自動車の電子化でパワーデバイスの搭載点数の増加が続いています。ハイブリッド車の登場でIGBTモジュール(パワーモジュール)も使われるようになりました。
モータ、ソレノイドバルブ、ランプ、点火コイル、DC/DC電源、などのパワーマネジメントでパワーデバイスが使われています。例えばMOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)は1台あたり約200個使用されているそうです。半導体新聞2006年12月6日付けで、トヨタ自動車の第三電子技術部第三電子開発室が車載向け60V耐圧で新たなMOSFETのデバイス構造(FITMOS)を開発し、パワー半導体専門の国際会議として権威が高いISOSDS2005でThe Best Paperを受賞したこと、並びに受賞者の弁で「ガリウムナイトライドやシリコンカーバイドなどの次世代材料への期待が高まっているが、長い間の実績があるシリコンで優れた特性を得ることが望ましい」と紹介していました。
ハイブリッド車の登場で使われるようになったIGBTモジュールに関し、富士電機デバイステクノロジーの藤平龍彦氏の寄稿では今現在の車載IGBTモジュール第2世代では最新の第五世代IGBTチップが使われており、第5世代チップと第1世代チップを比較すると損失も面積も半部以下に低減されているそうです。