青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

183. 公務員天国でギリシャと大阪

“欧州危機に火をつけた役人天国ギリシャ”みたいなことにならぬよう、“役人天国大阪市財務省”には改心をして公務員改革と歳出削減に取り組んで欲しいものです。

2011年11月27日に大阪で行われる大阪府知事大阪市長同日ダブル選挙が、日本を行政破綻と財政破綻の瀬戸際から立て直すきっかけの一つになってくれるものと期待します。大阪府財政赤字黒字に立て直し橋本知事と、自民党から割ってでた自民党改革派が合流して立ち上げた“維新の会”が橋本知事大阪市長候補にぶつけ、対戦相手の現職の平松市長自治労民主党並びに自民党守旧派に推されて戦います。平松市長は、“大阪を守る”といいますが、改革案は何も示していませんから、要は自治労などを代表しての現状維持、露骨に言えば“ぬくぬくとした大阪市役所に巣食って利権を守る”ということに他ならないような気がします。1965年(昭和40年頃)までの“かっての日本の公務員”は、世界から羨ましがられるほど汚職も少なく使命感に燃えた方々が多い集団だったように思います。給与水準は民間よりも低いものの、郷土や国を想う方々が多かったように思います。・・・183-2/2[2011.9.30]で前述した世界フォーラムでは日本の公的部門仕事の成果世界最低レベル社会保険庁のように国民のお金をネコババする泥棒職員も多く巣食っています。今の公務員は、民間の足を引っ張る存在に成り下がっていながらも、給与水準だけは世界最高です。かっての公務員と“今の公務員”の“違いのキーワード”は、先祖が伝統を培ってきた国や郷土への思い入れだったような気がします・・・・。ラトビア(LATVIA)の公務員改革立派です。テレビ東京が、確かモーニングサテライトあたりで放送して公務員改革の実例を知らせてくれました。2009年に就任した40歳ドムフロスキスなる首相がインタビューで行う説明は祖国への想いを感ずる立派なものでした。事実、ラトビアでは公務員の方々も祖国のために痛みを分かち合い、大幅な歳出削減を実行し、公務員4分の3にまで削減し、政府や市役所の関連組織を半減し、さらの“給与25%カット”も実現したそうです。ロシアやソ連に蹂躙されてきた歴史と、必死の思いでソ連から独立を勝ち取った自立の歴史、先祖から連なる祖国への想いがそうさせているのではないでしょうか。
先祖が営みを続けてきた郷土や祖国への思いについては、先ずは“事実に基づく判断”が重要です。アジアは何も支那中国と韓国だけではありません。日本の大手メディアの多くが、中国共産党プロパガンダや日本の左翼にたきつけられた韓国の反日運動反日史観ばかりに偏って報道することが多いのですが、反日教育を行っている支那中国と韓国の両国を除くアジア諸国から日本を見ると、世界の中の日本と反日史観に歪められていないあるがままの日本の歴史”がよく見えてきます。筆者/青草新吾は、今月はベトナム(越国)のハノイ(河内)と、タイ(泰国)のバンコク(曼谷)を訪問しました。・・・・まず泰国ですが、欧州人の日本を代表するイメージの一つが「日本とは一度も植民地にならなかった東洋の国」[デュラン・れい子 ISBN:9784062724487 ]ですが、泰国も植民地とならず独立を維持していました。アジア諸国の中で、西欧列強諸国の植民地支配を避けることができたのは、日本と泰国の二国だけのようです。泰国は、当時の地政学上の幸運と“ラーマ5世”という名君に恵まれ独立を維持できました。名古屋日泰寺には、明治33年(1900年)にラーマ5世が日本国民に贈ってくれた仏舎利が安置されているそうです。