青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

2012-07-08 186-1/2 増税で危機を招き入れる日本

民自公三党が三党それぞれのバラマキを紛れ込ませた増税法案を強行採決しましたが、世界を見渡す限りでは、日本国内の報道とは裏腹に「危機を拡大させるだけの増税法案」なのではなかろうか、との想いを強くしています。

筆者/青草新吾は、一昨日に泰国の曼谷(バンコク)都で英語が話せるタクシーの運転手さんから「日本人はとても勤勉で見習わねばならない。でも最近の日本の政治はとても酷(ひど)いみたいだ。敗戦後には祖国再建のために“公”の意思を持った政治家が少なからずいただろうに、今の政治家は自分の利害得失ばかりみたいだね」と心配を聞かされました。地方から出てきた運転手さんではなくて、外資系航空会社で定年を迎えたインテリな運転手さんでした。その後、昨日に曼谷からジャカルタに移動し、今日は日曜でもあり、宿泊先のホテルでキーボードを叩いています。
産経新聞2012.6.24付で編集委員の田村秀男氏は「増税で危機を招きいれる日本。世界経済不安という台風はさらに次から日本を襲うだろう。(デフレとは“カネの価値が高まる社会のことである”) カネの価値が大きい“デフレ日本”には、行き場を失った世界の投機マネーが殺到する。デフレ病でやせ細った家計を嵐の中へたたき出すのだ。野田佳彦首相らは“財務官僚に誘導され”て、消費増税が雨戸になると信じ込んだ。日本は“世界最大の貯蓄”を持つ“資金の輸出国(対外供給国)”である。デフレ下の消費税増税は、対外資金供給国の日本が、家計を押さえ込んでまで資金供給していく国際公約したのも同然だ。米欧や中国の投資家は、日本がますます安全になると踏む。円高は止まらず、自動車など主要企業は国内生産を諦めて見切る。若者の雇用機会失われ、慢性デフレで細った勤労者の家計はジリ貧になる。増税による経済縮小によって更に税収が減る増税によって財政さらに悪化する。財務官僚繰り返し増税を仕掛けるだろう。・・・“外国からの借金”で“国民が消費を謳歌する経済モデル”が破綻した点で米国ユーロ問題国は共通している。主要国のリーダーたちはユーロ危機が世界恐慌を引き起こすという不安にかられ、ユーロの盟主、ドイツメルケル首相に積極財政と積極金融政策を求めているが、ドイツはおいそれと応じられない。ユーロ発足後、ドイツ国年金の減額など痛みを受け入れた。納める税金が“改革を怠ってきた国”の支援に回されるのは許しがたいと思うのは当然だ。・・・97年から98年にかけてのアジア通貨危機では、韓国泰国尼国の三国は通貨の大幅切り下げ再建できたが、ユーロ圏では同じ道選択できない。・・・」とユーロ危機が行き着く先までいってしまう可能性と、そのことで無防備な日本蒙(こうむ)る影響について述べておられました。
増税キャンペーンの主役は、税金に群がる既得権益勢力です。今の日本で国民と企業から吸い上げた税金に群がって既得権益を貪(むさぼ)っているのは、例えば、自治労などの官公労官僚議員記者クラブに代表される大手メディア東電など電力自由化に反対する側の電力会社、銀行補助金頼み業界農協です。日本で厄介なのは納税者の代表であるはずの議員が、官僚労組につるんで“議員税金で食う存在”に成り下がっていることです。政・官・報の癒着が“現状維持=増税”のキャンペーンを張り続けています。
名古屋市長の河村たかし氏は著書「復興増税の罠」( ISBN:9784098251223 )で、“税金で食う政治家の存在”について「先進国の議員のほとんどは、自分の本業を持ちながら数年間議員を務めるというボランティア型だ。ボランティアとして議員をやっている限りは、役人にイイ顔する必要がないから“官僚のいいなり”になることもない。わざわざボランティアでやるくらいだから、やる気のない人は居ないわけで、それ相応の正義感もあるだろう。市民目線でいいたいことを言えるだろう。数年後は自分の本業に戻るから、税金は安いほうがいいに決まっているので、“増税やむなし”などとは言わない。日本の悲劇は、国会議員が“税金で食う職業としての議員”と化しているために、官僚と同じく自身の延命と利権の確保を最優先し、官僚の言いなりに堕してしまっていることだ。・・・・仏国では国会議員の半分ほどが、どこかの市長さんだそうだ。例えば今日はパリ市長、明日は仏国会議員というわけ。米国では市議会議員工場の社長さんだったりする。この日本国の放漫経営を見直すには、そういう企業のノウハウを持った能力が必要である。・・・・ 本来、議員は国民の選挙で選ばれた国民の代表である。納税者の代表であり、税金の使い道見張るのが役目なはずだ。その納税者の見張り番であるはずの議員が税金で飯を食う既得権益を守ろうとするから国民のほうではなく、官僚のほうを向くのだ。長く勤めるためには業界とも仲良くしたほうがよいので、癒着が生まれる。 