193-2/2 ニッポン復活でアベノミクス現状採点
ニッポン復活に関し、安倍政権が「増税を中断」して第三の矢(構造改革)と第4の矢で「歴史問題決着と財政再建(小さな政府)の軌道作り」に踏み出してくれれば、ニッポン復活がより確実になると思います。日本国民を「悪夢だった民主党左翼政権の破滅軌道」から救い出すのに成功し、復活軌道に乗せるところまで実現してくれましたから及第点だと思います。
世界は「日本国民が安倍政権を選んだことで、ニッポンが少し浮上できた。1の矢の金融、2の矢の財政までは順調だが、いよいよ本番の第3の矢の成長戦略に入っていく。アベノミクスが増税失速して墜落していくか、成長戦略のエンジン点火成功で、更に浮上を続けていけるかどうかの瀬戸際だ」と、魚の目鷹の目で観察しています。筆者/青草新吾は、第三の矢(成長戦略)に第4の矢とでもいうべき「歴史問題決着と財政再建(小さな政府)に向けての国家戦略胎動」が加われば「長期の繁栄が未来世代に引き継げる」と考えています。足を引っ張るのが、自民党に巣食う自民党守旧派(敗戦利得者)です。敗戦利得者が蠢(うごめ)く分野の事例としては、農業(JA農協)・教育・医療と介護の三分野と朝日新聞などの記者クラブメディアがあります。・・・米国のレーガン政権も英国のサッチャー首相も、不公正な守旧派の利権構造に一つ一つメスをいれて改革していきました。「小さな政府」を目指して「減税で経済を活性化」していきました。「財源が足らないから増税する」などと平気な顔で宣(のたま)うのは「稼ぐ仕事を理解できないシロアリ役人とシロアリ政治家」や、税金を吸い上げようとするシロアリ左翼です。大前研一氏の主張「税は資産課税と付加価値税の二つだけとし、(不公正の温床となる)所得税、法人税、消費税は廃止する」は一考の価値ありです。そもそもナチスが始めた源泉徴収こそが不公正な税体系の温床です。税体系の是正が必要です。税金に巣食うシロアリ種族(敗戦利得者の官僚・政治家・左翼)を太らせるだけの「是正なしの増税だけ」には反対です。他の先進国と同様に、公平性が高い税体系、即ちストックでは資産税と、お金の動きに伴うフローでは間接税といった「経済活動を阻害しない税金」が主要な税源であるべきです。この点では日本の財務省や自民党税調よりも中国共産党の方向性の方がまともです。フローの間接税である消費税では欧米と同様に「生活必需品のゼロ又は軽減税率適用」とすべきです。日本は源泉徴収サラリーマンへの所得税や法人税に極度の偏りで、課税制度の点では不公正な社会になっています。
外交がニッポン復活の上で重要です。福沢諭吉の「脱亜論(=脱中韓論)」こそが素晴らしい外交方針だと思います。福沢諭吉が喝破したように「隣国だからなどとの中韓への特別扱いなど止めてしまう脱中韓」で、中韓両国とは「事実と国際法に基づく普通の外交関係」を樹立していくだけでよいのです。中国共産党の意を受けた日経新聞の「日中韓経済圏」だの民主党左翼政権の「日中韓共同体」など上滑りなキャンペーンは本気にしないことです。無責任な幻想です。「正直者は報われることを目指す日本文明」と「騙される方が悪い中韓文明」では水と油です。日本文明ばかりが犠牲を強いられる関係ですから、民間の草の根の交流はよいと思いますが、政治や外交で生半可に深入りしない方が安全です。・・・されど大陸/中国を無視することはできません。よって「中国大陸の民主化が実現されるまで」は「政冷経熱で付き合っていく」ことでよいのではないでしょうか。もっとも中国共産党は「力がない相手とは対話に応じない」ので、日本の対中外交の基本は、米英みたいに十分な外交・防衛力を持って「力を対話に活かす」ことになります。戦後の現代史が証明するのは、自民党・宏池会の謝罪外交や民主党の土下座・朝貢外交では駄目でしたということです。・・・中国とは異なって「日本が韓国を無視」しても日本が困ることはさほどありません。事実に基づく普通の外交関係で十分です。