薄型テレビの主要デバイスであるTFT-LCDやPDPの透明導電膜の形成で使われるITO(インジウム・スズ酸化物)ターゲット材の供給が逼迫していますが、リサイクルを含めた増産と代替材料の実用化で需要は何とか賄えていけるだろうというのが大方の見方です。
レアメタル・ニュース2007年1月1日付で透明導電膜用ITO(Indium Tin Oxide/インジウム・スズ酸化物)ターゲット材で世界トップの日鉱金属 ・電子材料カンパニー・液晶ターゲット事業部の大野守一事業長へのインタビユー記事を紹介していました。
曰く「世界需要は、ITOターゲットの世界市場規模は2005年の650t(480億円)からは2006年に年間800t(520億円)となり23%増、2007年は1,100tで38%増を予想。・・・世界供給は、2004年度当時からみると供給がかなり増えた。これは亜鉛地金の生産者が新規にインジウムの回収を始めて参入したり、液晶やPDPメーカーがスパッタリング装置のチャンバー内に付着したくずを回収してリサイクルに回すなどで、ITOターゲットの出荷量に対して70%がITOメーカーに戻ってくるようになったから。・・・資源獲得に関し、当社のインジウムの調達ポリシーは、中国の比率を減らしていくこと。増値税や輸入ライセンスなどをとっても基本的にはカントリーリスクがある。自由諸国からの購入を増やしていく。世界の亜鉛鉱石の年間生産量が約1千万トンとすると、インジウムは1千トンほど含有している。Kg当り10千円時代は300t程度の生産しかなかったが、(12月22日でKg当り112千5百円の)今は(世界生産が)450tから500トンになった。経済的には6-7百トンまで抽出可能ではあるまいか。足らなくなれば代替材料が実用化されるサイクルに入るのではないか。」と述べておられました。