青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

226. 水害とウイルスそして香港時代革命

揚子江上流の洪水報道から一週間後、7月4日早朝7時頃に飛び込んできた熊本県人吉市の青井町(青井阿蘇神社)に始まる水害報道は、瑞穂の国(日本)を継承して未来を切り開いていく継往開来の思考をめぐらす機会になりました。自己防衛のためにも一定の資産を築きながら自由と民主主義を応援していくことで、経済危機やパンデミックを乗り越えていけると考えます。

 このたびの未曾有の災害で被災された皆様にお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興を願います。

   水は、生命体の維持と健康衛生のために必要です。と同時に 「」は究極の生産財です。人間の生産活動では、農業の小麦1キロで 2千L(リットル)、養鶏の鶏肉1キロで 5千L(リットル)、畜産の豚肉1キロで6千L、牛肉1キロで20千L、工業用品では、スマホ1台で910 L(リットル)、乗用車1台で65千L の淡水が使われます。

    阿蘇山の水資源清澄( clean せいちょう )なので純水や超純水に最適です。台湾の半導体業界は、1999年の台湾地震で水不足に陥った際に、阿蘇山の水を空輸を含めて緊急調達できたことで、当時の台湾の李登輝 総統以下、半導体業界や関連業界の方々はとても喜んでおられました。・・・水を資源としてみると、日本は「降水量が多いのに水資源に恵まれない国」です。水資源に恵まれない国でありながら、先人は様々な工夫と努力で「瑞穂の国」を築き上げてきてくれました。

   アフガニスタンでペジャワール会現地代表を務められた故中村医師は、今も福岡県朝倉市に残る山田堰(せき)を現地の方々に来日して見学してもらって理解してもらった上で、「安上りで現地の人々だけで管理できる灌漑システム」として現地で推奨し整備を進めました。瑞穂の国造りを進めてくれた先人の遺産を活かして、現地の人々への手助けをしました。昨年2019.12.7、アフガン国旗に覆われた中村医師の棺を担いだガニ大統領は「全てのアフガン人は、彼を勇敢な男として記憶する」と、医師でありながらも井戸や農業用水路の整備に尽力した功績をたたえました。ご冥福を祈ります。恐らくは現地の利権や政争絡みからであろう襲撃メンバーには怒りがこみあげてきます・・・。

   現人類は「ウイルス由来のウイルスゲノム」を持つそうです。「 JT生命誌研究館 」を訪問して得た知識です。JR高槻駅西口から徒歩10分ほどで、日本たばこ産業が運営し、大阪大学大学院と連携して展示してます。ウイルスを含めた自然との共生を考えるための全体像の知識を得るには、とても便利な施設です。・・・水の惑星地球で、小さな生命体( 原核細胞 ) が生まれ、古細菌真正細菌に分かれ、さらにはゲノムが変化して少し大きな古細菌が生まれて、小さな真正細菌を飲み込んで内部共生が始まり、細胞の中で細胞が暮らす真核細胞が25億年ほど前誕生。ばらばらに生きていた真核細胞が集まって一つの個体として暮らすようになり、ゲノム重複が進みながら、多細胞生物10億年ほど前に誕生。そこから菌類植物動物が生まれた。・・・遠い祖先に感染したウイルスが、現人類の母親の胎盤作りで働いているそうです。

   地球生命史現実からは、ウイルスとの共生をしていくしかないないようです。「 人間だって自然の一部。毒性を持つ微生物やウイルス、自然災害を人間の力で根絶することなどできません。できるのは避けて遠ざかる。」ことです。「遠ざかるための堤防であり除菌(不活性化)」です。日本人の自然観と生命観がとても有効です。

    西欧の自然征服の思想や中国共産党全体主義が垣間見える気がするのが「 ウイルスとの戦争 」という表現です。毒性が強いウイルスや自然災害は「押し返して遠ざけるのみ」です。根絶などできません。遠ざかるためには、生きていくために、衛生のために、生産のために、先ずは何よりも水が必要です。

   アジアの給水塔といわれるチベット高原を水源とする揚子江黄河メコン川インダス川などからは、アジア20億人に淡水が供給されています。・・・中国共産党は、水資源の確保でも貪欲で侵略的です。世界が朝鮮戦争に耳目を奪われていた1948年に、残虐行為を多々伴ったチベット侵略が開始されました。キリスト教でいえばバチカン市国のような平和な仏教の宗教国家に、1年間の高地戦闘訓練を施した人民解放軍が大軍で襲い掛かり、武力侵略で併合してしまいました。

   中国共産党の侵略抵抗運動を続けたマイケル・ダナム氏の 著書 *1には「最初は友好的に振舞うが、機をみて暴力的になる中国共産党の侵略性」が分かり易く事例説明されています。本の英語のタイトルは Budda's Warriors ( 仏の戦士 )です。 ・・・ 歴史上、一度も中国領であることなどなかったチベットの歴史と豊かな資源については、166 [  2010.7.25 「チベットの資源」]、125 [ 2008.6.7 「チベット国旗( 雪山獅子旗 ) 」、122 [ 2008.4.26 「長野聖火リレー騒乱」 ] などで前述しましたので省略します。

