青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

2007-9-8 97-1/3 小型二次電池 / ニカド・ニッケル水素・リチウムイオン

充放電ができる小型2次電池は1960年代のニカド電池で普及し、1990年代のニッケル水素電池で需要が飛躍的に高まり、続くリチウムイオン電池で更に加速され、2000年以降は、大型2次電池の分野でも高性能化への需要が高まっています。

人類最古の2次電池は、西暦元年頃のバグダッド電池らしいのですが、近代では1800年頃の蛙から電流を取り出したボルタ電池あたりから記録が残っているらしく、乾電池(1次電池)も鉛蓄電池(2次電池)もこの時代に発明されたものです。鉛蓄電池は潜水艦や自動車用の大型蓄電池で需要が拡大しました。産業機器に組み込まれる大型に対し、乾電池はハンディに持ち運べる民生機器が市場でした。この乾電池の需要分野で、小型2次電池の需要創造で先鞭をつけたのが、三洋電機が1963年に市場投入したカドニカなる商品名のニカド電池でした。正極ニッケル酸化物負極カドミニウム化合物を使用し、電解液にアルカリ溶液を用いたアルカリ蓄電池です。より軽くより高機能な機器の需要が高まり続け、ニカド電池をより高容量化してより大きな電気エネルギーを蓄電するために負極水素吸蔵合金に切り替えたニッケル水素電池が開発されました。松下電池三洋電機が1990年に市場投入しました。このニッケル水素電池によって携帯機器の小型化・高性能化が飛躍的に進みました。携帯機器用の小型電池に加えて、自動車用の分野でも大型のニッケル水素電池を搭載した100で前述のトヨタプリウス/ハイブリッド車が市場投入されました。
小型2次電池では105で前述のリチウムイオン電池が1995年頃から急増し、生産金額では1996-97年頃にニッケル水素電池と逆転し、生産数量でも数年後には逆転しました。ここまでは大手電池メーカーの話ですが、ベンチャーや異業種参入の新潮流について下述します。