青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

2016-12-30 203.米国トランプ大統領登場のリスクと機会

1920年以降の国際政治の二大潮流(共産主義とリベラル国際主義)のスパイラル変化で、ロシア革命(1905-17)以降の共産主義ソ連崩壊(1991.12)で過去のものとなり、共和党のフーヴァー大統領を破った民主党のFローズヴェルト大統領(1933-)以降に猛威をふるってきたリベラル国際主義も、今回のトランプ大統領選出(2016.11、共和党)で巻き戻しが始まりました。2017年は革命を意味する辛酉(かのととり)の年にふさわしい1百年ぶりの歴史の大転換が始まりそうです。

米国の第45代大統領選(2016.2-11.10)は、筆者/青草新吾も201[2016.7.31 英国のEU離脱と米国の大統領選 ニッポンこれから]で指摘した「メディア偏向報道情報操作」がいかにでたらめで酷いものであるかを実証できるよい機会となりました。日本でトランプ大統領可能性を予見できていたのは、木村太郎氏(ジャーナリスト)や、渡辺惣樹氏(日米近現代史研究家)、高山眞知子氏(江戸川大学名誉教授)など、実際に多様な米国の現実のありのまま、特にハートランドアメリをご存じの方々でした。ニューヨークやロスに時々訪れるくらいの「したり顔で米国通ぶる評論家」の方々の偏見や先入観たるや酷いものでした。・・・VOICE 2017.1で渡辺惣樹氏は「今回の大統領選でメディアの中立性を担保していたのはFOX系メディアだけだった。米国主要ネットワークすべてが反トランプで、特に酷かったのがCNNに登場するジャーナリストやコメンテータの態度。他のメディアの偏向も酷かった。」と寄稿していました。
米国のメディアは殆どが民主党系のリベラル国際主義だそうです。リベラル国際主義は共産主義と同様イデオロギー優先で「レッテル貼り言葉狩り議論封じ」を行います。日本では朝日新聞など同じ手口を真似します。リベラルな米国メディアや国連が「科学を装って政治テーマにしてしまった」のが「地球温暖化」です。164[2009.8.23 排出量取引金づる日本]、167[2009.11.7 CO2削減で貢献する日本の高炉メーカー]、171[2010.4.17 ねつ造報道メディアの環境問題報道]で前述しましたが、日本も既にかなりのお金を巻き上げられてしまいました。地球温暖化では、多くの科学者が「地球温暖化と人類の炭酸ガス排出とは殆ど関係ないのではないか」と考えていますが、メディアにはこのような意見はあまり登場しません。最近の米国ではデパートでクリスマスツリーを飾らなくなったそうです。ポリティカルコレクトネス(PC/偏見や差別が含まれない言葉)は必要です。しかし拡大解釈されてリベラル急進派のイデオロギー聖域化するような濫用は行き過ぎです。道徳や理念といった「モラルを悪用」するという点では、パワーハラスメントの中でも最も悪質で巧妙といわれる「モラルハラスメント」とよく似ています。・・・加藤諦三氏(ニッポン放送人生相談)によるとモラルハラスメントとは「加害者のサディズムが良識や理念のモラルに変装して、被害者の尊厳と人格を壊すことを執拗に続ける陰湿なパワハラ犯罪行為*1です。今回の電通事件のように、多くの日本企業にとって職場の「安全配慮義務違反」は「コンプライアンス(対社員・対株主・対取引先・対消費者・他)」の重要事項です。
今回の米第45代大統領選でトランプ氏に投票した方々の分析をしておく必要があります。まず投票をされた方々で特筆すべきは、米国の歴史で本流を形成してきた中西部の方々、ミシシッピ川オハイオ川に沿ったハートランドアメリカや、元々は民主党の大票田だったラストベルト(Rust belt/錆びついた工業地帯)の方々がトランプ大統領に一斉に投票したようです。上述の渡辺惣樹氏は同じくVOICE 2017.1への寄稿で「多くの米国人がリベラル建前ばかりの言語空間にもう疲れた。建前ではない本音のアメリ取り戻そうとトランプに投票した。安倍政権を含めて自民党は、大きな政府民主党のリベラル政策に近似してきた。トランプ政権は共和党の小さな政府を志向し、過度な政府規制を排除し、民間経済を活性化させようとしている。大きな政府を目指す自民党安倍政権がどのようにトランプ政権と折り合いをつけていくのか、難しい舵取りになろう。」と述べておられます。・・・一方で、トランプ氏に影響力を行使する政治勢力については、反グローバリニズム勢力からの支持が目立ちましたが、この反グローバリズム勢力に加えて、中西輝政氏(京都大学名誉教授)は「伝統的グローバリズム(アングロサクソンユダヤ系)に属する金融業界、ニューヨーク、ワシントンの面々にはトランプ支持者がかなりいた。もっと注目すべきは新たに登場してきた無政府主義に近いネオ・グローバリズムがトランプ政権に便乗しだしたこと。ネオコン(筆者は異論あり後述)や新興のヘッジファンドSNSとそのフォロワーなどである。2016.6のブリグジット(Brexit 英国EU離脱)では、反グローバリストネオ・グローバリストが、伝統グローバリストをなぎ払った。シティの中の新興金融勢力EUの規制を嫌って、反グローバリストの離脱派に大量の資金を供給して、ブリグジットを実現させた構図である。トランプ政権下では、これら反グローバリズムと伝統グローバリズムに加えて、ネオ・グローバリズム、の三つ巴の主導権争いがどうなっていくか、三つ巴の構図から分析していくことが求められる。」とVOICE 2017.1に寄稿しておられました。
米国のネオコンとは、元々はロシア革命ソ連から追い出されてメキシコで暗殺されたトロツキーからの流れもあると聞いたことがあります。リベラル国際主義をパワーアップしたFローズヴェルト政権(1933-1945)の時代あたりからは、米民主党と合流し、戦後の冷戦時代には米民主党タカ派として強硬な反ソ連共産主義の国際主義を推進、共和党に近づきだしたのはレーガン政権あたりからで、親中嫌日クリントン政権時代の中東政策への反発から共和党に鞍替え。続く共和党ブッシュ政権時代にイラク戦争を主導したのがネオコン。今回の共和党の大統領候補の指名では、共和党内で反トランプに回ったのがこのネオコン共和党内ではトランプ氏が勝利したことで、ネオコンはヒラリー支援に回ったともいわれています。中西輝政氏が言われるようにネオコンにとってトランプ政権への便乗はそう簡単でないような気がしてます。しかしビジネスマンあがりのトランプ氏ですから「ネオコンの利用価値が出てくれば」利用するでしょう。それがどのような場合かは筆者/青草新吾にはよく分りません。
共和党は、第3代大統領ジェファソン(1801-1809)のリパブリカン自由主義(Republican) といわれる「小さな政府・緩やかな共和国連合(分権連邦政府)」から発展した「家族共同体の自治自由」を標榜する政党です。第16代リンカーン大統領(1861-1865)が「奴隷解放を主張」したのは北部の商工業者を支持母体としていたからです。外交については、総じて「反共且つ親日嫌中・嫌国連国益重視の対外不干渉主義」といえそうです。・・・民主党は、ジェファーソンの対極としてハミルトン(-1804)が目指した「大きな政府・連邦主義(中央集権連邦政府)」から発展した「各個人の自由リベラル国際主義」とを標榜する政党です。「奴隷解放に反対」したのは南部の白人を支持母体としていたからです。外交については、総じて「容共且つ親中嫌日・親国連リベラル国際主義」といえます。・・・この民主党のリベラル国際主義からでしょうか、米国の対外戦争は、第一次世界大戦第二次世界大戦朝鮮戦争ベトナム戦争、とすべて民主党が主導しました。・・・米共和党と米民主党について実によく整理されたブログ*2を見つけましたので貼りつけときます。
日本経済と生産財営業にとって、重要性が一番高い国はやはり米国です。手前どもビジネスマンの肌感覚からは交易による利益を日本にもたらしているのは米国市場が一番です。OECD(経済協力開発機構)やWTO(世界貿易機関)が発表した「付加価値貿易統計」がこの肌感覚の正しさを立証してくれました。日本の輸出先トップは付加価値ベースでは今でも米国です。中韓アジア諸国への輸出も最終的には米国で消費される場合が多いからです。もうひとつこの統計のお蔭で判ったのが、日本の輸出に占める「国内付加価値の割合は85%(2009年)」で「他のOECD諸国よりもかなり高い」ことです。米国向け国際生産分業からの収益依存度が高いだけに、トランプ政権の貿易政策から影響を受けやすくなっているから要注意ではあります。

リベラル国際主義のポリティカルコレクトネスにケチをつけるわけではありませんが、国際舞台で「人種平等最初に主張したのは日本だという歴史的事実」を銘記しておきたいと思います。パリ講和条約(1919)で日本の牧野伸顕が提出した「人種差別撤廃提案」に反対し葬ったのは、議長だった米民主党ウイルソン大統領と英豪です。・・・太平洋戦争については、1933年の米大統領選で共和党のフーバー第31代大統領(日本と連携して共産主義と対決する)が敗れて、第32代でFローズヴェルト(ソ連・中国と連携して日本と対決する)が就任した影響が大きかったと思います。この点では、米政治学会長と歴史協会会長のチャールズ・ビーアドなるお方が1948年の出版で「日米は戦う必要なかったのに、ローズヴェルトは表向き不戦の態度を貫きながら、裏では日本に先に撃たせるべく、日本を追い詰めて、開戦へと突き進んだ」と発表されたことがあるそうです。
144[2008.10.25 米国人による東京裁判批判]で、江崎道朗氏の寄稿「「戦前において米国の保守主義者たち強い日本がないと、米国による極東への介入が起こり、戦争に巻き込まれると考えていた。戦争は必然的に政府権力を強大化させ、国民の自由を抑制する全体主義に発展するから保守主義者は戦争に巻き込まれることを嫌った。」を紹介しましたが、この一文は、米大統領になるトランプさんの発言通底するものがあります。米共和党保守主義者(反共且つ親日嫌中・嫌国連の国益重視の対外不干渉主義)にとっては、強い日本が防波堤となって、米国を巻き込まないでくれというところが本音でしょう。そのうえで対等な日米同盟を期待しているのです。中国寄りで日本を抑え込みながらの米民主党の容共リベラル国際主義の中での従属的な日米同盟よりは、対等な日米同盟に発展させていくチャンスが到来してきているといえます。

