フラットパネルディスプレイ(FPD)の透明電極や透明回路の形成では透明度が高くてエッチング性に優れるITO(インジウム・スス酸化物)がターゲット材として使われています。
生産財マーケティングでは、顧客業界の製造プロセスの流れを把握することが重要です。透明導電膜はITO(インジウム・スズ酸化物)がガラス基板にITOプロセスのスパッタリングで形成されます。液晶テレビのTFT-LCDではカラーフィルターの対抗電極とTFTアレイの表示電極で使われています。ITOターゲット材の需要の9割がTFT-LCDで、残り1割がPDPや有機EL(OLED)、太陽電池などで使われています。
ITOは82.で前述の通り、1次製品のインジウム地金が2次製品のインジウム粉末を経て3次製品の焼結体でITO(インジウム・スズ酸化物)ターゲット材となり、ITOの焼結体は銅製バックプレートにボンディングして供給されています。
33[生産財の加工流通で調製加工]や34[調製加工で太陽電池向けシリコン]、35[生産財マーケティングで調製加工や外注加工]、61.[鉄鋼製品のコイルセンター]で前述したように、QCDSのD(デリバリー)では、顧客仕様へのサイズ合わせや組立などの製造の下工程は、地理的に顧客と近いことがDの競争力を維持する上で重要です。
レアメタル・ニュース2006年11月1日付は「世界シェア5割で首位の日鉱金属が11月から順次で07年5月までに焼結工程までの月産能力を50トンへ現行比25%増強する。台湾と韓国では機械加工とボンディングの能力を増強する」と報道していました。