青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

94-2/3 パワーデバイスで高耐圧トランジスタ

省エネの推進に直結するパワーデバイスの需要が伸びています。パワーデバイスの1-2割が産業用の高耐圧トランジスタです。

パワーデバイスに関し2007年4月18日付半導体産業新聞は「矢野経済研究所の調査報告によると、2006年パワーデバイス市場は前年比16.4%増1兆7千9百億円に達した。分野別に見ると、情報・通信機器分野では、薄型テレビやパソコン向けに大きく成長した。薄型テレビでは画面と電源部分を合わせると数十個のパワーデバイスが必要、(パソコン向けは)MPUの高性能化が需要を押し上げている。自動車向けは07年以降に本格的な成長を遂げていく。07年は更に17.5%増の2兆1千億円と推測する。」と紹介していました。
パワーデバイスの内訳で、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を含む高耐圧トランジスタの需要規模が約3千億円で、世界トップの三菱電機以下、東芝富士電機日立など日本企業が強い分野です。これらのパワーデバイスを組み込んだインバータとは、周波数を自在に作り出すことでモータの回転数を制御する装置で産業用モータ可変速装置として需要拡大が続いています。汎用インバータとは、日本電機工業会は出力容量100KVAでモータ容量が75KW以下の汎用モータに適用する装置であるとし、統計上も家庭用エアコン用などとは大別されています。この汎用インバータ需要規模が世界で約3千億円、国別内訳で日本が約8百億円です。三菱電機は国内シェア4割から5割をめざし、安川電機は06年度世界シェア13%から更に20%へ、富士電機は世界シェア1割に挑戦、一方で世界トップの仏シュネデール社と東芝の連合は両社でタイトル防衛・・と明るく賑やかな需要分野です。