過去1百年の国際政治の二大潮流(共産主義リベラル国際主義)のスパイラル変化、螺旋を上から見ると巻き戻し、横からみると次の次元への昇華が始まったようです。日本にとっては「リスクと機会」が大きく広がっているといえます。ロシア革命以降の共産主義は、ソ連崩壊(1991.12)で下火になり、米民主党のFローズヴェルト大統領(1933-)以降に猛威を奮ってきた、そして敗戦後の日本を支配し洗脳してしまった「リベラル国際主義と戦後」の終わりの始まりです。その脈絡で、トランプ大統領の登場は、クリントン大統領よりもベターといえます。この機会を活かしていきたいものです。政治家の皆様、よろしくお願いします。手前どもビジネスマンも「日本国の稼ぐ力」をさらに高めていきましょう。

2016-10-01 202 自動車産業の1百年に一度の大変化

日本の自動車産業が大きく飛躍してくれたお蔭で、日本経済の20年間にも及ぶ経済停滞も緩和されました。1百年に一度ともいわれる自動車産業の変化とこれからの日本経済を俯瞰してみます。

筆者/青草新吾は、トヨタプリウスが販売開始された1997年に大阪インテックスの電気自動車シンポジウムでお聞きした豊田章一郎会長(当時)の「自動車の歴史は、電気モーターで始まり、内燃機関で発達し、そして今、トルクコンスタントの内燃機関とパワーコンスタントのモーターを組み合わせたハイブリッド車を販売開始します。」とのメッセージが強烈な印象で残っています。
今、世界の自動車業界は、次世代自動車に向かって激しい競争の真っただ中にあります。次世代自動車は、EV(電気自動車)、HEV(ハイブリッド車)、PHV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池車)で、これらすべては電動モータで駆動します。長期的にはFCV(燃料電池車)が有望とされますが、目先はEV(電気自動車)とHEV/PHV(ハイブリッド車)が主役となります。
米国や中国では、トヨタが独走するハイブリッド車を避けてPHV(プラグインハイブリッド車)とEV(電気自動車)を押し立てた政策を推進しているようです。欧州ではフォルクスワーゲンに代表されたエコディーゼル戦略が行き詰まり、ハイブリッドよりも難易度が低いマイルドハイブリッドを押し立てた政策を推進しているようです。米国では電気自動車のテスラが快走しています。中国は、エコカーの生産台数で米国を凌駕するようになってきています。パワートレインの電動化に加えて、自動運転技術まで出てきました。さらに都市部では所有から利用のカーシェアリングの普及が進んでいます。クルマは正に1百年に一度の大変化・動乱期に入っています。
日本の自動車産業は、日本自動車工業会(JAMA)の2015年度実績発表によると、総務省調査で日本の就業人口の8.3%の5.29百万人(内製造部門で0.8百万人)、経産省工業統計で製品出荷額の17.5%の53.3兆円、財務相外国貿易概況で商品別輸出額の21%、15.89兆円、日本政策投資銀行調査で設備投資の20%の1.4兆円、総務省科学技術研究調査で研究開発費の23.4%、2.7兆円を占めています。今や世界生産27.38百万台、生産の内外内訳は、34%が国内の9.28百万台、66%が国外で18.10百万台です。・・・日本の自動車生産は、東京オリンピックの翌年、1965年頃に2百万台を突破し、日本社会のモータりーぜーションで伸び続け、1990年に過去最高の14百万台近くまで増えました。1990年は国内販売も過去最高でした。がしかし、1985年のプラザ合意以降の猛烈な円高で輸出採算の悪化が著しく、1994年頃には完成車輸出と国外生産が逆転し、以降、猛烈な勢いで国外生産が増え続けました。2007年には、国内生産と国外生産が逆転し、以降は、国内生産が10百万台を割り込むようになり、国外生産は伸び続けています。・・・しかしながら、各社ともに国内生産の一定規模を死守するとしていることを銘記しておかねばなりません。
日本の場合は、産業集積の点でも、個別企業の生産性の点においても「日本国内の生産性が諸外国よりも図抜けて高い」という特徴があって、マザー工場の役割が高いのです。国際競争力を維持していくための国内生産の規模に関し、トヨタは国内生産台数「3百万台」、日産は国内生産「1百万台」を掲げています。
日本の自動車メーカーの生産性に関し、東大教授/新宅純二郎氏が日経新聞2016.9.29で「日米の生産性比較[1台当工数(人・時間)]。1989年時点から2000年にかけて、日本企業の母国工場が16.8から12.3へ、対する米国企業の母国工場が24.9から16.8へと日米ともに生産性が向上した。米国は1989年時点の日本企業母国工場並みに追いついたが、日本もよくなったので格差はそのまま残った。・・・日本のマザー工場とアジア拠点との比較。日本国内の自動車10工場の1台当り工数は、00年の12.3から10.7へとさらに改善されている。一方で泰国の日系5工場は25.2、日本の賃金水準5.4倍を加味した1台当り労務費となると、日本100に対し泰国44、中国工場28.4に日本の14倍の労務費を加味すると中国19へと、図抜けた日本の生産性も製造コストでは逆転してしまう。日本の工場単独では稼ぐ力は劣っているが、国外の工場を良くし収益力を向上させる発信基地としての日本のマザー工場の機能はまだまだ健在である。」と寄稿していました。
世界の自動車生産は、新興国での需要拡大で1億台までには届きそうで、まだまだ伸びます。一方で、米欧日と中国では次世代自動車の普及が加速していく方向です。2020年以降は生産のピークアウトを迎えるかもしれません。また自動車の構造も大きく変わり、ネットワーク化が進んでいくことで、生産財の最大市場の自動車産業がどのように変わっていくか・・・。生産財営業の視点からは、まだまだ10年くらいはクルマ向け割合を高めていく方向でしょうが、ピークアウトに備えて非自動車分野の種まきもしていく必要があります。
政治にお願いしたいのは、構造改革を急げということです。大阪府や東京都で明らかになってきたように地方政治の改革を進めていく必要があります。中央政府レベルでは、外交・安全保障や通貨などに集中し、地方政府でできることは地方で進めていく地方分権の方が時代に会っています。道州制くらいの単位で、各々の地方政府が経済振興のエンジンとなって産業振興を競い合うようになって欲しいものです。
スタンフォード大学教授の星岳雄氏が日経新聞2016.9,30で「日本経済の20年間もの停滞は、需要不足のみならず、供給側の潜在成長率低下で引き起こされた。緩やかなデフレに止まり、デフレスパイラルにまで陥らなかったのは、需要側に加えて供給側も停滞していたからだ。・・21年前の95年9月。日銀は兆しが見えていたデフレを防ぐために公定歩合0.5%引き下げを行い、同時に思い切った構造改革の必要性を訴えた。思い切った規制緩和など構造改革が必要だと発表した。以後20年間訴え続けてきている。構造改革を今こそ本格的に進めないと、日本経済は再び復活の機会を失ってしまう。」と寄稿していましたが同感です。増税よりもできるだけまずは減税と補助金などの歳出見直し、起業と雇用増促進や、労働スタイル(働き方)改革、子育て支援、親子近住やコンパクトシティの推進などなど・・・政治の役割がますます高まっています。特に、国政をスリム化して、住民から近い地方政治の改革と充実に期待したいし、そのための投票行動を呼びかけていきましょう。

2016-07-31 201.英国のEU離脱と米国の大統領選 で「これからの日本」

「英国にとってEUは功罪相半ば」「米国の本流はハートランド(中西部)」といったところが日本の報道では欠けているようです。メディアの報道はどうしても偏りがちですから自分のネットワークでも情報を集めて、世界とニッポンがどう動いていくのか、自分に何ができるか、どうしていけばよいか?を自分の頭で考えていくしかありません。

