青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

2007-01-01から1年間の記事一覧

92-4/4 バイオ素材

薄型テレビ以外の電子機器でもバイオ素材を実用化して量産採用する努力が続けられています。 松下電器のバイオプラスチック採用に関し、電波新聞2007年1月19日付で「松下電器が第3回バイオマス活用優良表彰で最高位の農林水産大臣賞を受賞した。同社は、03年…

92-3/4 植物由来のバイオ素材で薄型テレビ

再生可能な植物由来の素材と実用化では、新製品開発が活発な薄型テレビが先導しています。 97で前述した松下電器の竹繊維スピーカー(バンブーコーンスピーカー)はプラズマテレビに採用されていますが、電波新聞2007年7月9日付はパナソニックエレクトロニック…

92-2/4 エコプロダクツでブルーオーシャンへ

エコプロダクツの多くは、マーケティング用語でいうところのレッド・オーシャンよりも、ブルー・オーシャン領域の展開といえます。 温暖化ガス排出削減では、トヨタが切り開いたハイブリッド車、オール電化で太陽電池とエコキュート、ガスと電気のハイブリッ…

92-1/4 営業プロセスとIT

生産財流通ではIT活用によるSCM(サプライチェーンマネジメント)が普及したことで、一般材(コモディティ)の領域では顧客企業による調達先集約(集中購買化)が進む傾向にあります。 2006.10,7付記事で前述しました鉄鋼製品のコイルセンター(以下コイルセンター)…

91-4/4 ハイブリッド車向け車載電装デバイスで高性能素材

ハイブリッド車は従来にない車載電装デバイスを必要とし、これらの車載電装デバイスは従来とは異質の素材を必要とします。 派生需要の連鎖がイノベーションを加速します。ハイブリッド車の電子部品搭載で高性能素材(マテリアル系生産財)の需要を生み出されて…

91-3/4   ハイブリッド車はコストの半分近くが電子部品

自動車は環境・安全・快適のベクトルでエレクトロニクス化が進みます。中でもエコカーを代表するハイブリッド車ではコストの半分近くが電子部品だそうです。 ハイブリッド車そのものは古くから存在していたそうですが、スパイラルに進化した今のハイブリッド…

91-2/4 自動車のスパイラル変化 電動から内燃機関そしてハイブリッドへ

自動車の普及はEV(電気自動車)の電動モータに始まり、長期に亘り内燃機関の時代が続き、そして今はスパイラル展開されたハイブリッドシステムへと進化が続きます。 高度に電子化されたハイブリッド車の登場に関し、筆者/青草新吾は1996年10月に大阪で開催さ…

91-1/4 日本化(Iapanization)のスパイラル展開 漢字や自動車の事例 

日本文化の特徴に日本化(Japanization)とスパイラル展開があります。2000年ほど前に輸入した漢字や、ここ100年ほどの自動車でもみられます。 漢字に関し、日本文化は輸入漢字を日本化して性能を高め、更に日本語とハイブリッド化させて日本語の新しいシステ…

90-3/3 耐久生産財とはんだ接続の鉛フリー化

はんだ接続の鉛フリー化の派生需要で耐久生産財のビジネスも進化が続きます。 鉛フリー化が追い風となり、レーザーはんだ付け装置の需要が増えているそうです。Electronic Journal 2007年6月号で「ジャパンユニックスのレーザーはんだ付け装置への引き合いが…

90-2/3 欧州議会RoHs指令と鉛フリー化  

欧州議会のRoHs指令への対応で鉛フリー化が加速し、材料の鉛フリーハンダと鉛フリーめっきの開発も加速しました。 阪大産研の教授/菅沼克昭氏によると「ウイスカ発生は、室温における金属の拡散速度に大きく依存し、錫・亜鉛・カドミの3金属は銅などの…

90-1/3 生産財営業のE(環境品質対応)で鉛フリー化

化学物質規制で一気に加速した鉛フリー化ですが、鉛フリー化で頻発するウイスカが航空機や原子炉などで故障を引き起こしたり、あるいはどうにもこうにも鉛フリー化できない領域も残されています。 鉛使用の規制は96で前述の欧州議会の指令が先導役となりまし…

89-3/3 薄型テレビ向け高機能ガラス材

薄型テレビ向けではガラスメーカーも製品の環境性能を高め続けています。 TFT-LCD用ガラス基板の世界トップのコーニング社に関しElectronic Journal 2007年6月号は「コーニングジャパンのEAGLE XGが、第12回アドバンストディスプレイオブザイヤー(ADY2007)の…

89-2/3 エコプロダクツ2006 完全無鉛化テレビ

エコプロダクツ2006の会場で松下電器がプラズマテレビの完全無鉛化を展示していました。 プラズマテレビに関し49(プラズマと液晶の共進化)、84(PDP画素形成)、87(機能性フィルム)、89(投資生産性)、で使用される部材の進化について前述しましたが、環境性能…

89-1/3 石田梅岩の商人道 顧客関連プロセスと営業プロセス

環境対策では環境と経済の両立が必要です。顧客関連のプロセスと営業プロセスでは石田梅岩の商人道の考え方が参考になります。 環境対策は付加価値と収益を生み出す事業として展開することが重要です。顧客関連プロセスと営業プロセスに、環境対策が技術開発…

88-3/3 欧州主導の排出権取引

欧州(EU)が主導する排出権取引は本来の目的であるCO2の削減には寄与しないことも多いのですが、少なからぬ日本企業が知恵を絞って実利を伴う排出権を獲得しています。 せっかくの京都議定書を歪める要素になり易いのが排出権取引のメカニズムです。省エネ先…