」と、また記者クラブに代表されるメディアは既得権益を手にし官に癒着していますが「大メディア独占状態だから、政府や地方自治体と同じで、いくらでもウソをつける。独占事業体は電力会社と同じ理由で国家権力とつるむ海外メディアがその異常ぶりを指摘する記者クラブ制度など、各社が同じ情報をシェアして、お互いに、他社に特ダネで出し抜かれる特オチを仲良く防ぎましょうなんていう制度は、ジャーナリズムではありえない。・・・財務省出先機関となった記者クラブは、テレビや新聞を通して“増税やむなし論”を大量に流し続けてしている。 」と、一方で「財務省のイメージ戦略は“カネはないことにしとけ”」である。これを財務省の耳元で“増税しかない”とささやき続けているのは銀行だ。銀行は、国にカネを貸しまくっているから、その金利を確実に払ってもらうためである。“増税やむなし”は銀行と財務省によるマッチポンプのような詐欺なのである。」「増税は、政府議員役所官僚たちの自己保身そのものなのだ。そもそも増税が必要になる理由は、財政難にあるのではなく、政府や役所のあり方にある。増税で経済が活性化した国などない。」と、「国民を代表しない“税金で飯を食う”議員のあり方」そのものを問題提起しておられます。まったくその通りという気がします。
日本びいきの米国人で経営コンサルタントジェームス・スキナー(James Skinner)氏は、著書「略奪大国」[ ISBN:9784894514768 ]で「本来、このような本を書かないで済めば、それにこしたことはありません。しかし、あまりにも日本の現状が悪く、社会と政治の議論が的(まと)外れなので、これ以上黙って見過ごすことができなくなりました。インサイダーの立場を持つ自分が、黒幕とラクリのすべて暴く必要があるのです。日本が正しい政治哲学経済理論に基づき、もう一度楽園として栄えることを願ってやみません。 」と書き始め、日本の酷い実情について「地方財政を含めて日本政府使うお金283.8兆円、実にGDPの59%国民が産み出す価値半分以上政府が浪費しています。日本のGDP479兆円から政府支出差し引き後の国民が使うGCP(国民消費可能総生産)は169兆円しかなりません。赤字予算を大きくし始めた平成元年からは、国民が消費できる国内総生産であるGCP(国民消費可能総生産)の成長まったくないのです。すべて政府によって喰われてしまったのです。政府は利益を求めるという動機がないので、能率を向上させる動機づけはありません。英経済誌エコノミストは、日本の現状を“大惨事に向かって夢遊中”と表現していますが、まさにその通りなのでしょう。」と、日本政府の何が悪いかについては「私は総理大臣だったら、まず昭和40年頃から今日に至るまでのすべての国会議員詐欺罪で逮捕するでしょう。民間でやって詐欺なら、政府でやっても詐欺です。消費者物価の統計から住宅や燃料の費用を除けば、バブルが起きていても、インフレがないように見えます。日本のバブルはまさにこのしくみでできました。東京オリンピックの翌年から赤字国債の発行を開始し、1980年代の後半から急増させました。凄まじいインフレが起こっていたのに、大蔵省日銀は知らん顔でマネーサプライの縮小をするどころか、さらに大きくしてしまいました。日本のバブルは、日本政府日本銀行が作り出した茶番でした。経済の一般的な減速で起こるデフレは大惨事になることはありません。しかし、政府の赤字予算ずさんな金融政策で作られるバブルが崩壊して引き起こされるデフレは別問題です。最初から低金利なのですからアクセル無しです。デフレ下では経済刺激策と称して赤字予算を組むと、実体経済さらに大きな負担をかけ、経済はさらに停滞します。」と、また日本の財政の問題点は「日本の社会保障75兆円は、保険金6割、赤字国債4割で、4割を赤字国債で賄っていることです。赤字国債を発行し、そのお金を社会保障にまわすということは、完全なる社会主義であり、社会主義略奪を前提とした不道徳破綻した哲学です。」と、そしてなぜこのようなことがおこるかというと「官僚にとっては経済がうまくいこうがいくまいが痛くも痒くもないし、そもそもが“政府の支出増やすこと”で酬われる制度になっているから。だから公務員と国民利害を一致させる改革が必要。平均的世帯の収入連動するように“国家公務員、準国家公務員、地方公務員の平均年間賃金コストは、国民一人当たりの国内総生産X2.7の金額を上回らない”という法律を作ればよい。」と提案しておられます。資本主義の3原則「1.通貨の価値一定に保つ、2.国は赤字国債発行しない、3.銀行などの金融会社本業に徹すること(ディリバティブの禁止)」を守れば行き詰まることはないし、日本の明るい未来を築くためには「資本主義の大原則、リーダーシップ、経済的自由と財産権に対する尊重、自己責任、健全な経済観念」が必要だ、と大好きな日本が既得権益のために衰退していくのを黙ってみていられないと訴えておられます。
