青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

116-2/2 省エネで車載LED

自動車へのLED搭載が進行中です。

トヨタ自動車が、世界で初めてのLEDヘッドランプレクサスに搭載しました。120で前述した第1回固体照明国際会議(White LEDs 2007)では、小糸製作所トヨタのレクサスに搭載されたLEDヘッドランプを中心にLEDフォグランプやLEDライセンスプレートランプを展示したそうです。半導体産業新聞2007年4月25日付は「小糸製作所は、白色LEDを採用した世界初となるLEDヘッドランプを開発し、トヨタのレクサスLS600hに採用された。従来のヘッドランプとは異なり、三連小型プロジェクター小型反射鏡から得られる光を合成して配光パターンを作り出し、ドライバーの視認性向上を図るとともに、これまでにない斬新で美しいランプデザインとなっている。温度上昇による性能低下を抑えるため、高耐熱LEDと独自の冷却構造を採用。白色LEDは省電力の可能性が高く、ハロゲンHIDに続く次世代の光源として期待される。」と報じていました。同7月25日付では上述の日亜化学の車載用LEDの展開に関し「日亜化学工業は、07年3月に小糸製作所と業界初のLEDヘッドランプの開発に成功し、トヨタ自動車のレクサスLS600hに搭載された。同社のLED生産は90%が白色LEDで、内70%が液晶BL用だ。前工程は本社、後工程が辰巳、鹿児島、馬国(マレーシア)、年産能力は05年の50億個から10年に100億個に増やす計画。」と、またスタンレーに関し「主力の車載用は、赤色やアンバー色でブレーキランプやストップランプ向けに高い競争力を持ち、筐体設計に合わせたパッケージ開発を推進。5月に日亜化学と提携し、白色LED素子の新たな供給源を確保したことでヘッドランプなどへの応用体制をさらに広げた。」と報道していました。
昭和電工車載用高輝度LEDに関し電産新報2007年12月17日付は「車載や屋外ディスプレイ向け需要拡大が見込まれることから秩父事業所に12億円を投じて超高輝度4元系LED素子の生産能力を2008年末までに月産1億個から2億個に倍増する。同社は独自技術で世界トップクラスの輝度を実現したとしており、赤・オレンジ・黄・黄緑の発光色をラインアップしている。また窒化ガリウム青・緑色高輝度LED素子についても2008年までに月産能力を2億個に倍増させる。2008年は4元系と窒化ガリウム系LEDの合計で150億円の売上を見込んでいる。」と報道していました。日立電線GaAs基板(エピ含む)を中心とした基板供給事業に加えて将来的には自動車のリアコンビネーション向けなどに4元系LEDの供給を図るということで、半導体産業新聞2008年1月9日付は「日立電線は、発光効率65ルーメン/Wを従来比5倍の高輝度赤色LED(AlInGaP系)を開発し、新規参入を図る。金属反射膜を持つ新規構造(金属反射膜形成プロセス)を採用した。作成手順は、GaAs基板にAlInGaP発光層を形成したエピ基板に金属反射膜を乗せ、支持基板と貼り合せてからGaAs基板を除去することで、支持基板上に発光層を形成するもの。日立電線は、基板・デバイス双方の強みを生かした化合物半導体事業の多角化戦略を推進していく。」と報道していました。
海外勢の車載用LEDでは、オスラムオプトフィリップス・ルミレッズが強く、半導体産業新聞2007年9月12日付で「フィリップス・ルミレッズは、2006年3月に蘭フィリップスHP(ヒューレットパッカード)光半導体事業部からの米ルミレッズが統合して誕生した。06年度売上高は3億28百万ユーロで、日亜化学オスラムオプトセミコンダクターズに次ぐ世界3位の規模だ。2割日本で売り上げており、日本の自動車用LEDの日本でのシェア9割近い実績を持つ。」と報道していました。
尚、LEDのアプリケーションで、車載の次の目標は一般照明ですが、半導体産業新聞7月25日付は「世界三大照明メーカーで、独オスラムと蘭フィリップスは内製を志向、GE日亜提携した。GEは照明用有機ELコニカミノルタとも提携し、フィリップスは照明メーカーの米カラーキネティックス社を巨額で買収した。LED素子メーカーとして照明向けに高輝度化や高効率化を達成し続けることができるのは日亜化学オスラムオプトセミコンダクターズ、フィリップスルミレッズに米クリーを加えた四社だけといわれる。青色LED+YAG蛍光体で白色を得る場合、YAGには赤色成分が含まれていないために電球色がだせない。YAGに赤色成分を混ぜると輝度が低下する。これをいち早くクリアしたメーカーが市場を開拓していくだろう。」と報道されていました。