筆者/青草新吾、半年ぶりに筆を執ります。英国のEU離脱に関して。英国人にとってはポジティブな側面とネガティブな側面の両方があるようですが、日本の報道では「離脱すると大変なことになる」という残留派の主張に偏って報道されている場合が多く見受けられました。英連合王国は、2015年度でGDP2.8兆ドル、世界5位の経済大国です。その英連合王国を頭とする英連邦には53カ国が加盟し、内訳は英国王を国王とする加豪新など16カ国と、38の共和国です。人口20億人、世界貿易の20%を占めるそうです。英連邦とは「英語と英米法に代表される近代国家のインフラを共有」する国々の集まりですが「英語と英米法」こそは、金融街シティの強みです。
その英連合王国の国際競争力を維持し強化していく上ではEUは功罪相半ばします。英国は米国と同様に金融立国です。金融立国にとっては「緩やかな金融規制と低い税率」がベターです。ところが独仏主導のEUでは年々金融規制が強化されています。この点でシティの皆様も必ずしもEU残留に必死であったということではないようです。多国籍企業を誘致する税制を進めていくうえでもEUの規制から自由になることはベターでもあります。最近では「離脱賛成の英資産運用会社経営者」の「イノベーションを生む枠組みとしては、EUは疑わしい」との発言も報道されていました。
EU非加盟でも豊かなクオリティ国家なのが、ノルウェー(諾)とスイス(瑞)の両国です。ノルウェー(諾)はEU単一市場を全面的に利用できるEEA(欧州経済地域)に加盟し、スイス(瑞)はEEA(欧州経済地域)には加盟せず、自国にとって必要な部分のみにEUと二国間協定を締結して単一市場に参加しているそうです。スイス(瑞)も金融立国の側面もありますから「長年築いてきた独自の伝統的制度や政策の方が国民にとっての利益が大きい」のでしょう。
米国の大統領選に関して。日本の報道は偏りすぎています。理由は「日本の外務省やメディア・知識人は米国との関係が偏っている」からです。2008.10.25[144.米国人による東京裁判批判]でも前述しましたが、日本の学校教育やメディア報道はリベラル左派や東海岸エリート層の米国ばかりを伝えてきています。筆者/青草新語は米国通ではありませんが、米国出張の度に「米国は偉大な田舎や共同体が実にパワフル」と感じたことを思い起こしています。トランプさんの極端な発言ばかりが日本で報道される傾向にありますが、おそらくはあのトランプ氏の訴えは「典型的なハートランドアメリカの人々の琴線に触れている」のだと思います。米国中西部、ミシシッピ川オハイオ沿いのハートランドには「選挙にはいかないが教会には行く人の方が多く、今回はそのような人々がトランプ支持で立ち上がっている」と江戸川大学名誉教授の高山眞知子氏がWILL2018.6(トランプはバカじゃない)で寄稿しておられました。そもそも米国では共和党モンロー主義(他国不干渉主義)が歴史的な潮流として脈々と流れています。共和党伝統共同体を重視し小さな政府を目指す政党です。伝統的に親日反中・反共産主義だが国益重視の反国際主義の流れが強いようです。ちなみに米合衆国の南北戦争では、北部で黒人奴隷解放を主張したのが共和党、南部で奴隷制維持を主張したのが民主党です。事実に基づく判断が大切です。民主党は、リベラル大きな政府志向グローバリズム嫌日親中・容共・国際主義の流れが強めです。米合衆国が世界の警察官になったのは、容共派でソ連共産党のスパイに取り囲まれていた民主党Fローズヴェルト大統領(1932-1945)の代にモンロー主義を放棄して日本を開戦に追い込んでこれを理由に欧州戦線に乗り込んで以降です。民主党Fローズヴェルトの代に国際主義の傾向を一気に高めた米合衆国も、1960年代以降は国連離れの傾向が出始めており、1980年代のレーガン大統領と英国サッチャー首相の時代に「米ソ冷戦で勝利(ソ連崩壊)」して以降は、徐々に現代版モンロー主義的な雰囲気が出始めていたような気がします。ローズヴェルト以来の再選を果たした1990年代の民主党クリントン政権が金融グローバル化を強力に進め、2000年代前半の共和党ブッシュ大統領ネオコン(民主党から民主党右派が共和党に流れ込んだ反共・国際主義者)と組み、イラク戦争に乗り出したものの今はその反動が大きくなっているようです。
日本国内の報道はとても偏っていますが、お互いに声をかけあいながら自分の頭で考え、ありのままの現実を受け入れて「良い方向にもっていく努力」に勤(いそ)しむしかありません。自分たちに何ができるか、できることに集中することが大切です。
今のこの時代は、恐らくは人類史の中でも有数の数少ない大転換のさなかかもしれません。変化の荒波のなかで必死に船を漕ぐにしても目指す方向性が大切です。その場合には次世代に何を継承していけるのかが大切です。先人の努力の積み重ねで私たちは今の平和で豊かな生活ができています。東洋経済2016.6.18で一橋大学名誉教授の斉藤修氏が「幕末維新の時代の一人当たりGDPは800ドル台-1000ドル台、現在の20分の1くらい。1950代のタイ(泰)、80年代のベトナム(越)。維新後に豊かになっていったが1955年まで西欧12カ国の約半分の水準、周辺のギリシャ(希)やスペイン(西)や旧東欧7カ国並みだった。敗戦後の高度成長米英などの先進国に追いつけた。」と寄稿しておられました。・・・今の日本はグローバル化少子・高齢化が進む成熟社会ですが、安倍政権は「お金がかからない改革」が手薄です。時代の変化を理解できていない旧来パターンに凝り固まった政治家や官僚に囲まれているからではないでしょうか。・・・まずやるべきは税金投入が要らない景気浮揚策です。増税よりもまず先にやるべきことです。VOICE2016.7で瀧本泰行氏なるお方が「消費税増税で景気を下げるよりも確実な財政再建策。安倍内閣が”労働休暇を適法状態に戻す”と閣議決定するだけ個人消費が最初の12カ月で12兆円増え、雇用も大幅に緩和される」と寄稿しておられましたがとても頷(うなづ)けます。長期休暇や働き方改革で「1年中いつでも利用できるコンビニ」のように「役所や大企業の高価な設備が1年中稼働し、一人一人が計画的に連続休暇がとれるようになる」ならば日本経済の生産性が高まります。「子育て支援日本を救う」なる著書では「財政再建につながる政策は”保育サービスを中心とした子育て支援だ」との実証研究が発表されていると本朝の日経新聞2016.7.31読書欄で紹介されていました。各種規制は役所と癒着業界の既得権益になりやすいのですが「規制緩和も税金投入を必要としない景気浮揚策」です。
経済社会に大きな影響を及ぼすのが金融政策企業活動です。本朝の産経新聞2016.7.31で田村秀男氏が「"金融機関の日銀当座預金"と"企業内部の利益剰余金"が642兆円にも積みあがっている。このお金が消費や雇用・設備投資に回っていれば安倍政権の目標である名目GDP600兆円はとっくに達成されているはずである。・・・銀行最大手の三菱東京UFJは、マイナス金利に反発し国債入札の特別資格を返上したが、国債売却資金はそのまま日銀当座預金にため続けている。国内の銀行貸し出しは増えないが、そのくせ債務膨張が不安な中国に大型融資するなど海外向け融資には熱心だ。・・・手元資金が豊富になった企業もマイナス金利で資金調達できる環境であるにもかかわらず設備投資や雇用拡大には慎重だ。・・・このままでは日本国内に循環しないマネー巨大化するだけだ。銀行は”国内向け融資拡大”に総力を挙げ、企業は剰余金を"雇用改善や技術革新に"回すべきだ。」と寄稿しておられましたが実に悩ましい内容です。「政治と行政が未来のビジョンを示せない」ので、一部のパイオニア的な企業を除けば「その他大勢の普通の企業は思い切った一歩を踏み出せないでいる」のです。財務省や税金に寄生する既得権益関係者など増税したい勢力が「増税のため不安煽り」を行い、メディアでも「不安を煽る方が売れるし視聴率も稼げる」とばかりに不安を煽り続けてきた結果です。安倍政権の財政出動について田村秀男氏は「政府は25年1月に大型補正予算財政出動して景気を押し上げたが、その後の消費増税で一挙に効果が吹き飛びデフレ圧力が再燃し今に至る。そもそも20年にもわたる"慢性デフレに染まった民間資金"を単発的な財政出動だけで揺り動かすことができるのか。欧州はEUへの期待の低下、中国は不況下のバブル、米国では反グルーバリズムの勃興と、日本はリスクの大海に浮かんでいる。日銀や企業内部で"膨らみ続ける余剰マネー"を活用できない限り、日本の再生はおぼつかない。」と嘆いていますが同感です。
"民間資金を活用"し"イノベーションを活性化"していくこと、"子育て支援"や"働き方改革"などで"未来に向けての希望と目標"を持ちやすい社会にしていくことです。そのためには今の「明治維新以降の"官僚型・中央集権政治"」から江戸時代のような「地方分権」を進め、各地域の特徴に合わせた政策で「各地方政府が実績を競いあう道州制へと近づいていくのがベターと考えます。組織をマネジメントする経験があればわかることですが「発展していくための適正規模」「マネジメントするための適正規模」があります。東京一極集中で霞が関や永田町で統治するには今の日本は複雑で大きすぎるのです。194[2014.7.20 ニッポンができる世界への貢献]で前述した”クオリティ国家”、つまり日本よりも一人当たりGDPが豊かな民主主義国は、スウェーデン(典)フィンランド(芬)スイス(瑞)シンガポール(星)などは国家統治の適正規模と思われます。米合衆国連邦共和国は"連邦制で統治の適正規模を実現"しています。適正規模で地域のことをよりよく分った地方政府が「独自の産業振興策を行い実績を競い合う」ことで、複数のエンジンを持った連邦国家が実現されています。次頁では、自動車産業グローバル化と日本経済への貢献を振り返ってみたいと思います。

2015-12-31 200. 世界が大変化した2015年の回顧

増税しなくてもやっていけるニッポン”。そのためには“将来世代に目配りした政策”に転換し、敗戦利得者を中心とした戦後の既得権益も規制改革で競争を促し、“一人当たりGDP(稼ぎ)”を高め、“道州制で適正規模の統治構造”とし、“スイス連邦や北欧のようなクオリティ国家”を目指していきたいものです。

