青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

2007-01-01から1年間の記事一覧

102-3/4 非シリコン太陽電池で薄膜化合物(CIS)

シリコンを使わない非シリコン太陽電池では薄膜化合物(CIS)太陽電池も立ち上がり始めました。 CIS太陽電池とは、銅(Cu)、インジウム(In)、セレン(Se)を基本元素とした薄膜多結晶の化合物半導体を用いた太陽電池です。多くの場合はガリウム(Ga)を添加するので…

102-2/4 再生可能エネルギーで太陽光発電

自然の摂理の中の人類の営みによる資源価格高騰で、再生可能エネルギー、とりわけ太陽電池の発電コストが経済性に見合うものへと近づきつつあります。 太陽光発電システムの総合効率と原価低減の両方で急激な改善が進んでいます。半導体産業新聞2007年10月10…

102-1/4 太陽光エネルギーと地球46億年史

太陽電池の普及に関し「ソーラー産業は、70年代の半導体ビジネスとそっくりだ」(フォーブス日本版)に筆者/青草新吾は同感です。 同誌2007年11月号が太陽電池の特集でアプライド・マテリアルズ社のCEO/スプリンター氏の弁を紹介していました。同氏は、インテ…

101-3/3 球状シリコン太陽電池で京都クリーンベンチャー21

球状シリコンの太陽電池では、京都のクリーンベンチャー21(CV21)が次月2007年10月に国内初の量産立ち上げに踏み切るそうです。 球状シリコンが優れているのは1)省資源でバルクシリコンのような切り代(カーフロス)が発生しない、2)省エネで製造に要するエネル…

101-2/3 太陽電池で省シリコンと非シリコン

太陽電池向け需要の急増によるシリコンウエハーの供給逼迫から、省シリコンを実現する薄膜シリコンや球状シリコンの太陽電池、及びCIS太陽電池への期待が高まります。 シリコン消費量に関し、薄膜シリコンは多結晶の1/100の、球状シリコンで多結晶の1/5ぐら…

101-1/3 ガンジー主義とミャンマー

仏教国ミャンマーで武力行使も辞さない政府軍を前に粛々と続けられるデモ行進の映像は、ヒンズー国印度で50-60年前まで展開されたガンジー主義(不服従・非暴力・無抵抗)と重なります。 素手で立ち向かう群衆を見て、自らの命を捨ててでも独立を勝ち取るため…

100-3/3 独連邦や中国の太陽光発電システムメーカー

太陽電池では上述の独Q-Cellや中国のサンテックなど、成長分野では、グローバルな資金調達と一気呵成の急峻な生産拡大で世界企業になる若い企業がよく出てきます。 太陽電池の供給では、シャープ以下の日本勢が上位を独占してきましたが、海外の新興企業の伸…

100-2/3 急拡大する世界の太陽光発電システム

太陽電池の発電容量(設備容量)では、ドイツが2005年に日本を抜いて世界最大の太陽光発電国となりました。太陽電池の供給では、首位のシャープが世界最大の工場建設を発表し、世界2位の独Q-Cellsが日本に進出しました。 自然エネルギーの太陽光への夢が膨らみ…

100-1/3 太陽電池(PV)の多様化 有機系や薄膜化合物

太陽電池(PV)は2000年以降は需要急増が続いていますが、更に多様化でシリコンを使わない薄膜化合物の生産も立ち上がり、有機系太陽電池の量産も足音が聞こえ始めています。 生産財営業の標的は派生需要であり、太陽電池の派生需要は部材や設備です。生産財マ…

99-3/3 発電デバイスで燃料電池(FC) 住宅用

燃料電池(FC)の大型では、コージェネ用の実用化・製品開発が加速しています。 コージェネに関し、102で産業用あるいは家庭用で東京ガスや松下電器の商品開発を前述しましたが、コージェネ用燃料電池では京セラの新規参入について電波新聞2007年2月7日付が「…

99-2/3 携帯端末用燃料電池

携帯電話などのモバイル機器の電源に関し、燃料電池の足音が聞こえ始めています。 携帯機器の小型電池に関し105でニカド電池からニッケル水素電池を経てリチウムイオン電池へとより高いエネルギー密度を求めての電源シフトを記述しましたが、今はリチウムイ…

99-1/3 発電デバイスで太陽電池と燃料電池

発電デバイスに関し、太陽電池は2000年以降に年率140-150%の勢いで需要急増が続いており、燃料電池も徐々に商業生産が拡大する段階に入りつつあります。 燃料電池は小型よりも大型の実用化が先行し、SOFC(固体酸化物型)が産業用コージェネで、PEFC(固体高分…

98-3/3 省エネ・蓄電デバイス

製造工場における瞬時電圧低下(瞬低)と停電のリスクに関し、例えば半導体・液晶工場では瞬低1回の発生で1千万円以上の年間被害額が発生するといわれているそうです。 102と103で前述のUPS(無停電電源装置)と瞬低装置に関し、半導体産業新聞2007年7月11日付…

98-2/3 蓄電デバイスで電気二重層キャパシタ

電気二重層キャパシタは、2次電池とアルミ電解コンデンサーの間に位置するといえ、車載向けなど大型の開発と実用化に加速度がついてきました。 電気二重層キャパシタ(コンデンサ)は、小型では既にメモリーのバックアップ電源として電話機や無線機、AV機器な…

98-1/3 大容量キャパシタ

リチウム電池、キャパシタ、太陽電池などエネルギーデバイスの分野では、新旧渾然一体のダイナミックな協業と躍動、止揚がみられます。 前頁106でパワー用の大型リチウムイオン電池でベンチャー/エナックスと小沢代表に触れましたが、パワー用の大容量キャパ…

