青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

224 若者がシニア資産家になれる好社会

若者が、数十年の蓄積を経てある程度のシニア資産家になっていく「資産形成の健全な世代循環」が必要です。米国中流層がモデルになると思います。・・資本主義と民主主義は「財産権」と「機会の平等」で国民全体を豊かにしてきました。・・しかし1989年の「6.4天安門」と「11.9ベルリンの壁解放」以降に始まった「猛烈なグローバル化」で大変化が起こり始めました。大転換の時期に日本は、政局騒ぎや、民の会社も多くが硬直化したままで転換が遅れ、今現在で「日本は先進国唯一のマイナス成長国」です。・・変化から取り残された日本は没落が続きます。マインドセットのリセットが必要です。まずは個人が生き残りましょう。そしてニッポン復活に向けて民主主義の進化と資本主義のリセットを支えていきましょう。

  先進国唯一でマイナス成長した日本では貧困化が進んでいます。主な稼ぎ手で社会の公器でもある株式会社がもっと富を生み出して適正に分配することが求められます。貧困化日本の若者の未来暗く閉ざす、確実に日本を衰退に追い込んでいく致命傷になります。慶大教授の井出英策氏は「日本母子家庭の貧困率先進国で最悪の1位。母子家庭のお母さんが働く割合も1位。生活保護を使わず働く方が多い。"納税者みんなが受益者" からは程遠い現状。」を指摘しておられますが同感です。

  今日本で起こっていることは格差拡大というよりも貧困化です。他先進国で起こっている格差拡大とは「拡大する富が超富裕層と途上国にばかり集まっていく過度なグローバル化への異議申し立ての深刻化」ですから、日本の貧困化と同じではありません。この違いを分かっていない、お気楽な評論家が多いことを年末年始の番組で知り呆(あき)れてしまいました。

  統計でみても明らかですが、1995年から2016年までの20年間で「日本世界唯一で貧困化してしまった国」です。日本人の勝算*1の著者であるデービッド・アトキンソンさんの「日本の経営者は、優秀な世界4位の日本人を使って、先進国最低の生産性(世界28位)しか生み出せていない」との指摘はその通りです。筆者/青草新吾は、既得権益団体のような自民党守旧派と、稼ぐことを考えない野党の不作為責任も大きいと感じます。一番の問題は国全体の稼ぎ国内総生産(GDP)が過去20年間減り続けて、原状復帰さえもできていないことです。

  日本全体では、会社が稼ぎ出す付加価値300兆円弱大企業中規模・小企業半々で稼ぎ出しています。雇用面では、大企業が3割中規模・小企業で7割を担っています。 日本の就業者数67百万人の内、家族従事者含む自営業者が7百万人で、雇用者(役員と従業員)が60百万人がです。次に給与所得と国民総所得( GNI ) と国内総生産( GDP )の関係をみてみます。

  GNI(国民総所得)は、法人含む日本居住者国内で生み出した付加価値(GDP)と外国からの純所得の合計ですから、日本居住者の年間所得です。GNIは、分配されて、従業員への給与や株主への配当で支払われると民間消費の原資となり、行政に税として支払われて政府消費の原資になります。・・・日本の家計消費支出は、バブル崩壊(1991~1993.10)の雰囲気の中で1993年ピークアウト、後を追って5年後の1998年に会社が支払う給与総額「222.8兆円」でピークアウトして以降は緩やかに減少しました。

  日本は国民総所得が停滞する中で、経営者報酬は増えたのでしょうが、従業員報酬が減少し、中間層からシフトダウンした貧困層拡大しています。日本を衰退させていく貧困化を食い止めて改善していくために、近代社会の原理原則である資本主義自由主義民主主義ついて考えてみます。基本的人権にも関わる問題です。

   資本主義自由主義が生み出すイノベーションと成長は、国民所得を拡大し、国民所得家計(給与)会社(純利益)行政(税金)に分配されます。資本主義と自由主義民主主義との組合せで人々のエネルギーを引き出します。資本主義の象徴アメリカンドリームです。才能や知見と努力は平等ではないが「機会は平等である」という「階層間移動が活発なチャンスに溢れる社会」です。・・・ところが過度のグローバル化が米国を可笑しくしたというのが「 99%運動( ウォール街を占拠せよ ) 」です。米国内の99%の人々を犠牲にして、経済発展の恩恵が1%の超富裕層中国などに偏っているというものです。・・・民主主義とは「自由を制度化したもの」ですので法の下の平等機会の平等など、「身分門閥差別されない」ことが大原則です。

   資本主義は、富を生み出し人々を豊かにすることにおいては優れています。しかし「資本主義には分配する仕組み備わっていない」という現実があります。富を生み出す主な単位である会社のガバナンスと全体の分配を司(つかさど)る政治のガバナンスと、両方のガバナンスが極めて重要です。政策としては、貧困の再生産(世襲化)を防ぐための「子供が選択する高等教育への補助拡充」や、子供の医療サービスへの補填など、「勤労意欲を阻害しない未来のための投資」が必要です。機会の平等を歪めて階層移動を邪魔するような格差は政策で是正していくことが必要です。