本朝の日経新聞201512.31付で慶大教授の小林慶一郎氏が「まだ生まれていない将来世代目配りした政策運営にするには選挙制度を変えるしかない。将来世代の利益を代弁する枠を作れば、今の世代へのバラマキは駄目という意見が出てくるだろう」と寄稿しておられましたが筆者/青草新吾は強い共感を覚えました。
今の日本は大手新聞社経済誌御用エコノミストとグルで財務省プロパガンダを流しますから、国民は騙されてしまっています。民主主義の危機です。選択肢の中から国民が選挙で選ぶ本来の民主主義へと切り替えていく必要があります。明治政府が“地方分権だった江戸時代の統治構造”を“官僚統治型・中央集権国家”に作り替えてしまいましたが、官僚による国家社会主義が行き過ぎてしまいました。戦前は軍官僚と内務省官僚、戦後は財務省に権限が集中して政策運営の誤りもでてきます。現実社会には疎いが試験上手の元学校秀才の机上の詭弁に誤魔化されないよう「“事実に基づく合理的な判断力”に磨きをかけていく」ことが必要です。判り易い事例で今回の軽減税率。2015年は軽減税率(複数税率)の導入決定が税制面での大きな変化となりました。“財務省プロパガンダ(金持ち優遇の軽減税率に反対、(財務省に執行権限を付与される)給付措置に賛成)”が猛威を振るう中で、“事実に基づく知的な議論”をする学者もおられました。そもそも生存するために必要な“生活必需品には非課税低い税率”が原則です。
日経2015.11.5付で京都大学教授の諸富徹氏が「軽減税率(複数税率)OECD諸国で“減るどころか一層活発に用いられる”ようになってきている。我々はその要因を“先入観なく理解すべき”かもしれない。逆進性緩和策としては “給付措置より”も軽減税率の方が“効果的”との判断が趨勢。買い物をすれば“低所得者の税負担自動的に軽減できる利点”こそが“高所得層にも恩恵が及ぶ短所を上回る”という。世界で軽減税率が広く支持されるのは、この利点のためであろう。」と指摘し、OECD諸国で現実に起こった“給付措置の短所”として「申請という形で消費者に負担をかけるので“受給資格があっても受給しない人が4割”もおり、反対に“受給資格がないのに受給”する“不正受給が多々発生”している。 “給付措置とは理論の想定通りに機能する場合のみ有効”なのだ。」と寄稿していました。・・・財務省が邪魔してきた軽減税率(複数税率)の導入が決定しました。
税と社会保障の一体改革も進めて欲しいと希望します。“富裕な高齢者”にまで低負担で済ませ現役若者世代に負担させるのは如何なものでしょうか。日本の場合、富裕層の多くが「不動産持ち・低所得者」なので、“死亡時の相続時点でそれまでのコストを負担してもらう相続時負担”の考え方を導入し、資産税もっと広く薄くかけていけば、税収は増えます。敗戦利得既得権益してしまった日本では、所得税が高すぎる割に、資産税が安すぎる。先進国では「ストック課税は資産税で、フロー課税は間接税(生活必需品は非課税又は低率)で」が趨勢です。日本だけが直接税の「所得税法人税に偏った役人天国」になっています。
ストックに対する課税では、“適度のストック課税(資産税)”は“競争による新陳代謝促進”しますからコストがかからない成長戦略としても機能します。反対に日本のように資産の多くが非課税だったり低率資産税だと、イノベーションを阻害します。一方のフローに対する課税ですが、稼いで雇用を生み出す才能ある企業(個人と営利法人)が世界から集まってくればくるほど、日本は豊かになっていきます。 “所得税法人税ペナルティのように高い”と、公正な競争で努力や才能で稼ぐよりも、既得権益のような不公正競争がはびこり易くなります。
世界経済を見渡すと、2015年前半は“中国共産党による国家資本主義のパワーダウン”とBRICSだのVISTAだのと金融関係者が囃(はや)し立ててきた“新興国経済のペースダウン”が際立ちました。先進国経済主役交代米国経済が強く振興国主役交代の様子でNEXT11フィリピン(比国)メキシコ(墨国)勢いが加速してきているような気がします。10月の環太平洋パートナーシップのTPP合意は、世界経済の雰囲気一気変えしてしまいました。米国と日本経済パワーの運気が高まってきたように感じます。隣国では台湾と韓国が新規加盟を、アセアンからもメンバーのシンガポール(星国)とベトナム(越国)、ブルネイ(文)に加えて、新規加盟で比国と泰国、尼国あたりも参加の意思を示しだしています。TPPが実現してからの遠い将来のことですが、中国共産党が崩壊すれば、ソ連崩壊後のように複数の国に分かれていくでしょうから、道州制を実現できた日本が、台湾あたりと連邦を組む面白い展開が期待できるかもしれません。
個別の産業では“自動車産業が激変”しました。特に9月に発覚したフォルクスワーゲン(VW)不正問題では、呆気にとられてしまいました。その実に目的が明確な“計画的で合理的な不正”こそは、正にナチズムが生まれた国ナチスが育てた自動車メーカーだからなのだろうか?とも考えてしまいました。誰がいつどのように決めて戦争に入っていったのかが今一つ定かでない日本ではあまり見ない不正パターンのような気がしました。ともかくマツダなどの真正面から取り組んで技術的に実現した本物のエコディーゼルと違って、VWのエコディーゼルとは実はインチキのまがい物だったようです。VWは「ディーゼルは腰折れした。エコはディーゼルからハイブリッドにシフト」と方針転換を鮮明に打ち出し始めました。世界最大の自動車需要国となった中国でも、電気自動車プラグインハイブリッドの販売台数がテスラの米国と逆転し、世界最大の市場となりました。上海などでは自動二輪のバイクも電動バイクになっています。二輪に続いて四輪でも世界最大の電動車市場として存在感を高めていくこと間違いなしです。
アラブの春”などと無責任報道でもてはやされた中東では、混乱が深まるばかりです。世界の政治では、テロ勢力とされるスンニ派系のアルカイダタリバンハマスに加えてISIS(イスラム国)までが加わって欧米露と敵対しています。シリアのアサド政権は露から支援されながらも欧米とこれらスンニ派武装集団の両方と敵対しています。
今の中東”はまさに“軍閥割拠だった戦前の中国大陸”のようです。日本軍は深みに足を取られてしまいました。“今の中東”がカソリックプロテスタント30年戦争で殺戮戦を行って人口が半減した17世紀の欧州みたいにならないことを祈ります。本来は寛容な宗教のイスラムから多くの過激派が生まれてしまった・・。元はといえば、部族社会を無視した欧州が“勝手に国境線を引いてしまった”ことから今の中東の争いが起こっているともいえます。ユダヤ教キリスト教イスラム強と“同じ神を奉じるが信じ方が違う”からの争いは過酷です。寛容な日本文化では想像できない世界です。空爆による殲滅など止めて欲しい。太平洋戦争日本列島人口7千万人くらいで600千人くらいが米軍の空爆で亡くなったそうですが、人口2千万人くらいのイラクでは米軍の空爆同じくらい(600千人?)の多数の一般市民が犠牲になったようです。とてもつらい現実です、太平洋戦争時、米国大統領のF Roosevelt(カタカナでルーズベルトとかローズヴェルト)は「日本全体を悪魔化して空爆原爆投下正当化」したそうです。中国どさくさまぎれ平和的なウイグルの活動家テロリスト扱いして虐殺・虐待し、日本に対しては歴史戦争をしかけ「日本を悪魔化」しようとしています。・・・一神教の歴史を持つ欧米の方々はテロリスト殲滅の空爆といいますが、殲滅ということばからは「東京大空襲原爆投下」の歴史と重なります。筆者/青草新吾は“寛容な歴史と文化を持つ日本ならではのお役立ち”ができないものかと思案してしまいます・・。
年末に飛び込んできた「日韓慰安婦問題不可逆的な最終解決」のニュースに対しては、「朝日新聞捏造記事出版物直接の原因なのに朝日新聞は何だ」とも思い、また「多くの戦没者の名誉にもかかわることなので事実を曲げてまで政治決着なんかしないでよ」との反感も感じましたが、橋下元大阪市長が指摘するように「村山談話の無効化に向けての上書き」と考えれば「ならばこれくらいはしかたないか」とも考え直しているところです。
以上、2015年を回顧するにつけ、民主党政権でなくて、守旧派自民党政権でもなくて安倍政権でよかった、でも規制撤廃などもう少し成長戦略で頑張って欲しい、大阪では「おおさか維新」が「大阪をギリシャ化させてきた“自民党から共産党までの既得権益オール与党”に圧勝したこと」は行政改革・統治構造改革に向けては良いことだった2016年以降日本の稼ぐ力もっと高め次世代につないでいけたらと期待しながら、筆をおきます。

2015-08-23 199. 経済再生と政治維新

中国のバブル崩壊はかなり深刻です。日本は何よりも経済力(稼ぐ力)の再建を急ぐべしです。大増税しなくてもやっていける社会を次世代に引き継ぐためにも、子育て家庭への支援や貧困層への支援を厚くしていくためにも、乱暴で無法な中国共産党・紅軍への抑止力としての日米同盟を確保しながら、対米従属から徐々に脱却していくためにも、・・・。