2007-9-8 97-3/3 リチウムイオン電池の進化

リチウムイオン電池の進化は続きます。電極の活物質や電解質の研究も進んでいます。 上述の村田製作所が開発し出展した電子部品用のチップ2次電池に関しレアメタル・ニュース2007年4月16日付は「セラミック製の固体電解質を使用した2次電池は世界初。このチ…

2007-9-8 97-2/3 リチウムイオンでマンガン系

蓄電デバイスのリチウムイオン電池では、ソニー出身の小沢和典代表が起業したエナックスとマンガン系リチウムイオン電池の風が吹いています。 正極にマンガン系化合物を用いた大型リチウムイオン電池の供給に関し、105で日立ビークルエナジー(新神戸電機)が…

2007-9-8 97-1/3 小型二次電池 / ニカド・ニッケル水素・リチウムイオン

充放電ができる小型2次電池は1960年代のニカド電池で普及し、1990年代のニッケル水素電池で需要が飛躍的に高まり、続くリチウムイオン電池で更に加速され、2000年以降は、大型2次電池の分野でも高性能化への需要が高まっています。 人類最古の2次電池は、西…

96-3/3 リチウムイオン電池で車載用大型

リチウムイオン電池の車載用大型電池では自動車メーカーも加わった製造合弁の展開も進みます。 1997年のプリウスの市場投入とEVに関し100で前述しましたが、トヨタは量産開始に向けて1996年12月に松下電池との合弁でパナソニックEVエナジー(PEV)を設立しEV用…

96-2/3 リチウムイオン電池の事故と回収

顧客要求事項への対応と品質保証のバランスに関し、リチウムイオン電池で起きた昨年来の事故と回収は派生需要の生産財営業の難しさが凝縮されています。 ソニーのリチウムイオン電池の回収に関し、東京工業大学大学院の准教授/山田淳夫氏はElctronic Journal…

96-1/3 蓄電デバイスのリチウムイオン電池

リチウムイオン電池はエネルギー密度が高いだけに安全コストが嵩む電池ですが、利点が大きいので需要が増え続けています。 筆者/青草新吾は1996年3月に当時のソニー電池研究所の所長/西美緒氏の講演をマイアミの国際会議で拝聴したことがありますが「安全性…

95-3/3 パワーデバイス部材でSiC基板

パワーデバイスの基板材料では炭化シリコン(SiC)のウエハーへの期待が高まっています。 SiC単結晶基板を用いた製品開発に関し、米クリー社が日本インターに基板を供給し、日本インターがSiCを用いたSBD(ショットキー・バリア・ダイオード)の製造販売を開始す…

95-2/3 パワー半導体の効率改善で素材とデバイス構造 

省エネデバイスの効率の多くを担うパワー半導体の効率改善では、マテリアル系の素材とデバイス構造の両面作戦で進められています。 パワーモジュール向け絶縁基板の供給では、トクヤマとDOWAが協業を進めています、両社が2007年2月に合弁で設立したTDパワー…

95-1/3 電子材料の産業規模

電子材料の産業規模に関し、日本メーカーの上位30社だけで売上高合計が7兆179億円ということですから、政府機械統計で8.3兆円の自動車部品工業に匹敵する規模であることが判ります。 電子材料のマクロ統計に関し、半導体産業新聞2007年7月4日付が業種横断で…

94-3/3 省エネデバイスでインバータ

インバータに代表される省エネデバイスの普及でエネルギー効率が高まり、原油消費量や二酸化炭素の排出量の削減が進みます。 パワーエレクトロニクス関連のインバータ化に関し、資源エネルギー庁の省エネルギー技術戦略2007では「省エネデバイスの導入が進め…

94-2/3 パワーデバイスで高耐圧トランジスタ

省エネの推進に直結するパワーデバイスの需要が伸びています。パワーデバイスの1-2割が産業用の高耐圧トランジスタです。 パワーデバイスに関し2007年4月18日付半導体産業新聞は「矢野経済研究所の調査報告によると、2006年のパワーデバイス市場は前年比16.4…

94-1/3 営業プロセスで交渉力

営業プロセスを構成する能力に関し、交渉力(交渉能力)は学習可能な能力ですから、個人の持ち味と経験に加えて知識を持つことで交渉の心技体(能力)も高まります。 筆者/青草新吾は、生産財営業で駆け出した頃に交渉力(交渉能力)の本に出会いました。数々の交…

93-3/3 エコキュートと自然冷媒ヒートポンプ

エコキュートは自然冷媒のヒートポンプで大気の熱を回収し活用するオール電化の目玉の一つですが、高圧の自然冷媒を使うことから新規の派生需要が生まれています。 日本国の二酸化炭素排出量に関し、97で前述通り家庭部門が14.5%の175百万トンを排出している…

93-2/3 オール電化とコージェネ

家庭用省エネではオール電化の普及が加速しています。エコキュートとIH調理器を主力商材とし、ヒートポンプ床暖房の需要も高まりつつあります。太陽電池もオール電化の支援商材です。 オール電化は西日本を中心に2002年ごろから本格的な普及の段階に入り、今…

93-1/3 エネルギー低炭素化でオール電化とコージェネ

ガス業界のコージェネ提案と電力会社のオール電化提案が様々なイノベーションをもたらしています。産業用省エネではコージェネ(熱電併給)の導入が進んでいます。 コージェネ(Co-Generation)とは、発電で発生する熱を回収し有効活用することでエネルギー効率…