・・・・次に越国ですが、日本と越国に共通するのは、140[2008.8.30]で前述しました世界人口の半分を支配した史上最大の帝国のモンゴル帝国からの来襲を撃退できたのは日本越国二国だけだったという事実です。清仏戦争の結果、越国は仏国の支配下に入ることになったため、越国の指導者だったファン・ボイ・チャウが、日本を訪問し犬養毅に会ったときに、犬養毅から「自分の国自分で守るものだ。そのための協力は惜しまない。しかし、自分は何もしないで、他人に血を流してもらおうというのでは料簡が違う」といわれ、とても恥じ入り、帰国後に“東遊運動”で多くの若者を日本に送り出して学ばせたそうで、そのうちの一人がボーグエンザップ将軍だったそうです。ボーグエンザップ将軍は日本に留学して独立の気運を高めたお方だそうです。ボーグエンザップ将軍は、ディエンビエンフーの戦いで仏国を追い出し、隣国のカンボジアでは、支那中国共産党の後押しで政権を奪取し残虐な虐殺と暴政を行ったポルポト政権を倒し、支那中国の人民解放軍を国境から撃退しました。・・・・列強の過酷な植民地支配からの民族独立を目指すアジア各国の国士諸兄においては、西欧列強の植民地とならず、日露戦争に勝利した日本は、アジアの先行モデルとして希望を与えてくれる存在だったことは間違いないようです。そのアジアの希望の星だった日本が、183で前述しましたように日露戦争に勝利した1905年ごろをピークに国家破滅への道へとずるずると落ち込んでいきました。合理的な判断よりも“場の雰囲気に流され易い国民性”もあって、ソ連コミンテルンが仕組んだ“日米開戦に向けてのアリ地獄”に自らずるずると落ちていき、敗戦国家破滅へと至りました。戦前の日本では、選挙も政党政治も行われていました。しかし“大局を欠いた政党政治”の“瑣末な事での足の引っ張り合い”で国政の混乱が深まり、183-1/2[2011.9.18]で前述したような明治憲法に仕組まれた内向きのコントロールタワーなき政府組織の中では、軍部が台頭することとなり、軍官僚が主導権を握ることとなったものです。今の財務省官僚と戦前の軍官僚戦前二大政党(憲政会と政友会)との二大政党(民主党自民党)とが重なってみえます。自民党民主党を解体し、ガラガラポン政界再編でもしてくれないと日本は衰退するばかりになりそうな気がします。
長期的に世界経済の重心東アジアに移ってきていることは実感として強く感じます。ギリシャ問題で火がついた欧州危機とは、実は“欧州の終りの始まり”なのかもしれません。世界経済のパラダイムシフトが進み、短中期では、下術のように欧州危機に連鎖してのアジア危機勃発の可能性がでてきたこの時期に、財務大臣安住淳なる御仁は、財務省の省益のために、“消費税増税を進める国際公約”をしてしまいました。歳出削減をせず増税のみ行うのが財務省の省益となります。・・・しかし、増税には順番があります。国民の多くは、民主党が公約した“歳出削減”と“公務員改革”を経た上での増税であれば納得すると思います。消費税増税に先立って進めようとしている震災復興の増税について、作家の三橋貴明氏はWill-2011.11号で「大規模自然災害の復興資金の原資を、増税で賄った国など存在しない増税どころか、普通の国は減税を実施する。財務省と(新聞の)軽減税率という手打ちをした新聞社も、野田政権の増税路線を猛烈に後押ししている。(財務省と野田政権は)国民の震災復興応援の崇高な心を、自らの邪(よこしま)な意図を実現するために利用しようとしている」と指弾していますが、同感です。自然災害の復興は、一時的な出費ですから基幹税で賄うのは可笑しい復興債を発行すべきです。喜んで買う国民も少なからずいるはずです。自然災害への復興コストを今の世代だけで負う必要はありません。自然災害の復興は次世代も受益者となるので、次世代も負担すべきです。むしろ次世代に負担を先送りしてならぬのは社会保障です。