88-2/3 エネルギー効率トップのニッポン鉄鋼産業

産業別エネルギー消費に関し、日本の鉄鋼産業のエネルギー効率(製品単位当りエネルギー消費量)は世界トップで、中国や米国の鉄鋼産業よりも2割ほど省エネです。正に産業集積による競争力の典型事例といえます。 日本鉄鋼連盟は2008年夏開催の北海道洞爺湖サ…

88-1/3 エコプロダクツとエコサービス

温暖化対策は民間の企業の営利行為やNPOの収益事業で進化発展します。政府が主な役割である環境整備を進めることでエコプロダクツやエコサービスがビジネスとして盛んになります。 日本のCO2排出量に関し、経産省の発表によると2005年度の総排出量は1,206百…

87-3/3 環境規制の強化。日本企業にとっては追い風

環境保全活動で先行投資してきた日本企業、とりわけエレクトロニクス業界や自動車業界の各社にとっては、環境規制の強化は追い風といえます。 ISO14001認証登録状況に関し、アイソ・ワールドの統計http://www.ecology.or.jp/isoworld/によると2007年1月現在…

87-2/3 環境に関わる要求事項で有害物質規制

グローバル企業に対する社会の要求事項で、温暖化ガス削減では京都議定書、有害物質規制ではELV 、WEEE 、RoHS、REACH・・が[環境に関わる要求事項]です。 温暖化ガス削減は国際法の領域で1997年12月の京都議定書、その後に欧州では2003年7月に自動車分野の…

87-1/3 ローマクラブの成長の限界(宇宙船地球号)から30年。QCDSに加わったE。

ローマクラブが成長の限界(宇宙船地球号)を1972年に発表してから30年を経た今日、地域法の欧州指令などが次々に施行され、生産財営業ではQCDSに加えてE(環境)が主要な取引基準に加わりました。 筆者/青草新吾の学生時代(1975年前後)にはローマクラブ(成長の…

2007-06-16 86-4/4 日本の強みは機能材料・機能部材

国際競争力が強い日本の製造業の「裏の競争力」の一つが、資源から元素抽出されたマテリアル生産財に更なる機能と価値を付加してマテリアル系生産財に仕立て上げるプロセス技術です。 松下電器の材料開発に関し、2005年9月1日付電波新聞は「パナソニックエレ…

2007-06-16 86-3/4 マテリアル系生産財

マテリアル系生産財による部材の競争戦略に関し、東証上場で愛知県尾張旭市のMRUWAや京都市のクリーンベンチャー21の事例が参考になります。 MARUWAは回路部品用のセラミック材料からスタートして今は電子部品の製造までを手がけています。日系ビジネス2007…

2007-06-16 86-2/4 電子部品の内訳で受動部品 村田製作所やTDK

電子部品の内訳で、受動部品については村田製作所やTDKのような素材から部品までを一貫加工する企業の強さが際立っています。 日本生まれの素材に関し、日本で発明されたフェライトを世界で初めて工業化したのがTDKで、チタン酸バリウムを使った積層セラミッ…

86-1/4 営業日報

営業日報に関し、IT日報(SFA)の有用性を説くNIコンサルティングの長尾一洋氏は、「御社の営業がダメな理由」*1の著者の藤本篤志氏のような日報無用論には困ったものだ、と述べておられます。 WEDGEの広告頁「長尾一洋の営業改革ノート15」でNIコンサルティン…

85-4/4 非鉄金属業界から電子基板へ

統計上はフレキシブル基板(FPC)に含まれることが多いテープ積層板(FCCL)に関し、非鉄製錬系では三井金属が総合トップですが、内訳の2層基板ではめっき方式でトップの住友金属鉱山に加えて日鉱金属が参入しています。 47と57で前述した電子基板材料のテープ積…

85-3/4 非鉄精錬7社のスパイラル進化

非鉄精錬7社の歴史から産業構造がスパイラルに進化していく様々な事例をみることができます。 非鉄製錬企業の多くが40年前に一度ピークアウトして、30年前に構造不況業種といわれるようになり、長い忍耐の時代からのスパイラル展開で、今はグローバル市場で…

85-2/4 非鉄金属と電線

三井金属の中間素材や住友金属鉱山の電子・機能材などの非鉄製錬7社から電子材を担当する部門の業績を抜き出して合計すると、2008年3月期予想で年商8千5百億円、営業利益667億円です。 非鉄製錬系企業による電子材料事業は、業界横断的に見渡すと一大産業の…

2007-06-09 85-1/4 営業プロセスと販売プロセス

営業プロセスを語るIT系企業の多くで営業プロセスと販売プロセスの混同がみられます。営業生産性の改善を企画(ISO9001では7.3設計開発)し実行していく上では、営業プロセスと販売プロセスの違いを区別しておいた方が何かとベターです。 組織営業で求められる…

84-5/5 特殊鋼とステンレス製品

ステンレスも鉄鋼製品と同様に汎用材のグローバル寡占化が進み、日本メーカーの各社は生産量でこそ小粒な存在になりましたが、技術面での競争優位を活かした高付加価値な高級製品へのシフトを加速しています。 鉄鋼新聞2007年1月10日付けでステンレス各社の…

84-4//5 ステンレスでクロム系

クロム系ステンレスでは、旧川崎製鉄の流れを汲むJFEスチールと新日鐵の流れを汲むNSSC(新日鐵住金ステンレス)が他を圧倒してきましたが、生産量で世界最大手の独ティッセンとミッタルに傘下入りしたアルセロール・ミッタルの両社がクロム系の生産拡大を発表…