国民総所得(Gross National Income、後述)が伸びて、GDP2%くらいの成長を実現できれば、20年後GDP122%です。政府支出(歳出)今以上に増やさず、今のような国債金利であれば、徐々に政府債務(政治家公務員国民に返済すべき借金)もGDP比率で軽減されていきます。国民経済トレンドを把握する目的だと、安倍内閣が成長戦略で採用した実質GNI [実質国民総所得Gross National Income (GDP+所得収支+交易利得又は損失)]がGDPよりはベターです。グローバル化で「国外からの投資リターンや給与純受取額」が増え続けていますし、一方では交易条件(輸出入価格)の変動による実質所得の増減(交易利得)も発生していますから。・・・日本の失われた20年とは、異常な円高による交易条件の悪化で、常に「実質GDP>実質GNI」となり、国内で生まれた富が国外から吸い上げられてきた状態です。ニッセイ基礎研究所2013.6.14によると「過去10年間、交易損失が26.4兆円」(国外への所得移転。国内居住者の実質所得26.4兆円が国外に流出)していたようです。購買力平価だと対ドル円レートは、工業用製品が100円くらい、生活関連製品が130円くらいだそうですから、適正な対ドル円レートは100円から120円の間です。80円だの90円だのは明らかな異常円高であり、交易を通した日本国からの所得移転に他なりません。明らかな政治の失策です。自社さ政権時代による円79.75円(1995.4)、民主党政権時代の円76.25円(2011.3)という歴史的な超円高は、自社さ政権と民主党政権放置政策の結果だし、日本国内で生み出された富が国外に所得移転されてしまったということです。グローバル化した経済では政治が極めて重要です。
幸いにも日本には世界レベルで図抜けた競争力を維持できている会社(営利法人)やそれらをとりまく企業群(個人事業+会社)が存在しています。地方創生に直結する様々な創意工夫イノベーション、例えば、岡山理科大学好適環境水・養殖(淡水魚の金魚と海水で生きるキイロハギが同じ水槽で泳ぐ、産経新聞2009.10.7)や、最近では、近畿大学完全養殖まぐろウナギ味なまずも実用化・商業化の域に入ってきました。民間の創意工夫や新しい価値を生み出すイノーベーションを役人政治家邪魔しないことを祈るのみです。・・・経済成長を実現していく上では「成長戦略の一部」として「次世代を担(にな)う子供の貧困対策」も重要です。就学前の教育が生涯所得に大きな影響を与えるという仮説が先進国共通の知見になりつつあります。この点に関しては下術で補足します。・・・人口減少高齢化イノベーションの源泉に転じていく努力が望まれます。厚労省独占の医療・介護一律・画一的官製市場を「ナショナルミニマム(政府の基礎的な保障)」の上で、民間事業者の創意工夫を活かす成長分野に変えていく「政府財政健全化両立する成長戦略」にして欲しい。日本経済を再生するために何よりも必要なのは津々浦々での全国民的な草の根のイノベーションです。
伝統の保守とは革新の連続です。世界の老舗企業の半分が日本です。老舗企業大国ニッポンを紹介した拓殖大学教授の野村進氏の著書*1によると創業1百年超の会社が100千社以上あるそうです。保守のために自己革新変わり続けてきた不易流行の企業群です。日々創意工夫で変えるべきは大胆に変え、時代や環境の変化の中で事業継続してきた結果です。過去の成功体験に固執し、上辺(うわべ)だけの伝統継承にこだわりフロンティア開拓のベンチャー精神を忘れた企業は、衰退や消滅していきます。
衰退の中から息を吹き返した企業が多々あります。中堅大企業の領域では森下仁丹の事例。三菱商事出身の駒村純一氏が社長に就任して以降、社内で温存されていたノウハウ(仁丹の被覆技術)のアプリ開発医療カプセルを商品化し、世界へのマーケティングで大きく成長しました。事業転換ではよく聞く話ですが、新事業へのチャレンジについていけずに退社していった方々も多々おられるそうです。金型部品商社のミスミは、初代の創業1期の田口弘社長の時代に大きく成長しました。この田口さんの凄さは自分の後任に「経営パワーの危機」*2や「戦略プロフェッショナル」*3の著者としても広く知られた三枝匡氏(実務経験は三井石油化学とBCG)を指名したことです。創業1期の田口社長の代に大きく伸びたミスミは、2期の三枝社長の代に更に大きく発展しました。正にスパイラルアップの見本です。
大企業の領域では、富士フィルムの事例。銀塩フィルムの時代には「世界の優良企業だったコダック」が連邦破産法を申請し、コダックを仰ぎ見ていた富士フィルム銀塩フィルム派生の生産財(TACフィルムなど)へと主力事業転換をやりきって生き残りました。2000年以降の主力事業転換で社長としてのリーダーシップを発揮した古森重隆氏は、入社3年目産業材料部・営業部員としてこのTACフィルムの市場開拓(アプリ開拓)に取り組みだしたお方とのことです。富士フィルムを救った主要な一つのTACフィルムとは実に30年以上もの商材開発・マーケティングの積み重ねの結果として大きく花開いたことが判ります。・・・東レ日清紡、福井のセーレンなど、日本の繊維産業は、主力アプリの転換(衣料⇒産業素材・生活資材)で大きくスパイラルアップして発展しています。東レは、炭素繊維製品(CFRP)で世界トップですが、実に1970年頃から本格的な事業化に取り組み、航空機分野で一定の需要を得て、とても日本的な用途開発のゴルフシャフト釣竿を経て、今はEVやハイブリッド車自動車軽量化で事業規模も大きな拡大が見込まれます。日清紡の事業ポートフォリオは、自動車ブレーキ摩擦材事業が3割、更に2010年に日本無線を子会社化したことでエレクトロニクスが4割へとスパイラルアップしてきています。・・・福井のセーレンは、傍流部署の社員で「課長昇格が一番遅れた川田達男氏」が、社内で大きな反対を受けながらも干された先輩社員と始めた自動車内装材が大きく伸びたことで、ニクソンショックプラザ合意で巻き起こった繊維不況を乗り越え、イノベーションでリーダーシップを発揮し続けた川田達男氏が社長に就任し、染色加工の受託賃加工から自動車の内装材メーカーへとスパイラルアップして発展し今に至ります。
日本的なイノベーションの多くが守破離です、最初は真似ごとから始まり(守破離の守)ながらも、基礎が固まってきたら独自性を高めて(守破離の破)、最後には独創世に新しいものを生み出す(守破離の離)というスパイラルアップです。イノベーションオペレーションとはマネジメント手法異なります。トップイノベーションタイプが望ましい。でなければ組織が官僚化し大企業病(行き過ぎた管理主義)になり易い傾向があるのかもしれません。一方で既存事業のムダドリ稼ぐ力高め続ける努力も必要です。筆者/青草新吾が見てきた様々な優良企業の事例からは「イノベーション2割オペレーション8割」くらいのバランスが事業内容の新陳代謝を持続しながら発展していく上でベターな気がします。・・・フロンティア精神を尊ぶ米国企業と異なり、日本企業の場合にはイノベーションンに向けてトップのリーダーシップを欠くと、組織全体がずるずると「イノベーション阻害する組織へと変性」してしまう傾向があります。イノベーション天敵害獣となるのは大企業病(行き過ぎた管理主義)です。
事業環境大きく変化しました。日経ものづくり2015.7で「ものづくりを取り巻く環境も大きく変化した。まず第1には、自動車の電動化や自動化に象徴されるハードウエアソフトウエア一体となった制御が求められるようになったこと。第2に、生産のグルーバル化。かってのように日本で製品を立ち上げてから国外移管するプロセスを経ずに、タカタのエアバッグのように“内外のエンジニアが共同開発して、外国で生産する仕組み”が増えた。・・・第3に、持続的なコスト削減圧力の増大。難燃剤が原因の過熱トラブルでは、難燃剤を臭素系から日臭素系に切り替えた際にメーカーサプライヤー臭素代替/赤リンの耐水グレード指示していなかった事例など。・・・第4に、工場における現場力の低下。・・・第5に、流通業メーカー化。流通企業がメーカー的な高い品質コントロールのノウハウを身に付ける必要がある。」と環境変化を整理していました。また「トヨタ名誉会長の豊田氏は“中国などのアジア勢がプレゼンスを高めている。独連邦国も米合衆国もIoT(Internet of Things)を活用する製造業のイノベーションに取り組んでいる。ものづくり産業の国際競争力が低下して2流国3流国になりかねない。日本に残された時間少なくラストチャンスという意識で進めないといけない。”と品質管理シンポジウムで警鐘を鳴らした。」との記載もありました。・・・しかし最後は人材です。ますますコミュニケーション能力が必要になっていきます。相手の価値観、習慣、思考や行動のパターンをきちんと理解した上で協働や提携でないとうまく回りません。相手のストーリーや発言の背景を理解して聴く、自分の考えを筋道立てて根拠も示して伝えていく、ことが必要です。国際社会で生きていく力高める教育が大切です。
上述の「成長戦略の一部としての次世代を担(にな)う“子供の貧困対策”」について。日本では「相対的貧困率(可処分所得の中央値の半分に満たない世帯員の割合)が先進諸国の中では高く」なり続けていて、特に「子供の貧困率は先進国では最も悪化が続く国」になりつつあります。「分配政策の是正改善」が必要です。
失われた20年GDPが縮小してきた日本と、低成長といえどもGDPが拡大してきた欧米とでは、実情が逆です。ピケティの指摘(欧米における富裕層への富の集中による格差拡大)よりも日本社会では「中流下層の所得が減少し貧困が拡大している」ことの方が深刻な問題です。日本では欧米のような富裕層への富の集中はみられませんが「中下位層が貧しくなることで“国民経済全体貧しく”なっている」ことが問題です。それでも中流下層が貧困化していくことで、教育の機会均等が保障されず、貧困親子で世襲されていくと、ピケティが懸念する「相続財産で格差が固定する社会では再分配しないと人々が働く意欲を持てなくなるのではないか」という点で、日本は欧米と同じ課題を抱えています。・・・1980年代から90年代にかけてマクロ経済政策失政の繰り返しや、国会議員の政治の政局ゲームで日本経済は縮小が続き、縮小した部分のシワ寄せ中流下層の貧困化です。90年代後半就職氷河期の方々も中高年になっています。なぜこうなったか?を振り返ってみます。
プラザ合意(1985.9)の後の長すぎた円高政策継続、その後の性急な円高是正政策誘導された資産バブルへとつながり、日銀の遅すぎたくせに唐突に性急執拗バブル潰しバブル崩壊、これにソ連崩壊(1991.12末)の後の日本の政治混迷が重なり、1990初頭の資産デフレへの変調放置後手に回って、今度は景気刺激策と称して史上空前国債発行・公共投資を行い、これまた性急な消費税導入で、とりとめようもないデフレの奈落へ。更にはデフレなのに、IMFの助言を聞かずに「性急なゼロ金利解除」だの、「消費税増税」のデフレ政策の繰り返しの駄目押しして深刻なデフレをもたらした。・・・1991.12末のソ連崩壊で、先進国のマルクス主義左翼ほぼ崩壊したのに、なぜか日本だけは、政局優先の「自社さ政権」誕生で、マルクス主義政党社会党から村山富市首相が出るなど、およそ世界の潮流からかけ離れた政治が行われました。村山政権をもたらした当時の自民党指導層、例えば、河野洋平加藤紘一山崎拓亀井静香といった面々も連座責任は少なくないと思います。・・・当時、日本のマルクス主義左翼はご本尊のソ連が崩壊するのを前にして「格好の勢力維持の手段として歴史問題中韓に焚き付けて」今に至ります。・・・「失われた20年」の流れでは、先進国の中では日本のみが唯一でGDPが伸びず縮小・横ばいでした。GDPが縮小・横ばいなのに、財政投入の膨張政府債務が急増してしまいました。小泉政権で歳出が少し圧縮されて正常化に向かったのに、民主党政権でまた膨張させてしまいました。民主党政権の悪夢を思えば、1990年代初頭の「自社さ政権」の再来のようでした。2012年末の第2次安倍内閣登場で、ようやく小泉政権のレベルまでの政策正常化戻りつつあるところですので、経済再生のためにも、このまま安倍政権が続いてくれることを期待します。でないと中国のバブル崩壊最悪の事態にでもなれば、乗り切れなくなってしまうのではあるまいか?と危惧しています。“公正な自由競争のメカニズム”が働く限りにおいて、個人事業を含む企業は顧客獲得競争を通し創意工夫を行い、富を生み出し社会貢献を続けることができます。安倍政権には「規制緩和構造改革」をもう少しパワフルに進めて欲しいところではありますが。

