マテリアル系生産財
産業用電線とは、ビルや工場、住宅向けで、直需で紐付きの電設ルートと、店売りを行う電線問屋や電設問屋向けの市販ルートがあります。店売りの市販ルートでは与信判断が重視されています。 機器用電線は主に直需の紐付きで、大手電機メーカーとその系列会社…
2006年暦年の出荷は銅電線が871千トン、アルミ電線が27千トンです。銅電線871千トンの部門別内訳は、建設・電線販売業385千トン、電機208千トン、自動車88千トン、電力74千トン、通信18千トン、その他62千トン、輸出32千トン、以上合計で871千トンです。アル…
巻線業界の合従連衡は59で前述の通りです。需要面でも電機分野向け機器用電線と自動車分野向けワイヤーハーネスに軸足が移り、インフラ分野の電力や通信向けのウエイトが低下しました。 日刊産業新聞2007年1月26日付は電線工業会の会長人事に関連して、これ…
日本アルミニウム協会の発表によると、日本のアルミニウム圧延製品の06年度需要は2360千トンで、板類が57%の1340千トンで3割強がアルミ缶、1割強がアルミ箔、押出類が43%の1019千トンで6割がドア・サッシ向けです。 軽金属製品(アルミ圧延製品)の加工流通で…
日刊産業新聞2007年1月26日付によると、2006年暦年の伸銅品生産量は1.05百万トンで、過去10年では97年(1.19百万トン)、00年(1.16百万トン)、99年(1.06百万トン)に次いで4番目に高い実績です。対前年比は、品種別の需要で1位の銅条が251千トンで106.4%、2位の…
日刊産業新聞2007年1月12付けで、伸銅品では日本伸銅品問屋組合連合会の曽束会長が「製品単価の値上がりは売掛金の増加につながるため2006年は取引先の与信不安と与信判断に気を配った1年でもあった。四都(東京・名古屋・京都・大阪)の組合ともに充実してい…
前述76の1次製品の地金(金属塊)を加工して製造される2次製品は電線、伸銅品、アルミ圧延製品と、地金を溶解して成型する鋳造・ダイカスト製品などです。非鉄金属業界の製造業が株価欄の非鉄金属欄に記載されていますが、住友金属鉱山や三井金属などの鉱山製…
15で前述の通り、ベースメタルとは生産量が多い鉄・アルミ・銅・鉛・亜鉛の5金属です。鉄を除きニッケルを加えた非鉄5金属は、非鉄製錬メーカーが原料から金属元素を抽出する製錬と精錬を経て製造する1次製品の地金(金属塊) が流通しています。 日本の産業構…
川上の原料(鉱石・中間原料)の生産財流通と商社の機能に関し、レアメタル原料は多様な専門性が必要な上に小規模取引の集積なので専門商社が活躍しています。大手の総合商社が活躍するコモディティのベースメタル原料の大規模取引とは対照的な世界のようです…
住友金属鉱山の福島社長は産経新聞2007年1月17日付で「市況高騰は、中国の急速な経済成長が背景にある。銅やニッケルなどは、中国が国内であまり採れないために世界各地から買い集めている。投機資金も流れ込んだ。非鉄は電線、自動車、電子機器などに使われ…
製造業の国際競争力に関し、日本が突出しているのは、電子材料とか部材とも表現されることが多いマテリアル系生産財の領域です。 天然資源から元素を抽出したり合成したマテリアルを下地材料にして、更に様々なノウハウを組み込んで高機能化した従来でいえば…
半導体産業新聞2006年11月1日付けで東レに関し「同社の中期課題IT-2010によれば、情報通信や自動車向け先端材料を伸ばし、2010年度に売上の半分、営業利益の75%までに構成比を引き上げる。創業80年を経て最先端マテリアルカンパニーとして生まれ変わっていく…
薄型テレビ向けでPDPパネルを製造しているのは、独走態勢の松下電器とこれを追う韓国Samusung SDI(三星電管)と韓国LG、日本のFHPとパイオニアです。台湾のFORMOSA(台朔光電)とCPT(中華映管)は事業展開を中止しました。 薄型テレビ向けの液晶パネルでは、…
PDPパネルの生産では日本勢の勢いがみられます。韓国と台湾が世界シェアを二分する液晶パネルとは様相が異なります。富士フィルムの熊本工場建設は前述の通りですが、PHPパネルの生産に関して、パイオニアが出水市の鹿児島工場で、富士通日立プラズマディス…
巻線業界の合従連衡では、住友電工と第一電工の巻き線事業が統合された住友電工ウィンテック、昭和電線電纜とフジクラの巻線事業が統合されたユニマック、日立電線の巻線事業を集約した日立マグネットワイヤ・・等々が登場しました。