日本の改革を阻む既得権益自治労や大企業労組既得権があります。所得税所得税1,030千円の壁”“社会保険1,300千円の壁”といわれるような“税制社会保険制度歪み”が若者や主婦の勤労意欲を減退させるのは大きな損失だと感じています。また外国の労働市場では“雇用が増加すると賃金も上昇する”傾向にありますが、自治労や大企業労組の既得権益を守るための労働規制が張り巡らされている日本では、雇用が増えても非正規労働者の割合高まり続けるだけです。しかもデフレで賃金が下がり続けています。自治労や大企業労組の既得権のコインの裏表で“非正規労働者”は様々な規制で低賃金なままで、先進国の“同一労働・同一賃金”への改善が阻まれています。正規雇用と非正規雇用の給与格差とパートの賃金に関し、OECD(経済協力開発機構)の05年調査では正規社員に対し、日本48%で半分以下と、スイス96%ドイツ74%よりは随分と低いままです。・・・日経2012.6.24の報道では、米国の場合、雇用増は賃金の上昇を伴う場合が多く、“製造業からサービス業への雇用シフト”は先進国における共通の現象ですが、例えばヘルスケア教育関連産業での雇用増そのまま賃金増につながっているそうです。日本とは真逆の傾向です。
経済が成長しないことには増税しても税収は増えません。保育所だって民間の知恵適正な競争を通じて引きだしていけば一大産業に発展していくこと間違いありません。一定の基準を満たしていれば一般企業にもどんどん参入してもらって“役所は質を監視する”ことに集中すればよいはずなのに何故できないのでしょうか。介護医療農業漁業も同様です。日本では産業の新陳代謝が滞っています。税金を払ってくれる産業を増やし、税金をむさぼり食う官業は減らすこと、そのためには民間人の知恵が多方面から集まるように新規参入競争原理が働くようにせねばなりません。
昨日からジャカルタに入ったのですが、空港ターミナルで税関検査を出たところに並んでいる両替商久方ぶりの詐欺に会いました。P.T.PURI BALI INDAH VALASなる銀行の領収書に明記してある金額に、両替後の手元現金が届かないのです。何度も数えなおしているうちに両替カウンターの女性職員が「次々と後続の客を呼び込み」、自分の後ろに列ができたので、面倒になってその場を離れたのですが、ホテルについてゆっくりと確認してみると、円30千円に対する3,510,000ルピアはなく、3割ほど不足していました。同じくインフレ通貨のベトナムではこのようなことは一度も経験していませんから、空港ターミナルで働く職員の規律は、ジャカルタの方が緩いということがいえると思います。曼谷では、2ヶ月前に、空港ターミナルの中の両替で、歩き去りながらぱらぱらと数えていると両替カウンターの女性職員に「お客さん、お忘れ者です」といって1千バーツを渡されました。数えない旅行者にはそのまま懐に収めてしまう常習者のようでした。彼女らの行っていることと、今の日本政府カネ喰い役人が行っていることは、似たようなものではないでしょうか。
大阪の橋下市長の良さは、「プロセス重視」です。「議論を戦わせるプロセス」をとても大切にしています。従来の日本の政治家やメディアでは見られないことです。民主主義の基本は「議論を戦わせること」で「明確な選択肢を見せ」て、多数決原理で決することです。歴史の振り返りを通して橋下市長の良さがより判ります。1930年代には少なからぬ識者が「日米開戦を回避すべし」と考えていたのに、メディアなどが醸し出す議論封じのと流される国民の雰囲気で「空気」ができていって、結局は日米開戦に突き進み、国家破滅の事態を迎えました。この歴史的教訓からみれば、大阪の「橋下市長のプロセス重視」は日本を救う一つの動きです。日本の癒着メディアや談合政治が主導してきた「議論封じをして、誹謗中傷敵を黙らせる」言動は、民主主義としては最低の行為です。異様だし終りにして欲しい。
昨年2011年秋大阪市長選挙では、橋下市長の「議論重視プロセス重視」と、反橋下陣営の「議論封じ体質」が浮き彫りになりました。反橋下キャンペーンの中身は、例えば応援に駆けつけた辻元清美なる議員は「ハシズム独裁に反対」なる空虚なものでした。多くの選挙民は「橋本さんの方がよほど民主的」と直感していたと思います。東京系週刊誌まで動員しての誹謗中傷に至っては何をかいわんやでした。・・・・もう一つ浮き彫りになったのが「民自公三党現状維持体質」でした。平松陣営には何と民自公三党が「反橋下」で寄せ集まりました。民自公三党が「現状維持こそが利益」の「既得権益勢力」の側に立っていることが浮き彫りとなりました。民主党自治労大企業労組自民党が土建業などの業界団体といった具合です。
今、日本に必要なのは「議論を戦わせ」て「選択肢を明確に示し」た上で、選挙など民主的プロセスを経て「保守のための改革(衰退しないための改革)」に邁進していくことだし、国民が稼ぎだすGDPの過半を「役人・自治労」と「税金で食う政治家」が消費してしまうような経済は社会主義以外の何者でもありません、民間の消費を高め、公正な競争を通しての知恵だし産業の新陳代謝、未来を担う若者の雇用創出に邁進していくことだと考えます。