*1:ISBN:4047100765「千年働いてきました」

*2: ISBN:4532191653

*3: ISBN:4532191459

2015-07-11 198.中韓と日本&ギリシャ 

中韓の「対日歴史問題プロパガンダ」が「政治利用を禁止しているユネスコの世界記憶遺産」の場にまで拡散しています。悪意に満ちた誹謗中傷を国際社会にまき散らす相手には、事実を突きつけて毅然と反論していくしかありません。公務員天国ギリシャの破綻では「大阪維新が登場する前の旧大阪市」を思い起こします。ムダドリを進めながら都市競争力と稼ぐ力を高めていくべきです。

韓国の歴史について、豊田隆雄氏の著書*1のお蔭で韓半島の「史料に基づく事実の歴史」の全体像を把握できました。裏付けの史料が豊富なので安心して信用して読めました。読み終わって、韓国の官民こそ「史料で実証されているありのままの歴史向き合うべき」だとの思いを強くしました。前・在韓国特命全権大使武藤正敏氏の著書*2では「慰安婦問題をミスリードした(火を焚きつけた)のが朝日新聞現在の難局を招いた朝日新聞責任は甚大。」そして「河野談話のついでの“河野官房長官その場のリップサービス”でそれまでの“日本政府の見解(慰安婦の強制連行はなかった)”が“あったかもしれないに変質”した」こと、「領土問題(竹島不法占拠)を歴史問題にすり替えてしまったのが盧武鉉大統領」だが「“韓国の歴史研究”とは“作り話に熱心”だが実証的ではない。“自分たちの主張をバックアップできることを研究しているだけ”」ということを改めて確認できました。父祖の世代の名誉と次世代の明るい未来のためにも私たち日本国民は「史料に裏付けられた歴史」を勉強し、「中韓イデオロギー歴史(多くの作り話誇張が混ぜこぜ)に騙されない」ように声をかけあうしかありません。
隣国は選べません。バルト三国の方々が「ロシアの隣国で生きていくのはとても疲れることだ」と口をそろえてこぼすように、日本国民も「中韓の隣国で生きていくのは疲れること」です。近現代の日本の「厄介な躓(つまづ)きの石は中韓」でした。明治維新の頃までの中韓とは「巨大経済圏のチャイナ(支那)極貧国の朝鮮」でした。日華事変の頃の中国とは「今でいうイスラム」のような状態でした。戦後70年を経た現在、隣国は、厄介な「共産党の中国」と「反日イデオロギー全体主義の韓国」という厄介な状態です。厄介な隣国どうつきあっていくのか・・・。日本の国際関係の在り方に関し“130年前福沢諭吉慧眼”には恐れ入ります。
福沢諭吉は「脱韓・隣国普通外交論事実国際法に基づく普通の外交関係、隣国だからと特別扱いしない不即保距離距離を保った付き合い)の関係で十分<脱亜論>)を1885.3.18付時事新報(今の産経新聞)の社説で主張しています。半島・大陸に深入りしていくアジア主義よりも英米との同盟論を唱えています。筆者/青草新吾も、日本は、米国台湾比国豪州、太平洋島嶼国など環太平洋海洋国家の方が、半島や大陸よりも親和性が高いと感じます。中韓とは、国レベルでは「事実と国際法に基づく普通の外交関係」、民間レベルでは「草の根交流」、で十分です。日中友好とか、日韓友好と言い出した途端に利権政治が紛れ込みだしています。日中友好や日韓友好などの友好を望まない、例えば朝日新聞社会党福島瑞穂辻元清美など)のように「揉めた方が好都合な勢力」も存在します。
中国共産党や韓国が騒ぎ立てる歴史問題とは歴史を利用したイデオロギー闘争」です。中韓の「歴史を利用したイデオロギー闘争」に対しては、「事実を世界に(特に米国)への発信を続ける」ことで、「事実を争う知的判断の問題*3へと議論を引き戻していく必要があります。
80年代後半から90年代にかけて、中国共産党自分たちの利権を守るために「抗日歴史イデオロギー」を国際社会で騒ぎ立て韓国既成の政治勢力自己保身のための「反日歴史イデオロギー」で騒ぎ立てて「厄介者の権力*4(育ちの悪さを基盤とする厄介者育ちの良い事なかれ主義の紳士に対して発揮する権力のこと)を発揮し、朝日新聞などがこれに内応して騒ぎ立て、当時は自民党主流派を形成していたリベラルメンバー外務省の育ちが良さそうな元学校秀才メンバーが「育ちの悪さをパワーの源泉とする中韓の厄介者の権力」に「事なかれ主義宥和主義」で、これといった反論も議論もせず、歴史問題中韓外交カードされるままで不作為の罪を重ねてきました。
中韓が発揮する厄介者の権力には毅然と「可笑しいのは君たちだ」と世界に向かって事実誤認(というよりも意図的な捏造が多い)を指摘し、中韓一方的な主張の不当性を訴えていくのが効果的です。また中韓主張の異常さに気づく欧米の方々も出始めているようです。
韓国官民異様な反日」について、オハイオ州立大学/釜山国立大学の准教授ロバート・ケリー氏がアジア外交専門誌/ディプロマットに寄稿した「韓国の反日とは、日本を悪と位置づけ、叩き続けることで、韓国という戦後国家正当性を主張しようとしているもの。本来は韓国の存在そのものを否定する北朝鮮に向けられるべき論争エネルギーが、日本叩き安直な代替の解決法にしてしまっている。韓国で少しでも生活すれば、異様なまでの日本否定への執着が明白となる。例えば、子供たち日本兵狙撃遊びなどや、米国での慰安婦像建設軍国主義復活論などだ。」との論旨が米国の専門家でも注目度が高まっているようだと産経新聞2015.6.28付が紹介していました。
中韓の背景にある中華文明とは、文官中心武官を見下す傾向が強く、しかも中韓ともに中世や近世を経ずに「古代からそのまま現代社会に引きずり出されてきた」ので、騎士道精神の伝統がある欧米武士道精神の伝統がある日本異なり卑怯という観念ない」ようです。だまし討ちが平気です。日華事変以降、中国国民党軍は、日本軍が「国際法遵守で規律正しく民間人を攻撃しない」と知るや、民間人の恰好をしたまま中国国民党日本軍に攻撃をしかけるようになったといいます。弱いものいじめ中華文明(小中華の韓半島含む)は、自分より弱いと見下した相手に残虐な手法で攻め立てます。チベット内蒙古ウイグルなどは併呑されてしまいました。中韓ともに、大人しくて反撃しない日本国政府には言いたい放題やりたい放題になります。
例えば、捕鯨問題でも「反捕鯨で稼ぐビジネスモデルのシーシェパード」は、日本の4倍も捕鯨している韓国(2014年で1,849頭、日本は調査捕鯨込みで2013年/591頭)には知らぬ顔です。恐らくは武力で反撃されるからでしょう。一方では「ろくな反論もせず、海上テロにも放水でしか対抗しない日本だけ」を執拗に狙って捕鯨パフォーマンスの映像を世界に流して金集めをしています。ゆすりたかりのビジネスモデルからは「大人しい事なかれ主義の日本(外務省や自民党リベラルメンバー)は罠にかけやすい獲物」といえます。・・・90年代外交敗北失われた20年をリードした自民党河野洋平加藤紘一山崎拓亀井静香中韓の手先で内応を続けた旧社会党護憲左翼メンバー村山富一(自社さ政権の首相)やピースボート北朝鮮系左翼の辻元清美慰安婦問題で放火を続けてきた弁護士の福島瑞穂、これらの「敗戦利得者の団体支持母体とする面々」は、過去の日本を断罪して自分たちはいけしゃあしゃあと「誰かが守ってくれるさ」の平和ボケ/戦後平和主義者の面々といえます。平和ボケで見直すべきは地方議会地方行政の在り方です。国の赤字減少に直結する地方税の改革も必要です。
今は浜松市一部となった旧可美村住民の多く浜松市との合併に反対していました。鈴木自動車からの税収浜松市にもっていかれたくないからでした。奈良市の多くの方々は大阪まで出て買い物をすることが多いので、奈良市民が払う地方消費税多くが大阪市払われています。大阪市の税収の多くが法人住民税です。これら大阪の法人で利益を稼ぎ出しているのは、大阪市通勤する京阪神の住民です。ところがその大阪市たるや、大阪市住民投票だけで大阪市の在り方(大阪都構想)を決めてしまいました。しかもその差は僅か0.8%だというのですから、勝敗がついたというほどのものではありません。大阪都構想選挙2015.5.17では醜悪な「共産党辻元清美の宣伝カー同乗した自民党守旧派メンバーが“今のままでよい”と訴える醜態」が散見されました。「自民党から共産党までオール与党・利権分配の構造」そのものでした。その大阪市たるや、自民党改革派が立ち上げた大阪維新が登場するまでは「自治労主導オール与党お手盛り」で、人口は東京23区8.94百万人よりも少ないのに、大阪市2.66百万人に占める生活保護受給者東京213千人(2.3%)よりも割合が多い大阪市152千人(5.7%)です。しかも生活保護が必要な生活保護以下の低収入生活者が多数おられるのに、何と「生活保護利権化され」て「生活保護ピンハネ(生活保護費受給をアレンジして受給者から手数料をとる)が活発な問題都市です。上海では「“中国人が大阪に移住”して“生活保護費を受給”する本」が隠れたベストセラーだと聞いたことがあります。
筆者/青草新吾が気掛かりなのは、日本社会における母子家庭を中心とした貧困層の拡大傾向です。日本の場合にはピケティが言うような格差の拡大よりも貧困層の拡大の方が問題です。生活保護費以下の収入で生活を強いられておられる方々「生活保護以下生活保護費受給なし生活者11.33%まで拡大しているそうです。一方で「生活保護既得権益化」して「ピンハネビジネスが成立するくらいまでに受給額が高額に」なってしまっているというのです。生活保護受給者1.7%だそうですが、受給額年金よりも高額だというのも如何なものでしょうか。・・・早稲田大学教授の原田泰氏がVOICE2015.5で「既得権益化した生活保護廃止して、貧困層全員BI(Basic Income 国民最低限度収入)として月70千円を給付し、受給者本人たちがこの70千円に働いて上乗せして生活していける制度に変更すれば、福祉官僚の余計な仕事とコストや、生活保護ピンハネ貧困ビジネス減らせるだろう。BI(Basic Income)導入で廃止できる財源19.9兆円残る13兆円を農業補助や地方への補助金などから切り替えていけば増税なしで可能」と提言していました。・・・日本の生活保護は必要な人の一部にしか支給されておらず、一方ではピンハネビジネスが成立するほどまでに高額化既得権益がひどい状況のようです。先進各国と比較しても異様に高額(年金よりも割高)な支給額切り下げBI(Basic Income)月70千円切り替えていくことは賛成です。
日本国全体生産性を改善していくためには「人口減少高齢化イノベーションの源泉に転じていく工夫」が必要です。子育て支援をもっと強化し、そのためにも資産持ち富裕老人層負担増を受け入れ、その代わりに保全体画一主義から脱し混合医療もっと自由化して富裕層の医療消費を促し、無駄遣いの根源ともいえる地方議会での「自民党守旧派から自治労共産党までオール与党お手盛り」はいい加減に止めてもらい、税金投入を必要としない成長戦略“労働、医療介護、年金、税”の一体改革」の実行が待ったなしになってきています。自民党守旧派民主党組合利権派バラマキには国民の監視が求められます。国土強靭化地方創生の看板に紛れ込む“一部の少数者が税金から利益を得るだけ効果に乏しい単なるバラマキ”を許さないようにしましょう。
より良い未来に直結する教育研究インフラなどへの投資は良いが、不必要なインフラ目先のバラマキで国民からの借金を国が重ね続けるのは最悪な結果にしかなりませんから。1

