81-1/4 耐久生産財で中国
グローバル品質の耐久生産財でも中国は世界最大の市場になりました。輸入では台湾などの華人資本の調達がかなりのウエイトを占めているようです。
日本からの輸出は、統計上は中国向け輸出として計上されますが、現地の輸入企業の多くは華人資本の企業と日系、一部が欧米系です。耐久生産財の中国の輸入規模は、例えば実装機の事例ですと電波新聞2007年5月4日付は「中国が2006年に輸入した実装機は前年比15%増の10,351台。金額では17億ドルで世界実装機市場の40%を占めた。輸入金額の76%が日本からで2位の韓国の10倍以上。地域別では広東省が54%、次いで江蘇、上海、北京の順。中国電子産業の地域別発展状況を反映した数字ともいえる。」と報道していました。
愛知県立大学の樋泉克夫教授は著書の「華僑烈々」*1で「世界華商大会は1991年に第一回大会がシンガポールで開催され、定期的に開催されている。次回の第九回大会は2007年に神戸と大阪で予定されている。・・中略・・(トウ小平の改革開放政策は1989年の天安門事件で失速したが1992年のトウ小平の南巡講和以降)この時以降、(華人資本は)東南アジアからに加え、香港や台湾からの資本が中国市場に怒涛の勢いで流れ込み、中国経済の成長は軌道に乗ったのだ。これら華人企業家、香港や台湾の企業家なくして中国経済の発展は考えられなかった。そしてこれらの華人企業家に飛躍の機会をもたらしたのが円だった。華人企業家育ての親は円だった。」と述べておられますが、筆者/青草新吾もまったくの同感であります。
*1:「 華僑烈々-大中華圏を動かす覇者たち」樋泉克夫著 新潮社 isbn:4103033312