日韓友好は「被害者を装った補償金詐欺」の始まりですから、日韓友好など考えずに反日活動にはきちんと対抗して、後は無視しておけばよいのです。「韓国政府の嘘の方が中国共産党の嘘よりも悪質」です。中国共産党の嘘は南京虐殺など日本軍の軍事行動に関する嘘ですが、韓国政府の嘘は、人が秘めておきたい反論しにくい性に関わる「性奴隷なる嘘」で日本人の名誉を踏みにじっていますから中国共産党の嘘より悪質です。韓国は、日露戦争後は日本にすり寄り、今は日本に罵詈雑言を浴びせながら中国ににじりよっています。「強いものの一部になりたがる事大主義」は「韓国の宿痾(しゅくあ=治らない病気)」ですからほっとくしかありません。
問題は日本の自民党です。安倍政権は高い支持率を得ていますが、自民党が支持を増やしたわけではありません。自民党の改革はどこにいってしまったのでしょうか? 手前どもなりに一度、自民党の功罪を棚卸ししておこうと思います。・・・・敗戦後の日本は「経済に集中」することで戦後復興に集中できました。自民党主流派だった宏池会は池田政権の流れを組むリベラル左派です。自民党の主流がリベラル左派ですから、日本全体が左半分に偏っていた時代でした。それでも70年代まではとても貢献しました。しかし日露戦争で勝利した日本の陸軍官僚が硬直化・肥大化して破滅の道へと進んだように、官僚出身者が主流を形成する宏池会は時代の変化に対応できず、リベラル左派の希薄な国家意識が病巣となり、80年代に謝罪外交で国益の毀損を始め「91年の宮沢政権の頃からはっきりと日本を駄目に」してきました。歴史問題を中韓両国の外交カードに差し出してしまい、内弁慶で一票の格差とJA農協への膨大なバラマキで農政を歪め、増税・大きな政府路線で政府債務を急増させて、財政の自由度を自ら放棄しました。宏池会という経済優先のリベラル左派は目先の宥和外交で、交渉力を鍛えることもなく、外交を弱体化させてきました。
宏池会の功罪でまず歴史問題。歴史問題は、「宮澤喜一・河野洋平・加藤紘一」の宏池会トリオの時代に着火・増幅されました。・・・最初が教科書誤報事件です。82年に朝日新聞など記者クラブ各紙が「教科書検定で侵略を進出に書き直させた」と誤報で騒ぎだして、これを受けて中韓両国も騒ぎだし、事実の確認もせずに、実際には書き直させた事実などはなかったのに、鈴木内閣の宮澤喜一/内閣官房長官は、82年8月に中韓両国に謝罪した上で「歴史教科書は中韓両国との外交関係に配慮する」との「事実に基づかないオバカな宮澤談話」を出してしまいました。誤報を訂正し読者に謝罪したのは産経新聞くらいで、朝日新聞は知らぬ顔で嘘をつき通したようです。・・・二番目が靖国です。朝日新聞は「反・靖国キャンペーン」でも大騒ぎを始め、連動して社会党がチャイナ訪中団を派遣し、中国共産党を焚き付け、中共も呼応して「中曽根内閣・靖国参拝への非難」を始め、戦後続けられてきた政府首脳の終戦記念日の戦没者・靖国参拝を、ヘタレと化した中曽根政権が、86年に中止。以降、中国の歴史カードに靖国も追加されました。以降、自民党幹事長の山崎拓氏や野中広務氏などは内政干渉への抗議もせずに、朝日新聞と中国共産党にすり寄るような発言をして、売国おじさんぶりを発揮しています。・・・三番目が天皇訪中という天皇の政治利用です。89年の天安門事件で先進各国は中国への経済制裁を実施。中国共産党は世界で孤立しました。この時、中国共産党は宮澤内閣に「天皇が訪中してくれれば歴史問題は終わりにする」と囁いたようで、宮澤内閣が天皇の政治利用に手を染め、92年に天皇が訪中し、以降、中国への経済制裁が崩れ始め、中国共産党は経済危機を乗り切りました。喉元過ぎればで、その後、江沢民(Jiang Zemin)の反日教育が開始されて今日に至ります。・・・・四番目が慰安婦問題です。145[ 2008.11.08 日本の歴史学に巣食う獅子身中の虫 ]で前述しましたが、発端は吉田清治なる共産党系作家が83年に出版したフィクション小説です。