*1:「韓国の歴史」 ISBN:9784801300583

*2:「日韓対立の真相」 ISBN:9784908117107

*3:ISBN:9784047100916 「日本人と組織」山本七平

*4: ISBN:9784480059963組織戦略の考え方沼上幹

2015-05-16 197- 2/2. 産業の稼ぐ力と国家外交力

安倍政権で経済が上向き、雇用も改善し、外交も改善が進んでいます。減点項目もありますが差引プラスです。敗戦利得者を中心とした農業・労働・医療など岩盤規制を改革し、道州制地方分権を進め、地方政治を自民党から共産党までのオール与党・お手盛・既得権益バラマキから「子育て支援・貧困者救援・稼ぐ産業振興」へと転換していって欲しいと期待します。

国家外交力国柄はビジネスと産業の稼ぐ力を左右します。・・・米国上下両院合同会議での安倍首相・演説(2015.4.29)では、14回もの観衆総立ち拍手(Standing ovation)を受けていました。本件は下術することとし、まずは中国のアジアインフラ投資銀行(AIIB)について。欧米ではさほどの話題にもなっていない中国のアジアインフラ投資銀行(AIIB)ですが日本では中国共産党の手先のような報道(「バスに乗り遅れるな」)が目立ちます。
国際エコノミスト長谷川慶太郎氏はVOICE2015.6号で「中国のアジアインフラ投資銀行(AIIB)など参加しなくても何の心配もない。インフラ投資では日本企業抜きで進む優良案件など殆どない。例えば発電では、石炭火力だと石炭の質が悪くとも公害の原因になりにくく発電効率がよい“石炭ガス化複合発電(IGCC)三菱日立パワーシステムズ”が強い。原発なら日本製鋼所他日本企業数社しか圧力容器を供給できない。(原子炉の)保険審査のためのエックス線装置は世界でも三菱電機1社のみ。・・・IOC(国際オリンピック委員会)は、韓国の“平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック2018”のスポンサー企業にトヨタ”を選んだ。スポンサー企業は一業種一社で絞り込まれるが(主催国/韓国の)現代自動車ではなかった。」と寄稿していました。そのトヨタの強みは、分厚いサポーティングインダストリーに支えられています。・・・自動車向け熱処理加工や表面処理加工など、「特殊鋼分野の加工流通最大手/ウメトク」の福嶋正彦社長は日刊産業新聞2015.4.7付で「特殊鋼、特に工具鋼は品質面で日本製品が優位。素材メーカーの材料に熱処理や機械加工まで当社が加わった製品を提供することが当社の使命だ。素材メーカーのサポートをいただきながら今後も積極的に取り組んでいく。・・・2015.6期見込みは売上高820億円、経常利益26億円くらい。79年にタイ(泰国)、98年にマレーシア(馬国)、03年に上海、05年に天津、と5カ国11拠点を展開し、これに今建設中のインドネシア(尼国)が加わる。」と述べておられました。
ニッポン産業の強みは“きめ細かい是正改善時々の改革積み重ねてパワーアップ”を続けていく持続力と人材力です。・・・・評論家の日下公人氏がWILL2015.4で「欧州のパーティでグラスを持って輪になっている中心にいるのがいつも英国人という話もあるが、最近は日本のビジネスマンとエンジニア、文化人のまわりに自然に人が集まってくる雰囲気になってきている。同じ日本人でも官僚、政治家、学者の周りには人は集まらないが、(頑張る日本の象徴ともいえる)ビジネスマンとエンジニア、文化人には是非ともこの機会に話を聞いてみたいと欧州人も集まってくる。」と、また「インドネシア(尼国)では、多くのジャカルタ市民からは日本と米国への感謝を聞かされた。日本には“独立戦争の時に日本の将兵が助けてくれた感謝”、そして米国には、日本敗戦後にオランダ(蘭国)が再び独立否定の戦争を始めた時に、米国が頃合いを見て“旧植民地回復の戦争は正義に反するとして調停”してくれたと、日米への感謝事例二件を語ってくれた。」と自身の経験談を語っておられました。
米国産業界の復活にも目を見張るものがあります。米合衆国の強みは、世界中から人材を集める魅力があり、一気呵成にフロンティアを突破していくイノベーションにおける突破力です。日本が強いといわれてきたロボット分野でも勢いが増しています。電子デバイス産業新聞2015.4.16付が「米国はロボットベンチャーに加えて、グーグルアマゾンロボット分野の動きを加速させている。経営コンサルティングのボストンコンサルティングによると産業用ロボットの低価格化で、主要25カ国の製造業人件費は14年から25年にかけて平均で16%低下すると予測。米国はシェールガス革命により(エネルギー資源コストの低下で)製造業が国外から国内に回帰しつつある。ここに高性能・低価格ロボットが加わることで、米国製造業の本格的な復活となるかもしれない。」と予言していましたが、何となく分かります。米国が底を脱し、日本の経済力が復活して外交力も高まれば、世界平和への貢献度も高まります。力の真空地帯ができると武力紛争を招きやすくなりますから日米同盟と「外交・武力の力の均衡( balance of power )」は極めて大切です。
民主党左翼政権時には“民主党左翼政権下・日本経済六重苦”によって、日本のビジネスマンはとても苦しめられました。その六重苦も安倍政権登場で徐々に緩和され、今一番の懸念材料が日本国内の電力供給です。
筆者/青草新吾が不安で仕方がないのは、国際情勢や国内の偶発事態によるエネルギー・電力供給のストップです。原子力は「必要最小限が望ましい」とは思いますが「原子力発電ゼロのままではいずれ破たんしてしまうのでは?」と恐れています。唐突にすべての原発を停止した日本では年間4兆円あまりエネルギー輸入費用に追加されました。・・・唐突な原発停止と原発ゼロは、電気代値上げをもたらしています。電気代値上げは、企業と企業の稼ぎから分配を受ける家庭の両方をより貧しくします。景気も悪化方向で向かって押し下げられていきます。景気悪化で犠牲になるのは就職条件悪化で直撃される若者と貧困層です。・・・組織の組み立てに関する日米比較では、米国の公的機関は「論理的思考」と「職務が求める能力」(コンピテンシー=成果を生み出す望ましい行動特性)の両方の組み合わせで、組織の判断を委ねるトップを選ぶ原則がしっかりしています。一方の日本の公的機関はというと、「情緒的な素人判断」と「コンピテンシーよりも政治的配慮」という成り行きの組合せでトップを選ぶ傾向があり、利権組織になり易いといえます。今まさに原子力関係がそうなっているとの指摘があります。日本の政治家や官僚が組み立てる組織は、止める権限は絶大なくせに、前進して新しい価値を生み出す能力がないままの、何もしないで高給を受け取る既得権益装置」になりがちです。
東京工業大学助教/澤田哲生氏は「民主党/菅直人元首相が、原子力発電を止めたままにしておこうと狙って仕組んだ通りになってしまった。・・・・民主党/菅直人元首相が、原発不再稼働の装置として仕組んだ原子力規制委員会・規制庁(NRA)が、原発不再稼働三点セットになってしまった。・・・日本版NRCのNRAは“コンピテンシーが欠けた者が統率すべき役職につく”ことで“組織の統率がデタラメ”になっている。原子力安全の知識経験、特に実機発電プラントの現場経験と確率論的リスク評価、そして人間性、これらのコンピテンシーが欠けた者政治的配慮で役職につくからだ。・・・日本版NRCのNRAは、米国の規制委員会(NRC)を模してつくられたことになっているが、彼我の違いはあまりにも大きい。かって米国NRC委員長のディール・クライン氏が“日本のNRC米国NRCの誤解の上に作られてしまっている。・・・”そもそも米国NRCは、専門家のトップが規制庁(事務局)と相対峙することで機能するし、NRCトップ(5人委員会)事務局の上訴機関として判事の役割を果たすことで機能する。・・・しかるに日本版NRCとして設立されたNRAは、(名誉職などではないコンピテンシーを持っているはずの)長官の実態を規制委員会で隠して見えなくしているし、規制庁(事務局)の上にどっかり乗っかるだけの屋上屋になってしまっている、と指摘した。」と指摘していました。