今の世代が使いきってしまうもの、例えば、社会保障社会保険庁の窃盗に代表される行政犯罪、官僚が退官後に高額な退職金目的の渡りを仕組むためのハコ作りの無駄遣い、これらの“次世代への先送り、換言すれば未来からの借金”を止めるべきです。公務員改革が必要だからと、日本国民の多くが選挙で民主党に投票しました。その民主党が、公約だった公務員改革と歳出削減を実現する努力もせずに、いきなり増税を言い出す、しかもその増税たるや、日本人の思いやりにつけ込んだ震災に名を借りた財務省利権の拡大”に他ならず、世界の常識からかけ離れた「自然災害からの復興資金を(復興債でなく)増税で賄うという非常識な愚挙」なのですから、いかんともしがたい。もし財務省が“新聞社だけは例外措置で税金を軽減してあげる”などの甘言で新聞各社を買収し、買収された新聞社が“増税やむなし”のキャンペーンをしているとしたら言語道断です。・・・・財務省と癒着した大手新聞各社は、財務省プロパガンダにのって“政府債務とはあたかも日本国民が負うべき債務”のようなことを書き連ねます。これはまやかしです。政府債務とは“日本政府が日本国民から借りた借金”であって、日本国民の借金ではありません。政府は、国民の預貯金を預かる銀行や生命保険会社に国債を売って資金調達しているのであって、借り手は政府貸し手は銀行や生命保険を介した国民です。・・・・・・企業が赤字になれば、まずは自らの身を切り、歳出削減を進めた上で収入を増やそうとします。家計だって同じです。まずはムダドリ節約から入ります。しかるに財務省には“歳出削減”や“歳出削減のための行政改革”に向けて努力をする気など毛頭なさそうです。歳出削減省益を損ねるからです。そもそもデフレ円高を放置したままで、デフレ下の増税を行うなど無茶です。今の円高デフレによる円高ですから“悪い円高”です。円高には利点もありますが、今のような実態からかけ離れた円高では国民の富を失う損失の方が大きいので悪い円高です。例えば、国外での対外純資産は増え続けていますが、ドルなどの外貨収益は円高で減ります。田村秀男氏は産経新聞2011年10月23日付で「投資収支黒字は、2007年の16.3兆円が、昨年2010年は11.7兆円にまで細った。日本国民の海外資産は円換算で1百兆円単位で減った」と説明していました。今の日本の実情からは、円高で豊かになるよりも“円高とともに貧しくなっていく”のが実態と思われます。
今の欧州危機が厄介なのは、“欧州の銀行”では“資金の出所”が、欧州の人々の預貯金ではなくて“金融市場からの資金調達”に大きく依存してしまっていることです。銀行によっては負債の7割市場からの資金調達といいますから、市場からの資金調達が滞ってしまえば破綻してしまいます。破綻を避けるため必死で資産圧縮を進めています。中前国際経済研究所代表の中前忠氏によると「欧州の銀行は先進国向け投融資を1.8兆ドル減らしたが、逆に途上国向け61百億ドル増やした。日本を除く主要アジア10カ国向け投融資残高でみても、欧州の銀行1.4兆ドルと米国の45百億ドルと日本の31百億ドルに比べて圧倒的に大きい」そうです。欧州のユーロ導入は、財政収支の健全性維持が義務付けされる一方で、各国が危機時の通貨供給量、独自の判断で市場に流動性を供給する機能を放棄したことで、各国は財政出動もできないし、自国通貨で自国政府に資金繰りをつけられません。ギリシャは政府債務を偽ってユーロに加入し、破綻を前にしても公務員が公務員スト既得権益を維持しようとする公務員天国のようですから“秩序ある破綻処理”が必要なのかもしれません。秩序ある破綻ということでは、人災で原発問題を複雑にしてしまった東京電力も同様秩序ある破綻が求められているのかもしれません。・・・上述通り、欧米の銀行がものすごい勢いで新興国から資金を引き上げているようです。