ノンフィクションを装った告白記述「私は済州島で慰安婦狩りをした」が発端です。朝日新聞とNHKがセンセーショナルに報道しました。その後、現地の済州新聞が調査して「現地調査ではそんな事実はなかったことを確認した。それにしても日本人がなぜ日本を悪く言う嘘をいうのですか?」との結論を出しています。NHKも「どうも嘘らしい」と気づいて報道しなくなりましたが、朝日新聞だけは執拗なキャンペーン報道を繰り返しました。次々と「嘘の記事を書き続けた植村隆記者」の義理の母は「韓国では有名な反日活動家」で、韓国人相手に「日本政府から補償金をとれる」といってお金を集めた「金銭着服の補償金詐欺」で「逮捕されたお方」だそうです。利害関係者に捏造記事を書かせ続けた朝日新聞の倫理観のなさには呆れてしまいます。朝日新聞の報道に連動したのが、人権活動家と称する高木健一や福島瑞穂、辻元清美など社会党メンバーです。韓国に出向いて着火して回り、日韓の政治問題へと焚き付け続けたようです。・・・当時、来日した元慰安婦は「日本のテレビカメラの前では地面を叩いて泣き叫び」、「カメラがいなくなると、ケロッとしてタバコを吸い談笑」していたそうです。目撃者の方々は「韓国の泣き女(葬式で地面を叩いて泣き叫んで報酬をもらう職業)」そのもののようだったと語っておられます。宮澤改造内閣の河野洋平氏は韓国から「慰安婦の強制連行を認めてくれれば歴史問題を終わりにする」と囁かれて「韓国人元慰安婦のニセ証言の検証(Cross Examination)も行わず」に、総辞職前日の93年8月4日に「河野談話」を発表。以降、韓国はこの河野談話を根拠に世界中に対日非難キャンペーンを展開しています。以上のように歴史問題は、殆どが自民党・宏池会の政治家として使命感と愛国心の希薄さから、賠償金付の謝罪外交で中韓に味を占めさせたことで問題が複雑化してきた側面があります。
次にJA農協問題。農業経営者のプロ農家が進めるイノベーションを、JA農協と行政が妨害してきました。179[2010.12.18 農業大国ニッポンを夢見て ]で前述しましたが、膨大な税金投入が殆ど敗戦利得者へのバラマキで終わって効果を上げていません。WTOによると「日本政府はGDP1.2%の農業に、GDP比1.1%の資金を注いでいる」そうです。農政族で有名人は外務省出身の宏池会/加藤紘一氏です。販売額10百万円以上のプロ農家120千戸が農業販売額全体の6割を担っています。JA農協は職員数220千人といいますが、専業農家よりもJA職員数が多いのはなぜでしょうか? 今やJAバンク92兆円とJA共済が収益源だそうです。郵政民営化の流れを横でみながら、放置されたままです。農地拡大事業では65年から06年までで累計75兆円が投入されながら、一方では減反政策で7兆円が投入される無駄遣いぶりです。全農地4.7百万ヘクタールの1割が耕作放棄農地だそうです。61年以降、1.1百万ヘクタールを造成しながら、一方では、転用と耕作放棄により失われた農地2.5百万ヘクタールという無駄遣いぶりです。シロアリJA農協は「農業から手を引くべき」です。農政官僚もシロアリ農政は止めて、プロ農家を支援育成する農政に変化して欲しい。兵庫県養父市の農業特区には期待してます。
最後に宏池会の「増税・大きな政府の罪悪」について。「日経新聞の偏向記事(財務省代弁、中国共産党代弁)」にはウンザリですが、「日本の消費税、15%必要、OECD事務総長」なるトンデモ記事には呆れてしまいました。韓国は呆韓だが、日経も駄目である。そもそも欧州の付加価値税は「生活必需品はゼロ又は軽減税率適用」なので、表面は20%でも実効税率は半分以下といわれています。事実を曲げての増税一本槍の偏向報道など倫理違反です。両論併記すべきです。・・・昨年の消費税増税局面では財務省のメディア操作が際立っていました。当時は「増税できないと世界から信頼を失う」との宣伝が行き渡っていました。