原発停止国のイメージが強い独連邦について、独在住の川口マーン恵美氏が「破たんする独の再エネルギー政策。“天候次第の再生エネルギーは安定供給できない”のでベースロード電源にはなりえない。・・・独の原発は17基あるが、まだ9基が動いている。2022年までにゼロにする目標だが、うまくいかなければ延長するだけです。・・・は、原発を止めて石炭火力に戻っていくので二酸化炭素排出量が増えていく。それでも独は国内に豊富にある石炭を使うからまだいい。しかも欧州には、電力網が国境を越えて整備されているので電力を売ったり買ったりの国境を超えた域内融通、というセーフティネットもある。・・・・石炭火力に戻っていく独連邦にくらべて、日本のエネルギー事情過酷である。日本には、独連邦のような石炭という自前のエネルギーも、欧州域内で電力を相互融通する送電線ネットワークもない。それなのに何かあればストップするかもしれない輸入エネルギーだけに依存している。原発ゼロの日本過酷だ。・・・・日本すべてが輸入だ。安価で安定した電力がないと産業は維持できないのに・・。原発を好き嫌いで感情的に論じるのは間違っています。日本という船が沈んでしまっては元も子もありません。福島の事故は悲しい出来事でしたし、間違いは正していくべきです。ただそのために思考停止してしまうのはおかしい。」と言志2014.10への寄稿で憂えておられましたがまったく同感です。
民主党/鳩山由紀夫元首相は、原発比率50%を前提として、「温暖化効果ガス排出量を2020年までに1990年対比25%削減」と2009年に国際公約してしまっています。民主党関係者はどう責任をとるつもりなのでしょうか? 164[2009.8.23 排出量取引で金づる日本]、166[2009.10.04 鳩山たらればエコ破綻]、171[2010.4.17 捏造メディアの温暖化報道 ]などで前述しましたが、外交で国益無視のパフォーマンスツケを払わされるのは国民であり納税者です。二酸化炭素排出削減などの外交産業に直接に影響を及ぼします。
文頭上述米国上下両院合同会議での安倍首相・演説(2015.4.29)に話題を戻します。曰く、戦争の反省に基づいて戦後は法治主義と民主主義の平和国家建設を行い、戦後復興で豊かになるとともに韓国や近隣のアジア諸国へも支援をしていった。これからは日米希望同盟の積極的平和主義で地域の安定を図るという格調高いものでした。・・・特定アジア二カ国の中韓には変化が見えました。何を言っても難癖をつけてきた中韓両国ですが、中国共産党政府はさすがに現実主義国家だけあって「流れの変化に敏感」で「今回の非難は穏やかで自制気味」でした。流れに取り残されたのが夢想主義国家韓国政府です。
戦後の韓国政府とは戦後の米軍統治キツネの権力*1 で亡命先の米国から韓国に帰国して政権奪取した李承晩(イ・スンマン)などが自らの敗戦利得者の立場を正当化するために歴史を捏造しました。歴史捏造韓国憲法前文に始まる「戦後の韓国」とは「捏造歴史の嘘の上塗りを続けるしかないお国柄」になってしまいました。嘘の上塗りを続けるために正直な日本に「朝日新聞を見習ってウソは本当と言え」と吠え続けているわけです。・・・それにしても日本の多くのメディアが「中韓両国政府の手先のような言葉狩り」をしていましたが困ったものです。敗戦利得層のマスコミ多数派、自民党守旧派、護憲左翼などは、ともに「敗戦後GHQ統治下言論統制日本人洗脳工作協力してきた体質」そのままで今に至っているようです。グローバル化で“産業の強さは最後は国家の政治力次第”という傾向が強まっています。
世界の現実は「力の均衡(Balance of Power)平和が保たれる」です。世界の人々は「自国のサバイバルを確保できるのは自国の安全保障システムしかない」ことを常識としています。憲法9条前文のような夢想(自国の平和は“国際社会や同盟関係が守ってくれる”)に甘えているのは護憲左翼自民党守旧派などの敗戦利得守旧派くらいなものです。平和ボケした日本の外務省や多くの国会議員に欠けているのは「力の均衡(Balance of Power)」に対する研ぎ澄まされた感覚です。GHQ言論統制優等生メディアだった朝日新聞NHKなどの政治報道は能天気なものです。・・・中国共産党韓国政府反日プロパガンダが激化している今、幾つかの不満はありますが、差引で総じて日本国総理大臣が安倍首相で良かったと実感します。
文頭の安倍首相・米国上下両院合同会議演説(2015.4.29)に戻ります。安倍首相は中韓プロパガンダには乗らず、Deep repentance(深い悔悟)とremorse(痛切な反省)という実に秀逸な言葉を使いました。・・・・それにしてもお粗末極まりない村山談話河野談話では「金銭的償いの意味が強い“heartful apology”」を日本人感覚の英語表現(英語的には誤り)をしていました。日本語の説明が、英語になるやまったく別の文脈で誤解されたまま広がっていくことが多々あります。・・・強制連行の事実は当時も確認された事実はなかったわけで、しかも虚報を繰り返した朝日新聞もウソの上塗りができにくくなって「吉田清治・証言は実は事実でなくてフィクションだった」と記事削除をしました。「捏造された冤罪金銭補償を意味するapologyを使って英訳で謝罪・補償が誇張されてしまった村山談話河野談話愚の骨頂」です。がしかし、一度出してしまったものをひっくり返すと「外交継続性の原則」で信用を失います。ですから事実を明らかにしていくたびに「調べて新たな判ったことはこうだった」と上書きを積み重ねていくのが良いと思います。それにしても言葉の使い分けもできないで敵の土俵に自分から乗っていくお粗末な政治家が多すぎます。
自民党守旧派が駄目なのは情緒に訴えるだけ非論理的で事実にも基づかないデタラメなスローガン騒ぎたてることです。事実に基づく判断をしてみましょう。例えば郵政民営化では「米国保険会社にジャパンマネーを収奪される」などと言っていましたが目の前の現実はそうなっていません。日米通商交渉でも、繊維交渉、牛肉、オレンジ、・・牛肉もオレンジも日本人の食生活を豊かにし、知恵を競う農業経営者もますます元気になってきています。国からの膨大な補助金をせしめたJA全中焼け太りするばかりで、日本の農業衰退の一途でした。・・・2009年頃には自民党守旧派への猛省を迫る国民の意思が高まり、一方では朝日新聞などが政権交代民主党の応援に努めたことで、衆議院選挙2009.8で自民党は大敗し、民主党は大勝し、政権交代民主党政権(2009.9-2012.12)が誕生しました。しかしこの民主党政権は旧社会党の事務局メンバーが内部をとりしきる左翼政権でした。この民主党左翼政権の失われた3年がこれまた酷かった。
安倍政権登場(2012.12~)で日本経済と日本外交は救われました。この安倍政権登場のお蔭をもって、悪夢だった「民主党左翼政権失われた3年の政治の“差引大きなマイナス実績”」は「安倍政権で差引プラスに大きく改善」されました。民主党(官公労)財務省自民党守旧派既得権益層/増税バカの壁が強引に進めた「生活必需品軽減税率もないままでの消費税増税の愚策」の経済失速も何とか乗り切れ、再浮上してきたようです。
明日は大阪都構想民選挙2015.5.17です。大阪維新(2010〜)とは、元々は大阪自民党の改革派が、大阪自民党を割って立ち上げた改革派保守(革新保守)の地方政党です。その大阪維新が提案してきた大阪都構想ですが、大阪市民の共感をどの程度得ることができたのか、「賛成・反対」の投票結果がでます。・・・大阪都構想は別として、自民党に残った守旧派から共産党まで地方政治を食い物にしてきたオール与党勢力は「要するに“今のまま”がええ自分たちの利権もその方がええ)」と訴えているだけで、政策提言らしきものがありません。「大阪府大阪市がよく話し合えばよいことだから今のままでよい」と言いますが、そもそもは大阪府大阪市が話し合いなどできずに各々が別々にバラバラに自民党から共産党までのオール与党お手盛りで無駄金を使って大阪市ギリシャのような公務員天国・税食いバラマキ行政にしてしまったことが発端ではなかったか? 自民党守旧派はスローガンよりも政策で争って欲しい。
スイス、スウェーデンデンマークフィンランドなど194[ 2014.7.20 ニッポンができる世界への貢献 ]で前述したクオリティ国家も、経済が好調な米合衆国の州や独連邦の州など、何れも適正規模又は適正規模に分権された連邦国です。適正な規模で産業政策と生活のクオリティ競う道州制がベターな選択と感じます。その脈絡で今回の大阪都民選挙は日本の民主主義と地方政治では大きな節目だと思います。