例えばこれら4社は電子基板のフレキシブル配線板(FPC)やテープ基板の売上高が伸びており、2006年3月期の売上実績で、住友電工が518億円、フジクラが896億円、日立電線が225億円を計上、古河電工もテープ基板で新商品を発表しています。
接着材を介して銅箔と基材を張り合わせる3層積層板(CCL)では、TABテープの三井金属や新藤電子工業に加えて信越化学や京セラケミカル、が展開しています。 信越化学はJPCA2006で3μの極薄銅箔を採用したオールポリイミド両面銅張積層板の開発品を出展していま…
TAB/COFテープで首位の三井金属は、2005年10月の「大牟田工場増設」の発表で「既存の下関工場とあわせ月産3億2千万個まで可能な態勢と致します。・・・中略・・・液晶テレビとPDPテレビ等の薄型テレビ向けの需要増加は中期的に年間2桁以上の成長率が見込まれ…
薄型パネルの駆動回路で使われるテープ基板の絶縁基材として使われるポリイミドフィルムに関し、宇部興産の供給能力拡大が発表されています。半導体産業新聞2006年8月26日付で「宇部興産の供給能力が今年10月に完成する第9期増設で年間3千1百万平方メートル…
前述のFPD製造装置と半導体製造装置を合計した日本製の販売高は2005年度で2兆4百億円と巨大です。別の機会に整理したいと考えていますが、マテリアル生産財でステンレスやアルミ厚板、合成石英、特殊炭素、中間財でスイッチ、モーターやポンプ、制御基板や制…
マテリアル系生産財の電子材料で、日本の製造企業は、日本企業に加えて韓国のサムスンやLGあるいは台湾のパネルメーカーへのバリューチェーンとサプライチェーンにも参画することで、世界シェアの6-7割を維持しています。
電子材料全体の産業規模は、今現在の8-10兆円から2010年頃に少なくとも2倍の20兆円であれば、2015年頃には多分で3倍の30兆円へと拡大します。産業の規模で30兆円というのは「今現在の半導体産業と同等の規模になる」ということです。 電子材料全体の需要規…
薄型テレビの需要予測と電子材料への産業連関に関し、2006年7月26日に松下電器第1四半期の発表会席上の川上副社長の説明が判り易くて参考になります。 1.世界需要の見通し 松下では2006年度のテレビの世界需要を1億6千万台程度(うちプラズマは1千万台、液…
テープ積層板で首位の三井金属はラミネート方式、キャスト方式、めっき方式とフルラインアップで対抗しています。TAB主力の新藤電子、日立電線は、銅箔と基材の熱圧着・高温接合やめっき法で2層TABを市場投入しています。 2層CCLで検索すると、ヒットした記…
2層CCLの製造方法は、以下の3方式があります。 溶かしたポリイミド樹脂を銅箔に塗布して2層構造をつくるキャスト方式、 ポリイミドフィルムにスパッタをした上にめっきで導電層を形成するスパッタ・めっき方式、 ポリイミドワニスを使うラミネート方式。
三井金属のホームページ。TAB/COFテープで世界シェア5−6割。 次世代COF用テープ基板の開発。 http://www.mitsui-kinzoku.co.jp/jinji/shigoto/cof.html
泉谷渉氏*1の表現する「100年企業」が、気長に辛抱強く在来型のマテリアル生産財をマテリアル系の技術で進化させてきたマテリアル系生産財で抜群の国際競争力を生み出している点で、日本の産業競争力を象徴する分野の一つといえます。中間財の液晶パネルの規…
半導体産業新聞8月2日付ではFPCで世界トップのNOKの製品開発に関し「日本メクトロンが液晶ポリマーを採用した両面フレキシブル配線板(FPC)を開発した・・中略・・特に10GHz以上の高周波信号で、その特性をいかせる。」として以下のように報道されています。 …
電解銅箔では、数十万回折り曲げても切れにくい高級品が開発され、採用が増えています。電解銅箔で世界トップの三井金属は、このFPC向けの供給を増やすために、上尾工場の休止設備を再開し、07年度に生産能力を8割増やすと発表しています。同社の商品名DF…
銅箔とフィルム基材の接着強度を高めるために蒸着による粗化処理などの表面改質を施された圧延銅箔の供給は、日鉱金属や福田金属箔粉といった老舗企業に加えて、2001年設立のマイクロハード*1が6μ極薄圧延銅箔の量産技術で参入しました。圧延銅箔ということ…