102-1/4 太陽光エネルギーと地球46億年史
太陽電池の普及に関し「ソーラー産業は、70年代の半導体ビジネスとそっくりだ」(フォーブス日本版)に筆者/青草新吾は同感です。
同誌2007年11月号が太陽電池の特集でアプライド・マテリアルズ社のCEO/スプリンター氏の弁を紹介していました。同氏は、インテルに20年間勤務していた経験をお持ちとのことですからリアルに伝わってきます。
46億年前の地球誕生に始まり、40億年前に海ができて生物が誕生、27-28億年前にラン藻類がでて光合成を開始、ここから酸素供給が開始され呼吸による酸素でエネルギーを獲得する生物群が誕生、2.5億年前の超大陸分裂と生物絶滅、その後に2億年弱も続いた恐竜時代を経て、4-5百万年前に人類誕生。誕生した人類も多くが絶滅し、私たちのホモサピエンスのみが生き残って現在に至る・・・との壮大な地球歴史の中で、太陽光エネルギーと生態系の食物連鎖の相関を河合信和氏が著書*1でウォーカーの学説「植物は、太陽エネルギー(100%)の一割(10%)を自分の体として固定するが、九割は自分で消費する。草食動物は、植物(10%)を食べることで太陽エネルギーの一割(10%)を取り込み、そのまた一割(1%)で動物蛋白を合成する。残り9割は自分の活動のために使う。肉食動物は、更に一割(0.1%)を自分の体として固定して、九割を消費している。」を紹介しておられました。太陽エネルギーのエネルギー移転を判りやすく説明してくれています。
植物は光合成でエネルギー変換し、逆に人類は呼吸でエネルギー変換を行います。植物は、太陽光エネルギーを水(H2O)と二酸化炭素(CO2)に移転することでブドウ糖(C6H12O6)と酸素(O2)を生成します。植物は不要な酸素を排出し、光合成で獲得したブドウ糖を根から吸収した窒素(N)リン(P)カリウム(K)などと合成してアミノ酸を生成します。この光合成の原理が太陽電池に活かされようとしています。
*1:「ネアンデルタールと現代人」河合信和著 ISBN:4166600559