しかし今、世界は「日本政府は、デフレ脱却前に増税なんかして大丈夫なのか?」と世界は「魚の目タカの目」で日本を観察しています。・・・・政府の累積債務問題も92年の宮沢政権下で建設国債が急増し、99年の小渕内閣の宮澤財務相の時に赤字国債が急増しました。宏池会の「増税バラマキ・大きな政府路線」は殆ど効果がなく、金融政策を伴わない財政出動ばかりで、政府の累積債務が急増し財政が大幅悪化しました。銀行預金や生保資金を国債で吸い上げて使い込んできました。宏池会を継承した古賀誠氏も「このお方は社会主義者なのか?」と感じるような発言が多いような気がします。麻生副総理も「増税・大きな政府の旧宏池会路線」そのままです。・・・米国のレーガン大統領や英国のサッチャー首相のような、自由主義者は「減税で経済を活性化させて財政再建も進める」道を切り開きました。今は世界中で「景気対策は減税から」が正しいと理解されるようになりました。最も「効果が高い景気刺激策は減税」です。お金を上手に使えない役人が捻出するバラマキ景気刺激策は殆どが無駄です。財務省や宏池会の「財源が足らないから増税する」のは「経済のダイナミックさを理解できていない、自ら稼がない(価値提供をしない)で他人の稼ぎから奪い取ろうとするシロアリ人種(税金にたかる敗戦利得者の官僚、政治家、左翼など)」の怠惰な屁理屈だと感じます。
冤罪がまたでました。48年前の「1966年静岡市一家4人殺害放火事件」の冤罪には憤りを覚えます。163[2009.8.8 未来志向の歴史教育]で前述しましたが、09年に東京高裁が冤罪を認めた90年の足利事件、95年に冤罪がはっきりした94年の松本サリン事件、これらは「ニセ証言を疑う第三者による反対尋問(Cross Examination)を行おうとしない」日本の行政の問題点そのものです。朝日新聞が、ニセ証言を特ダネでセンセーショナル報道し、専門外の御用学者に「嘘は本当だろう」と語らせて捏造歴史が世界に広まる・・という捏造プロセスと重なります。・・・中世の魔女裁判を経験した英米法の「証言は証拠ではない。加害者と決めつけられた者の立場を守るための反対尋問(Cross Examination)で思い込みや捏造でないことが証明されて初めて証拠となる」は人類の知恵です。科学の世界も、経営の世界も「事実に基づくアプローチが基本」です。今さらながらに「事実に基づくアプローチ」の大切さを噛みしめています。事実を軽視する傾向が強い日本の官僚や政治家、記者クラブメディアには失望を禁じえません。・・・NHKが英語で世界に発信しているNHKワールドも中韓プロパガンダへの迎合(偏向)が酷いようです。2014,2.11付で「慰安婦の強制連行があった(many of the women were forced into prostitution to serve Japanese soldiers during World War Two)」と報道していたそうです。反日日本人の弁護士や韓国政府の宣伝そのままで報道するというのは、一体どこの国のメディアなのでしょうか? ・・・南極海での調査捕鯨をめぐる国際司法裁判では予想通りの敗訴です。ここで指摘しておきたいのは「役人(調査捕鯨責任者)の甘え」です。およそプロとしての自覚がありません。水産庁長官の国会発言「ミンクは香りとか味がいいということで、重宝されている。安定的に供給していくためには南氷洋での調査捕鯨が必要」が「日本の調査捕鯨を装った商業捕鯨の動かぬ証拠」とされたようです。行政トップの職業人としての素人ぶりと甘さが世界に晒されました。歴史問題を複雑にしてしまった上述の宮澤談話や河野談話もそうですが、日本の政治・行政リーダーの「プロとしての能力不足」と「世界音痴」の品質の悪さが凝縮されています。「敗戦利得者の記者クラブメディアと政治・行政の守旧体質」こそが「頑張る日本人の足を引っ張る存在」です。奮起を促したいのですが、次回に事実の整理と改善のための考察を加えてみたいと考えています。