青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

128-1/2 中国進出の被害事例 

生産財輸出で最大仕向国の中国に関し、氾濫するマスメディアのプロパガンダ受け売り報道よりも、中国進出で巻き込まれた被害事例など報道されない情報の方がビジネスマンにとっては有効性が高いような気がします。

中国進出に踏み切ったものの、結果は金銭をむしりとられての撤退・・・という中堅・中小企業、特に中小企業の被害事例が、筆者/青草新吾の周辺でも多発していた時期がありました。VOICE8月号の特集(日系企業の生き地獄)で青木直人氏は「日本の首都圏のある地方団体で、当局が音頭をとって、中小企業中国に大量進出させたことがあります。しかし結局、巧妙に騙され丸裸にされ、関連会社の社長が首を吊った事件がありました。なかなか表にでませんが、似たような話はいくらでもある。・・・中国進出にあたって忘れてならないのが利権問題です。・・現地へいくと、ものすごくたかられる。・・現地ではあたりまえの話なのですが、日本のテレビや新聞ではなかなか報道されません。」と、また撤退に関しては「ヤオハン上海撤退に際しても、じつはものすごく悲惨な話があった。でもそれも絶対に表にはでてきません。日本と中国の外交上の思惑もあって、封印されているのです。皆黙ってますが、大手企業でも撤退関連ではトラブルばかりです。中国企業に騙し取られたようなケースもいくらでもある。丸裸になる覚悟がないと、なかなか撤退できないのです。」と述べておられました。独立総合研究所代表/青山繁晴氏は著書[日中の興亡]*1で「中国の崩壊を望む地方の経営者の方々が多い。理由は、勧められるまま中国に進出してみたら、めちゃくちゃにルールが変わる共産党の書記たちは自分が儲かるようにしかやらないから、何でも恣意的にルールを変えられる。しかも中国人労働者の工賃が安くても日本と同じ部品が作れない。製品の均一な維持ができない。泣く泣く撤退せざるを得ない。中国は日本企業が残した工場を使う、中国からは粗製濫造の安物が怒涛のように入ってくるようになり、日本製品が圧迫され始める。・・・日本を代表する某企業トップは、中国に進出した日本企業のほんとうの決算を徹底調査した。すると殆どが実質的な赤字と分った。某企業トップ曰く、こんなことが隠されていることに怒りを覚える、政官財のお付き合いで上海に子会社を作るけど、おそらく同じ運命だ。理由の第一は、いざ進出してしまうと進出前に確認したルール恣意的に変えられてしまうからだ、といっておられた。」と記述しておられました。中国共産党政府や外務省に睨まれたくないからなのか、あるいは恥を重んじる日本文化からなのか、各社ともに多くを語りたがりません。そのような中で事例を公表してくださる企業はとても有難い存在です。櫻井よしこ氏は著書[異形の大国 中国]*2で東北の農機具メーカー/旭エンジニアリングの事例を紹介しています。
オーナー社長の藤沼弘文氏曰く「丸紅の担当者から言葉を尽くして説得された。中国なら大体何でもできる、通訳を含めて現地の便宜をはかってくれる人物も紹介するという。1996年、中国進出を決めた。・・・紹介された通訳韓国生まれの中国人だった。幾つもの盛大な宴会を経て、96年暮れに契約が成立し、最も簡単な田を掘る機械を作らせた。社員4人を派遣し指導にあたらせたが、なんと中国人社員は650人にのぼった。ようやく3年目に生産開始となったとき、値段が当初予定より数倍も高かった。これでは日本で作る方が余程いい。でも通訳は伝えてくれない通訳は雇い主の私の側ではなく、中国側に立っていたのです。変な事件も起こりました。中国ではどうしても作れない日本から送った部品紛失したのです。納期に間に合わない。中山威力集団工業公司の担当者らは中国で調達するから2週間まってくれという。そして2週間して出てきたのは旭エンジニアリングが日本から送った部品でした。通訳が怒ってはならない。日本は日中戦争でひどいことをしたじゃないかとなだめた。私は日中戦争は日本ばかりが悪かったわけではないと猛烈に主張した。すったもんだの末に農機具が出来上がった。その第一陣が日本で販売されると、途端に苦情が殺到した。中国人は、ネジを締めるのに圧力を調整せず、力一杯締めてネジを切り、それを隠すために、新聞紙を巻いてハンマーで叩き、塗料を塗ってごまかしていた。これは目視検査ではわからない。説明を求めると、中国側は言った。我々はそんなことは絶対していない日本人の仕業に違いない、といった。使用された新聞紙を広げて写真に撮って突きつけたら、日本人の陰謀だ、と言い張った。撤収する腹が決まり、準備を始めると中国側が待ったをかけ、通訳は、この機械は置いていってやれ、といった。中国側は代金を払うわけでもないのだから断った。中国当局が機械の輸出許可出さない、といい始めた。私は社員と一緒に、主要な部品や金型のすべてを破壊しました。中国側から最終的に引き揚げが完了した2000年まで、あしかけ5年を経ていた。」と中国進出の経験談を語っておられます。
中国専門家の宮崎正弘氏はSAPIO(2008.7.23)で「中国人の95%は素朴で善良な人々だ。その一方で、共産党で出世していく輩というのは、その場その場でウソをついて難を逃れ、逆に他人を陥れて、のし上がってきた人間といえる。中国で共産党といえば、いつどんなときでも100のウソをつけるのが共産党員だ、と言われている。」と記述しておられました。104で日本的思考メカニズムとアングロサクソン的思考メカニズムの違いを記述しましたが、中国的思考メカニズムに関し、四川(Sichuan)出身の元中国人で、今は日本国籍拓殖大学客員教授の石平氏日下公人による共著*3日下公人氏は「本当に中国人と付き合うのであれば、中国人と付き合える人材をつくってから中国にださないといけない。私の友達の大阪商人で、中国的思考法をきちんと教え込まれたのがいるけれど、それは凄いもんですよ。」と、また上述の石平氏は「中国の庶民がみんなそうだとはいいませんが、中国で出世しよう、金を儲けようとすると、そうならざるを得ない。だから、日本からいってビジネスで付き合う相手は、みんなそんな人たちだと思ったほうがいい。中国人と付き合う人材になるためには、まず平気で嘘をつくことを勉強しなければならない。もうひとつは人間には良心があると思うな、です。僕もそこまでできないから日本まで逃げてきたのです。」と述べておられました。
長野を五星紅旗赤旗で埋め尽くした留学生の多くは共産党幹部の子弟や共産党独裁の受益者が殆どでしょうし、ビジネスで相手となる方々も似たようなものです。上述宮崎正弘氏のいう素朴で善良な95%の中国人よりも、平気でウソをつく5%の中国人を相手にせざるを得ない確立が高いといえます。次頁では、共産党が生み出した支配層、あるいは共産党支配の中ではどのように出世していくのか?などを記述してみます。

*1:「日中の興亡」青山繁晴ISBN:9784569694511

*2:「異形の大国 中国」櫻井よしこ ISBN:9784104253081

*3:「中国の崩壊が始まる」 ISBN:9784898315842