青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

顧客関連プロセス

生産財取引では、例えば鉄鋼製品の事例であれば、コイルセンターに代表される加工流通企業の流通加工と、プレス外注先に代表される外注加工の両方が、商流と物流に関与することで製造プロセス全体の生産性を高まるとともに、複雑な営業プロセスと顧客関連プロセスが形成されます。

マテリアル系生産財の取引では「1次契約はA社と、販売と代金回収はB社と2次契約で、納入はC社に・・・」はよくあることです。生産財マーケティングの特徴のもう一つが「派生需要の連鎖による顧客の階層性」にあります。 マテリアル系生産財の製造企業と…

2006-07-06 1/4 購買センター概念( ゲートキーパー・影響者・決定者・購買者・使用者)

生産財マーケティングでは、顧客の組織的購買に対応しての複雑な営業プロセスと顧客関連のプロセスが形成されます。 現場の営業マネジメントでは、生産財マーケティングの購買センター概念が役に立ちます。生産財営業ではセールスのチャネルで主たるマーケテ…

中間財の電子基板の世界シェアは3割ぐらいですが、マテリアル系生産財の銅箔は世界シェア7割を獲得しています。川下のセットから川上の素材に遡るほど日系企業の世界シェアが高くなる[最終製品>中間財>マテリアル系生産財]の傾向は電子基板でも同様です。

前述の銅張積層板(CCL)の製造にマテリアル系生産財の電解銅箔を供給する主な日系サプライヤーは、三井金属鉱業、日鉱金属電子材料カンパニー、古河電工(古河サーキットフォイル)、福田金属箔粉工業、日本電解、です。各社ともに高級品のウエイトを高めてい…

前述の電子基板に関し、リジッドの樹脂基板の製造企業に銅張積層板(CCL)を供給する主な日系サプライヤーは、松下電工(郡山松下電工)、日立化成と新神戸電機、住友ベークライト、三菱ガス化学、利昌工業、です。

近年、台湾や韓国の企業が大量生産で参入し、且つ在来製品の汎用化が進んでいるため、日本企業は難易度が高い高付加価値製品に重点を移しています。例えば新神戸電機は車載用基板向けシールド板、日立化成はモバイル機器向けでリジッド基盤とフレキシブル基…

中間財の電子基板の国内生産に関し、75%がリジッド基板で、5%の金属基板やセラミックス基板を除く残りの70%が樹脂基板です。樹脂基板とは、樹脂基材の銅張積層板(CCL)を加工して製造されたものです。

JPCAの統計では、電子回路基板の製造企業として178社が登録されています。この中でリジッドな樹脂基板を製造しているのは、イビデン、日本CMK、日立化成工業、メイコー、パナソニックエレクトロニックデバイス、大昌電子、エルナーなどです。 時代性と…

営業プロセスの生産性向上に関し、日本でもセールスレップ(販売代行で[顧客関連のプロセス]を生業とする独立自営の営業プロ)の活躍の場が増える兆しがでてきています。

セールスレップ協同組合*1の定義。 セールスレップとは、「メーカーに代わって、メーカーの商品の販売を代行するセールスパーソン」のことです。メーカーの社員ではなく独立自営のセールスパーソンであり、メーカーとの契約に基づいて商品を販売します。 *1:…

耐久生産財やMRO間接生産財である迅速自動検査装置の営業プロセスに関し、営業とはセールスとマーケティングの両方を統合する概念ですが、本記事のように従来は存在しなかった新コンセプトの商品を市場投入する場合、市場創造戦略が主となります。

市場創造戦略では、商品属性の新コンセプトの認知と顧客の両方を獲得していく活動が柱となります。営業化(事業化)まではマーケティングが主であり、営業化(事業化)以降は、顧客獲得のための販売が主で顧客関連プロセスの構築が主となります。営業化(事…

営業プロセスに関し、シリコンウエハーの輸出で大手商社が果たしている役割は、顧客関連のプロセスと営業業務プロセスに大別できます。顧客関連のプロセスでは、主にコミュニケーションと契約実務の機能ですが、供給者であるシリコンウエハーメーカーも含めた営業プロセス全体としては、与信と代金回収や、為替管理、国際搬送、などの営業業務も重要な機能です。

与信と代金回収及び国際搬送について「電子材料王国ニッポンの逆襲」の中にも以下の記述があります。 シリコンウエハーの供給については、三菱商事、住友商事、三井物産といった大手総合商社が徹底的に関与している。(中略)支払いリスクの回避に対する保証…

日本のシリコンウエハーメーカーが世界シェアを高めたのは、米国・台湾・韓国の半導体デバイスメーカーが日本製ウエハーの購入比率を高めたからです。日系メーカーがQCDSに集約できる生産財営業の競争力と顧客満足度を改善できたからですが、このQCDSのSの部分では、大手商社の海外ネットワークが大きな貢献をしているようです。

2006-05-20で触れた半導体30年の泉谷渉氏が5月に出版された著書の中に以下の記述があります。 以下「電子材料王国日本の逆襲」*1 三菱商事にあって、電子材料分野の統括マネージャーの任にある川上秀文氏は、商社を取り巻く事情について次のように語る。…