支那中国もアセアンも“高成長を支えてきた欧米からの資金流入”が逆転して“資金流出”が増えていくと、“欧州の危機がそのままアジアの危機へ連鎖”することになります。このような世界経済の逆回転に対し、今回の20カ国蔵相会議での安住淳なる大臣の「消費税増税の公約」は、日本国民のためではなく、財務省の省益のためとしか思えません。また復興税などと称する“復興に名を借りた増税”は日本国民をさらに貧しくします。太るのは財務省と役人と、財務省の予算に連なる既得権を持ち経営努力を怠ってきた既得権益集団です。代表的なのは、179-2/2[2010.12]で前述しましたが“補助金目当てTPP反対を騒ぐ農協”や兼業農家連なる政治家です。今の日本には“税金へのたかり”が多すぎます。
今回の欧州危機の発火点となっているギリシャでは、公務員が3−4割を占め、しかも給与水準民間よりも高く公務員ポストそのものが利権化しているそうです。赤字国なのに、まるで他人事のように“赤字を作ったのは政治家だ”と言って利権維持のデモをしますが、稼ぐことを考えず予算配分とバラマキばかりを考える公務員天国思考回路丸出しです。・・・・欧州危機の発火点となったギリシャのような公務員天国になってしまっているのが、不祥事が多い奈良市大阪市です。週刊ダイヤモンド2011.10.15で「2004年に職員厚遇問題が浮上した大阪市では、公費で職員に家電製品などを配り、OBにも一人当たり約3.8百万円ものヤミ退職金ヤミ年金を支給していた」と当時をレビユーしていました。市長議会自治労と懇(ねんご)ろにお手盛りをする典型事例でした。その大阪市では、無駄遣いの借金を増やしておきながら、当の大阪市自治労や公務員の多くは他人事のような平気な顔をしています。公務員天国大阪市は、何もしなければギリシャのような状態に陥っていくだけです。連合は、税金にたかる分配論ばかりの自治労とは袂(たもと)を分ち、民間企業労組だけの労組運動に集中した方が国益に適うのでないでしょうか・・・・。今の日本の公務員は、行政犯罪に甘い。旧社会保険庁では年金をネコババした職員が散見されましたが、泥棒なのに逮捕もされず、裁判も行われず、服役もせず、内輪の内部訓告程度で済まされたケースばかりでした・・・・。
公務員改革歳出削減、土木利権や補助金といった利権の巣窟になっている農業や漁業、保育園などの行政に“健全な競走を取り入れていくこと”が望まれます。“健全な競走”なきところでは必ず腐敗が起こるのは、人類社会の常です。公務員改革ができなければ、公務員天国の大阪市や、果てはギリシャのようになって国や自治体が滅びてしまいます。国(行政機構)や自治体が滅びて“国滅びて山河あり”となっても、企業や個人生き残らねばなりません。私たち日本国民は、政府と国民を一体化して考えてきました。しかし、今の日本では、先ずは“政府や自治個人を切り離し”て考える時代に入りつつあるような気がします。・・・・長期トレンドとしては、西欧中心の近代が終焉し、東アジアを中心とした新興諸国のウエイト世界経済の過半を占める時代に入りつつあることは間違いありません。短期では欧米の資金がアジアから引き上げており“欧州危機に連なったアジア危機”が始まる様相が見え初めていますから危機への備えを怠れません。ビジネスの上では、当面では、欧州危機に連なるアジア危機が爆発せぬように祈りますが、予防処置は講じておくに越したことはありません。日本国産業界にとっては痛手となる泰国中部の洪水も重なってしまいました。
役人天国による自治体破綻や国家破綻”という最悪の事態を防ぐためにも、企業も個人も出来うる限りの予防処置を施しながら,同時に、先祖たちが積み上げてきた地域や日本の再建と再興のために自分に出来る範囲で余力を使っていきたいと考えるところです。