   中国は共産党国家です。憲法は「国家は共産党の指導を受ける」と、はっきり言えば国家は共産党のツールであると明記してます。 ・・・ 終末論共産党ユートピア西洋文明の負の産物です。・・・実は、筆者/青草新吾も10代後半でマルクス主義の理想にシンパシーを感じた時期がありました。しかし人間とて自然の一部です。全知全能でコントロールするなんぞ恐怖の夢想です。できるはずがありません。だから人類を不幸にする夢想であることに気づきました。

      中国共産党の7月1日付「香港国家安全維持法」施行発表は、自由と人権そして民主主義からは人類史の汚点です。 ・・・ 日本の報道各社の汚点は、中国共産党への偏向が多いことです。ルーツは、中国共産党に不利な報道はさせないための日中記者交換協定(1964)の「政治三原則」にへの合意です。服従産経新聞のみだったといわれます。NHKなんぞは公共放送などと自称しながら、中国共産党の報道機関と合弁事業まで行ってます。 ・・・ 今回も日本の媚中メディア各社は、米国の報道を紹介するようなおっかなびっくりの報道でしたが、産経新聞のみが「香港は死んだ」と黒背景の白抜き文字抗議の報道をしてました。産経以外では日経新聞経済紙らしく貿易ハブの香港を殺してしまうことに抗議が滲みでてました。

   筆者青草新吾が不思議に思うのは、日本の人権派弁護士やら護憲派民主勢力と自称する政党は、自由香港を見殺しの態度です。所詮はイデオロギー闘争のために人権という言葉を都合よく悪用しているからでないでしょうか。 ・・・  自民党にも中国共産党に買収されているのではないかと見えてしまう代議士が多々潜んでいそうな気配です。この方々は既得権益や利権のために自由民主党をツールにしておられる方々なのかもしれません。

  自民党親中派頭目で幹事長で近畿地盤の二階俊博さんは、中国共産党習近平主席の国賓来日に関し、報道陣の前で「 日中関係を築いてきた先人の努力を水疱に帰すつもりか!撤回などとんでもない。」と声を荒げてましたが「築き上げてきた利権をどうしてくれる!」と置き換えると本音がよく分かります。・・・自由と民主主義のために大変な覚悟をせまられている香港や台湾の方々へのシンパシー皆無の自民党幹事長なんぞ、同じ日本人として、とても恥ずかしい限りです。「自由や民主主義よりも媚中がお得」との本音が、そのキャリアからも透けます。

   六四天安門事件( 1989.6.4 )の虐殺と民主化鎮圧に対し欧米は経済制裁で抗議しました。反対に加担し支援したのが日本です。天皇の政治利用までしてやらかしました。そこまでやったのにろくに感謝もされずに、その後の反日です。 ・・・ 日本政府の恥ずべき天皇の政治利用で最大受益者の一人のはずの国家主席江沢民( Jiāng Zémín ) は、1993.3に国家主席に就任するや否や全土で反日教育を始めました。副首相で外交を担った銭其琛( Qián Qíchēn ) は、自身の回顧録で「 西側諸国の対中制裁崩しの突破口となったのが日本の天皇訪中 ( 1992,10 )だった。日本は(中国に制裁する西側諸国の中で)最も結束が弱かった」と証言されてしまいました。日本政府はまるで間抜け扱いです。 ・・・ 当時の日本は、前年発足したばかりの宮澤喜一内閣でしたが、丸信・下登・沢一郎の「こんちくしょう時代」ともいわれ、天皇訪中を強引に押し進めたメンバーです。金丸信氏は、天皇訪中と重なるように、数々の不正蓄財が明るみに出て議員辞職に追い込まれ、小沢一郎( 現国民民主党 )がパワーを引き継ぎました。金丸さんや小沢さんにはぴたりと二階俊博( 現幹事長) 氏も連なっていたと聞きます。

   西欧社会では「自由民主主義勝ち取るもの」です。奴隷が存在した社会の中から発展して犠牲を伴って勝ち取ってきたものだからです。だからリーダーの資質と能力・才能を重視します。がしかし、日本の場合八百万の神に象徴されるがごとく、元々が奴隷もおらず比較的自由な社会で、一般人の民度が高いことで、激動期を除けば、リーダーよりも集団の力で世の中を発展させてきました。一方で民主主義の考え方敗戦の占領もたらされたものですから消化不良です。

   今は激動期ですから、世直ししていくイノベーション・維新が必要です。ですから政治行政会社リーダーの資質や能力・才能とても大切な時代です。 ・・・ 新陳代謝を活性化させねばなりません。105[ 2007.11.11 厄介者の権力 ] でも前述しましたが、日本低迷の原因である世襲の既得権奇妙な権力 *2 に胡坐(あぐら)をかく政界や会社のリーダーもどきには退散してもらう必要があります。まずは個人が稼ぐ力を高めある程度の資産を形成し、基盤を固めながら、世直ししていける政界や会社における適正なリーダーを応援していきましょう。

 

*1:  「中国(共産党)はいかにチベットを侵略したか」講談社 ISBN:9784770040305 

*2:組織戦略の考え方ISBN:9784480059963