青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

135-2/2. 電子部品の内訳で回路部品のC(コンデンサ)

コンデンサの国内生産並びに輸出の両方が、景気波動や一時的な調整はともかく、薄型テレビ、携帯電話、自動車などのセットの生産台数増加に加えて搭載点数の増加で、長期的には伸び続けていくものと予測できます。

電波新聞2008年7月11日付は「コンデンサは、抵抗器、コイル、トランス、といった回路部品の中では月間ベースでの出荷の増減が少なくて安定した伸びを示している。07年度の生産実績は、金額で64.9百億円、数量で7,053億個、このうち輸出されたのが58.8百億円で6,238億個(財務省貿易統計)。07年度国内生産の製品別内訳は、セラミックコンデンサ37.4百億円で6778億個、タンタルコンデンサ4.5百億円で46億個、アルミ電解コンデンサ1.9百億円で202億個、有機フィルムコンデンサが0.7百億円で15億個、金属化有機フィルムコンデンサが2.2百億円で8億個。以下、海外生産について、積層セラミックコンデンサの海外生産では、1005サイズ以上の汎用サイズを量産、あるいは国内生産して現地ではテーピング工程を持ち出荷するという後工程生産を展開する動きもみられる。タンタルコンデンサの海外生産は、マンガン電極品の汎用サイズが中心。アルミ電解コンデンサの海外生産は、高さが5ミリ、7ミリを中心にした汎用サイズ品の海外生産の規模が拡大すると同時に、最近では105度C対応品や大型コンデンサの量産規模も拡大している。フィルムコンデンサの海外生産は、電源用のリードタイプが主体。次世代コンデンサとして進化著しいのが電気二重層キャパシタで、環境と省エネをキーワードに蓄電デバイスとしてUPS複合機電力分野で採用が広がっている。ハイブリッド車を含めた電力・電源分野で浸透していくとみられる。またコンデンサ的働きをするデカップリング部品のブロードライザも実用化が始まった。ノートパソコンでは、数十個の既存コンデンサを1個のブロードライザで置き換えることができた。」と報道していました。
電子基板電子部品を内臓する動きが活発化していますが、三井金属プリント配線板(PWB)に内臓するコンデンサ(キャパシタ)部材を開発し発表しています。電産新報2008年10月6日付は「三井金属は、プリント配線板に内蔵用の超高容量のキャパシタ材料(AEC-1)を開発した。現在製造しているファラドフレックスの次世代品となるもので、容量を5百倍の1uF/cm2に高めたことが特徴。絶縁層であるセラミックス(厚さ0.6um)を、銅電極(2-20um)で挟んだ構造。通常のエッチング工程で両面パターン加工(回路形成)が可能であり、IC用途をはじめ薄型化、高速処理、高機能化が求められる各種製品分野での活用を見込んでいる。IC直下の基板内に埋め込めば、ICとの距離を極限まで短縮可能なため、高速処理を行うICに対してノイズを気にせずに給電可能となる。5年後の実用化を目指す。部品内臓基板では、大日本印刷の先行が伝えられるが、日本シイエムケイをはじめとした各社がこの分野の強化に注力している。」と報道していました。
コンデンサ製造装置に関し電波新聞2008年7月11日付は「アルバックは、ハイブリッドカー太陽光発電などで求められている高耐圧で省スペース・軽量のフィルムコンデンサ一貫製造ラインを販売開始した。ハイブリッドカーコンデンサの仕様は、定格電圧が750V、静電容量1千−2千ファラッド、使用温度範囲は零下55度cから105度C、リップル電流は90Aに達している。ポリプロピレンフィルムの厚みは3um、蒸着速度1分間で1.0キロ(現行の0.6キロメートルから)、蒸着長尺化では100(現行50)キロメートル、製造装置1台当りの工程能力は35トン/台(17トン/台)。フィルムコンデンサの消費量増大を視野に入れた一貫製造ラインは関心を集めている。」と報道していました。