  筆者/青草新吾は、バブル崩壊以降の日本の衰退で、世界を識者を驚嘆させた明治・大正・昭和一桁の戦前世代が成し遂げた戦後復興食いつぶされてきた感が否めません。民主主義個人主義未熟さが主な要因とみています。敗戦後のGHQ占領教育とその後の日教組教育強い影響、及び高度成長型雇用システム年功序列悪平等が染みついた戦中・団塊の世代( 1935~1950生まれ ) が中堅層(コアリーダー)トップ層を占めた時期と重なります。自分では何ら付加価値を生み出さず、ただただ他人の仕事の管理だけしかやってないような低迷大企業の中堅層やトップ層が、自分では仕事をした気になって日本を衰退に導いた側面もあるような気がします。バブル崩壊以降、官界でも多くの不祥事が表面化しました。グローバル化で大転換が始まったのに、日本は、内向きな政局騒ぎや、民の会社でも多くが単なる人減らしリストラで時間を浪費した感が拭えません。日本企業の多く硬直化してしまっていました。

  日本行政会社自浄作用が足らないと思えます。・・人間がやることに完璧などありませんから、ISOなどで継続的改善PDCA、最近のOODAなどで仕組みを作るのですが、日本国内を見渡すと、司法メディアが最も取り残された遅れた部門のような気がしてなりません。・・年末から頻繁に流されるゴーン・日産元会長国外逃亡の報道にも、民主主義の未熟さ国際性の欠如が目立ちます。

  司法ムラの方々無謬性(むびゅうせい)が垣間見えて気になります。無実の方々を苦しめる冤罪現実に起きているのにバージョンアップと説明の努力が足りてません。・・今回のゴーン事件でも、法務大臣や検察出身者が「ゴーン氏は無実である証拠をだせ」などと平気な顔で言います。しかし検察が「有罪の証拠を示す」ことが先でないでしょうか?検察のリークにメディアが悪乗りして、冤罪が作られてきた事実をどう考えているのでしょうか?

   2004年に表面化した厚労省郵政不正事件冤罪事件で、当時の厚労省企画課長だった村木厚子さんは、いきなり逮捕されて独房に監禁され、454日後の大阪地方裁判所の無罪判決までは罪人扱いをされました。その村木さんが解放後に「密室での取り調べは問題です。無理な取り調べ自白の強要で、私の事件でも二人に一人が、事実と違う調書にサインさせられました。無理な取り調べによる冤罪がなくなることを願います。」と メッセージを発しておられます。・・・1994.6の松本サリン事件河野義行さんが受けた冤罪も酷いものでした。長野警察が流すリーク情報に乗ったメディア各社も一斉に尾ひれをつけた報道繰り返しましたが、最後は長野県警の「河野さんは事件への関与はない」と手のひら返しの発表と、メディア各社河野さんへの謝罪で終わりました。この事件とて、途中でオウムのサリン事件が出てきたから河野さんへの冤罪が晴れていったようなもので、もしあの事件なかりせばと考えてしまいます。

       外国人トップが当事者会社法事件としては、今回のゴーン事件は、前回のオリンパス事件の逆パターンです。英国人社長( ウッドフォード氏 )が往年の巨額不正に気付いて旧経営陣の不正を正しく会計処理しようとしたところで、実力会長と他取締役取締役会で解任された事件です。雑誌FACTAの調査報道2011.7がきっかけでしたが、他先進国では日本の株式会社の閉鎖性と重ねてよく知られた事件です。

  日産の取締役任務懈怠(けたい)だと感じます。オリンパス事件と同様の内紛ですから、まずは取締役会で決着すべき内容です。安倍総理が「日産内部で解決して欲しかった」とつぶやいた気持ちが分かるような気がします。・・・会社法に従えば、取締役代表取締役の専横防止する義務もあるし、取締役相互に職務執行を監督する義務もあります。会社法が定める解任手続きをすっ飛ばして、検察を巻き込んだクーデターで追い出した上に、追い出した後企業価値を維持する使命感も伝わってきません。株価も1/2に減じました。

   筆者/青草新吾は日産の株主です。日産経営者無責任ぶりに呆れています。グローバル企業世界が監視する対象です。今の日産はあまりにも内向き過ぎます。報道も広告スポンサーの日産には触れないで、検察リークの垂れ流しのような報道ばかりが目立ちます。日産には世界からの信頼回復企業価値復活を期待します。

   令和でニッポンが民主主義個人主義をバージョンアップして、資本主義を進化させ、元気な会社が増え、産業の新陳代謝も進み、政界官界司法はもっと自浄能力を高め、若者にとって未来が楽しみな、世界中から若者が集まってくる国になりますよう。令和二年吉日。

 

*1:ISBN:9784492396499 「2020年 日本はこうなる」