シリコンウエハーは、川上から流れを追うと、原料から多結晶シリコンのインゴットが製造され、この多結晶インゴットから単結晶シリコンのインゴットが製造されます。単結晶のインゴットをスライスしたウエハーにエピ加工などのマテリアル系のノウハウを駆使した調整加工を加えて半導体デバイスメーカーに供給されます。これに太陽電池による太陽光発電向けの需要が加わったのですが、ソーラー発電向けは、多結晶シリコンも単結晶シリコンも両方が使われています。

シリコンに関し、経営者やビジネスパーソン向けには以下の懇切丁寧ブログがお薦めです。 http://blogs.yahoo.co.jp/camonohasi555/33244681.html 東邦チタニウム『応援ブログ』」 シリコンものづくりの担い手は、川下から遡ると、単結晶製品で信越化学(信越…

日本国の産業別の世界シェアは、耐久消費財<中間財<マテリアル系生産財と川上に近づくほど高くなっていきます。営業プロセスの主要部分である顧客関連のプロセスを理解する上でも、また海外展開を考える上でも、このことは大きな意味を持ちます。

携帯電話機に代表される情報通信機器の事例で、日系企業の世界シェアは3割弱ですが、中間生産財(中間財)の部品やデバイスとなると6−7割、マテリアル系生産財の素材ではもっと高くなると推察できます。2006-05-06で触れた四日市のプレス金型の製造企業で…

自動車やエレクトロニクスの分野で多用される銅製品の顧客関連のプロセスに関し、海外から輸入した銅原料(銅鉱石・銅精鉱・粗銅)を精錬する買鉱精錬で製造されるのが電気銅(銅地金)で銅の1次製品です。非鉄精錬企業が買鉱精錬で銅地金を製造しています。日鉱金属、三井金属、同和鉱業、三菱マテリアル、住友金属鉱山の5社です。非鉄精錬企業が製造する銅地金は、電線や伸銅品といった2次製品の製造企業に供給されています。

並行して松下電器の国際商事本部(旧松下電器貿易)や総合商社・専門商社による銅地金の輸入販売も行われています。1次製品の銅地金を調達して2次製品の伸銅品を製造販売する主なプレーヤー企業は、神戸製鋼所、日立電線、古河電工、三宝伸銅、三菱伸銅、…

生産財では「主たるマーケティングはセールス活動のチャネルで行う」のが普通だし理に適ってます。反対に消費財の顧客関連プロセスでは、セールスはマーケティング4P概念の下位概念として位置づけられます。消費財大企業のマスマーケティングではこれも理に適っています。マーケティングの概念そのものは大切ですが、企業存続の生命線の一つである顧客関連プロセスにおいては「生産財と消費財では大きな相違」があります。セールスパーソンに求められる能力要件やスキルにも違いが出てきます。

米国から翻訳なしで持ち込まれたマーケティングで、日本語が混乱したり、経営用語が混乱したりしています。マーケティング学者やカタカナコンサルタントの責任は軽くはないと思います。マーケティングは、米国式の販売慣習や手法をベースにマネジメントの概…

自動車部品製造企業の調達プロセスでは多くの流通商社の起用がみられます。これは調達プロセスの機能補完が目的とみられます。反対に供給側のマテリアル系生産財の販売プロセスでも「流通商社起用による機能補完」がみられます。これは測定機器などの耐久生産財の販売プロセスでも同様です。

マテリアル系生産財の供給者企業の多くは直系の販売子会社を持っています。例えば流通規模が大きな鉄鋼製品だとJFE商事、神鋼商事、日鉄商事、神鋼商事、住金物産などです。あるいはこれら直系の販売子会社とは別に代理店網もあり、例えば総合商社系のメ…

30千の単体部品が1千ほどの機能部品に集約される自動車部品製造のプロセスには様々な支援プロセスが形成されています。

東海地区の自動車産業では、累積進化してきた「独特の取引システム」に基づく取引基準と、2006-4-23で前述のプレス外注など、ものづくり基盤技術による工程分業である「調整加工の支援プロセス」があります。2006-04-09で前述したカテゴリー[関係性コンピタ…

生産財営業のもうひとつの主要キーワードである関係性で、経営資源のベクトルを示す関係性コンピタンス戦略については、両極モデル(顧客適応戦略・標準化戦略)が優れたモデルだと思います。経営の現実検討の上で優れものの思考ツールだと考えます。

経営資源に恵まれているはずの大企業は「何もしなくて衰退する」が、逆に経営資源に乏しい中堅中小企業は「あれこれやりすぎて破綻する」・・・は数々の事例で証明されています。この「関係性コンピタンス戦略」がない企業は、限りがある自社組織の経営資源…

購買センター概念。生産財マーケティングの優れもの分析ツール。

購買センター概念。 生産財営業の主要キーワードである組織性を調達プロセスとしてみた組織的購買については「購買センター」概念が非常に役立ちます。現場の営業組織に照らしても妥当性と有効性がとびきり高い優れものの分析ツールです。「購買センター概念…

