青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

109-4/4 HDD円盤でサブストレート研磨と磁性層形成の進化

HDD円盤製造の最終工程のサブストレート研磨と磁性層形成でも部材の進化が続きます。

ブランクを研磨する研磨剤のシリカゾルに関し、半導体産業新聞2007年4月25日付は「日揮旭硝子の共同出資で1958年に設立された触媒化成工業の北九州工場は、(サブストレート製造の)研磨剤のシリカゾルの需要がまさに爆発的で生産は手一杯になっている。」と紹介していました。
円盤用磁性材ターゲット世界シェア50%を目標に掲げる日鉱金属に関し2006年6月19日の日刊産業新聞で、日鉱金属電子材料カンパニーの山梨功雄プレジデントは「06年度の設備投資170-180億円は、2割を半導体用ターゲットで銅やタンタルなど敗戦材料の生産能力を引き上げる。コバルトやニッケル、タングステンなどゲート電極用の次世代合金材料の設備も増強する。3割を液晶用ITOターゲットや圧延銅箔、磁性材ターゲットの生産能力を増強する。20年度以降に上下工程合わせて60トン体制を整える。圧延銅箔は19年度に生産能力を2割増強する。」と述べておられます。
円盤(HD)に塗布する潤滑油に関し電産新報2007年6月25日付は「旭硝子が開発した新規変性フッ素オイルは熱安定性、耐薬品・溶剤性を損なわずに低粘土、低吸湿特性、低摩擦特性を実現したことで、HDに接触したヘッドが付着せず再浮上しやすくなり信頼性向上につながる。従来製法では利用可能なフッ素原料が限定されるため、構成可能な分子構造も限られていたが、同社の直接フッ素化技術(パーフェクト法)だと自由度が高い分子構造の製品を製造可能となる。」と紹介していました。
尚、117で前述した円盤とのデータの書き込みと読み込みを行うHDD磁気ヘッドユニットに関し、位置決めコイルで使われる電線に関し日刊産業新聞2007年12月3日付は「フジクラCA線(銅クラッドアルミ線)を10年ほど前からHDDのヘッド位置決め用コイルに供給している。他にヘッドイヤホン内部のコイルなど、軽量性の求められる部位に使われている。今回、自動車向けに拡販する方針を明らかにした。CA線とは、アルミ線を一様の厚さの銅で被覆した導体構造で、銅電線よりも4割以上軽量化できる。アルミ線は表面が酸化しやすく、酸化皮膜が原因で接続部の電気抵抗値が上昇する問題がある。CA線はこの点を解消しており、ハンダ付け接続もできる。」と報道していました。