生き残れないと考えた神部社長は、他社がお払い箱にした精密加工技術電子デバイス技術積層技術薄膜技術など、他社の技術ライセンスや事業部そのものを格安で譲り受け、自社内に取り込んだ。素材から電子部品までセラミックのすべてを担える力を備えることを選択した。製品戦略のプロダクトミックスでは、自社が持つ既存の技術を掛け合わせて新しい付加価値を生み出すことによって、他社との差異化を図っていった。しかし顧客戦略の顧客ミックスでは特定の取引先に過度に依存していたために2003年3月期には10億円の経常赤字を計上。以後は石英ガラス事業やLED事業の買収で顧客の幅を広げ、特定の取引先に過度に依存しないよう、幅広い事業領域に地歩を築いた。」と紹介していました。
新エネルギーの太陽電池の材料では、シリコンウエハーに代わる球状シリコンの実用化が始まっています。太陽電池製造のクリーンベンチャー21の室園幹夫社長は半導体産業新聞2007年2月14日付で「球状シリコン太陽電池の技術課題は大きく三つある。一つはシリコンを球状にする技術、二つ目は球状シリコンにPN接合や反射防止膜を形成する技術、三つ目が球状シリコン太陽電池を反射鏡権実装基板に実装するセル・モジュール化技術。提携先のカナダのPhotowatt社はコンペティターだが、先ずは球状シリコン市場に出すことでストラテジーを共有できた。球状シリコンは大量且つ安価に製造できる同社が製造し、セル化技術で勝るクリーンベンチャー21がセルを製造、モジュール化技術でより優れているフジプレアム(本稿では16.17.で前述)がモジュール製造を担当する。」と述べておられます。
91で前述の綜研化学は、偏光フィルム用の粘着剤で世界シェア40%といわれますが、中国に工場を設立し、粘着剤の川下側の製品である両面テープなどの製造販売に乗り出すそうです。粘着剤の顧客である国内のテープメーカーに敵対せぬよう、中国で作り中国や東南アジアで売るそうです。フォーブス誌は同社をアジアのベストスモールカンパニー200に選出しましたが、同誌日本版2007年1月号で、綜研化学の中島社長は「中国市場の成長性に期待して、両面テープなどの川下商品を作りたかったのです。」と述べておられました。