生産財分野は、バリューチェーンとかサプライチェーンと翻訳される多軸ケーブルのような[取引関係]の中で、セールスもマーケティングも行われます。顧客側からのCS指標がQCDS[Quality・Cost・Delivery・Service]です。マーケティングとセールスの分離が明確で、マーケティング主体の消費財分野との違いがここにあります。

生産財営業の特徴を際立たせるキーワードは、組織的購買と組織営業が織り成すことで複雑なプロセスが形成される「組織性」と、自社の強みを更に強くするコンピタンス戦略に基づく「関係性」であり、ここから派生する特定顧客への依存・地理的分布の偏り・個…

生産財営業はセールスとマーケティングの両方を包含する上位概念です。 顧客満足の実現に向けてPDCAを回していくためには、顧客からみた顧客価値を示す指標なり概念が必要です。生産財営業ではQuality・Cost・Delivery・ServiceのQCDSに顧客価値を集約できます。消費財分野の4Pとの違いがここにあります。

消費財分野でよく使われるProduct・Price・Promotion・Placeの4Pは供給者の視点なので、顧客側の視点に置き換えた様々な代用指標が使われます。例えばテレビ局であれば視聴率のような代用指標です。消費財分野では、マスの消費者が相手ですから、どうして…

マテリアル系生産財の「営業プロセス]には、生産財営業が多重的に投影されるので生産財営業の特徴が凝縮されています。

このマテリアル系生産財の営業プロセスを観察することで生産財営業の特徴を抽出していきたいと考えます。[消費財の4P]と[生産財のQCDS]、消費財の嗜好選考と生産財のコストパフォーマンス選考、選択的選考と育成的選考・・・・等々です。

消費財であるPDPテレビは、中間生産財(中間財)であるPDPパネル・PDPドライバーモジュール・給電や制御の回路モジュール・シャシーパネル(アルミ製品)・バックパネル(鋼板製品)・・・等々、を組み立てたものです。

中間財のキーデバイスである[PDPパネル]の製造は、東レとの合弁会社である[松下プラズマディスプレー]が生産を担当していますが、松下プラズマディスプレー社に対して高品質の[硝子基板]や[電磁波シールドフィルム][表面フィルム]などのマテリア…

良い電子部品は良い材料から(よい中間生産財は良いマテリアル系生産財から)。

電波新聞3月31日付の報道によると、3月30日に京都で行われた村田製作所創業者・故村田昭氏(2月3日逝去84歳)の「お別れの会」で京都商工会議所会頭の村田純一「村田機械」会長が述べられた弔辞「独自の製品づくり、良い電子機器は良い電子部品か…

松下電器の生産財営業に関して、03年度の産経新聞では、インダストリー営業本部の海外通信デバイス営業総括部で戸沢美香子リーダー率いる営業推進チームが、ノキア向け営業プロセスの関係構築と継続的改善を進めているトピックスが紹介されてました。

同チームは、マイクロホン、モータなどの電子部品の供給で、ノキア向けの販売を30億円から500億円にまで拡大したこと、ノキア米国工場からベストサプライヤーとして表彰されたこと、が紹介されていました。 松下電器は「中国で売上高1兆円を実現」を目…

ISO9001の2000年版では顧客関連プロセスが規格の要求事項になりました。

ISO9001は顧客満足を実現するための経営ツールなのだから顧客関連プロセスを重視するのは当然なのですが、もの作りで世界をリードする多くの日本企業が抱えるボトルネックが実はここにあり、多くの企業がトップダウンの改善改革に乗り出しています。…

購買センターと顧客関連プロセスで京セラと村田製作所、起業当時の生産財営業。

生産財営業の組織的購買の概念である購買センター概念と顧客関連プロセスで示唆に富むのは、和食の匠が素材を活かす達人であるのと同様に、精密無機というマテリアルを深堀したノウハウに裏付けられた独自能力を武器にして、「購買センターのキーマンの賛同…

京都企業の起業後の離陸期の叢話は生産財営業の顧客関連プロセスと組織能力の良き参考モデルを提供してくれています。特に生産財関連のベンチャー・中小企業ではこのモデルの有効性が高いと考えます。

京都企業は、中間生産財系の京セラ・村田製作所・日本電産・ローム・オムロン・ニチコン・進工業・京セミなど、マテリアル系生産財では福田金属箔粉・サンコール・ニチダイ・日本アルミナ加工・最上インクス・山本精工など、耐久生産財でも島津製作所・村田…

摺り合わせの連鎖

電機電子の消費財分野では、70年代から海外生産の加速が続きました。携帯電話端末も普及の初期段階では日本メーカーが世界市場で一世風靡した時代もありましたが、今は海外勢が席巻しています。ブランドではノキア・モトローラ・サムスンなどが席巻し、日…

マテリアル系営業でみられる摺り合わせ

日本のモノ作りの強さは摺り合わせとも言われます。そしてそれは生産財取引における摺り合わせを説明しているのですが、日本では[[マテリアル系営業]]の段階から活発な摺り合わせが行われることも多く、様々な調製(セミカスタマイズなど)や工夫が施される…